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125.【仮想現実:先生と少女達】

今回の夢は「倫理的に……」とか「差別や偏見では?」と批判やご指摘がありそうな内容もあるかもしれませんが……
これはあくまで私が見た夢の中の話なので、あしからずご了承くださいませ。
相変わらず日本語もままならないので、読みにくかったり表現がおかしかったらすみません。

ある日の夢は……


アタシは押されるストレッチャーと一緒に走っていた。
ストレッチャーに横たわっていたのは、大きな白い犬のような何かだった。

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「先生……」

ストレッチャーを止めてそう呼びかけると、その白い犬は少し顔を上げてこちらを見た。

「また寿命を記録しておいてくれ」

口から話しているのか、テレパシーのようなもので話しているのかはよくわからないけど、声が聞こえてきた。

「はい。いつもの通りやっておきます」

「うん。それともう一つの寿命もね」

それを聞いた瞬間、アタシの体は一気に緊張した。

「先生……それは……」

「悪いね。もう一つの寿命はキミが覚えていてくれたら嬉しいよ」

「そんな……先生、もっと生きてくださいよ! ボディーを変えればまた動けるじゃないですか」

「いや、既に外側も設定済みなんだ。もう私は十分生きたよ。長く生きて研究し続けたけれど、変えられない世界の悲しみを乗り越えられなくなってしまった」

それを聞いて、アタシは白い犬に覆いかぶさるように泣き崩れた。

夢の中のアタシがいた場所は仮想現実と言われる世界だった。
この世界にはたくさんの種族がいた。
でも、大半を締めているのは、大きく分けて二種類の存在だった。
一つはこの世界の外側に自分の肉体や細胞を繋げて存在している人達。
『先生』と呼んでいた白い犬もそうやって存在していた。
自分の好きな姿で存在することができるみたいで、姿は犬でも人間のおじいちゃん教授という印象があった。

そんな風に繋がっているタイプの人達は、この世界では貴重な存在なのか優遇されている。
外側の肉体も徹底的に管理されていたし、内側の肉体も不具合があればすぐに新しいボディーに入れ替わることができた。

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そしてもう一つは外側の世界に肉体はなく、内側の世界で生まれた存在。
人間と同じなのか、アンドロイドのような存在なのかは夢の中ではわからなかった。
デザイナーベビーと言われる方法で誕生しているのか、夢の中で見た仮想現実の世界では身体能力に基準が設けられていた。
その基準に満たない人達は何かしらの罪に問われる。

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夢が切り替わって……
アタシはある建物の中にいた。
そこには小さな子どもや少年少女達がたくさんいた。
みんなどことなく顔が似ていて、南米にいそうな顔立ちに思えた。

夢の中の感覚だと、彼等は内側の世界で生まれた人達。
管理された体制で生まれても完璧なんてあり得ないのか、どうしても後天的に何かしらの影響が身体に出てくる人達がいる。
そういう人達は求められた側には拒否されて、追いやられて行き場をなくしてしまう。
保護者や支援者もいない『無戸籍』状態の彼等は、ボディーを取り替えることもケアしてもらうこともできない。
仮想現実の内側の世界にとって、彼等はまるでバグのような扱いだった。

アタシがいる建物は、そういう人達が集められる場所。
簡単に処分して「酷すぎる」と世間から批判されない為に、世界の管理者が仕方なしに用意した場所なんだとアタシは思っていた。
それを変えたくて、さっきの先生は長い間奮闘していたらしい。

今日は四人の子供達の処分が言い渡されることになっていた。
少年が一人と少女が三人。
少年と二人の少女は視力が悪くて、もう一人の少女は声が出せなかった。
視力の悪い三人は同じ時に生まれて仲も良い。
みんな狭い部屋で寄り添うように処分の通知を待っていた。

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部屋の中にいるのは三人だけ。
声が出せない少女がいない。
狭い部屋なのにどこに……と思ったら、部屋の奥にある庭へ通じる扉が開いていた。
外を見てみると、少女の背中が見えた。
外に向かって何かを投げている。
よく見てみると、建物を囲っている柵の外側にこちらを覗いている人達がたくさんいた。
その人達に向かって少女は石を投げているようだった。
アタシは急いで庭に出ると、少女の手を取って部屋に戻った。

ここにいる子供達は、何も問題のない人達には物珍しい存在だった。
でも、この世界では、誰かを批判したり傷つけることは許されていない。
もし何かをした場合は重たい罪に問われる。
だから、彼等は満たされない欲や鬱憤を晴らすために『只々覗く』という嫌がらせをしているらしい。

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声が出せない少女は、鼻息を荒くして怒っているようだった。
でも、それは他の子供達を守る為の行動なんだとアタシは思った。

「みんなの為に追い払ってあげたんだね」

そう声をかけながら、怒っている少女の背中をさすってあげると、彼女は嬉しそうに笑った。
同時に部屋の扉がノックされた。
みんなで隣の部屋へ移動すると、そこは法廷のような教会のような独特な雰囲気の部屋だった。
もしかすると、どちらでもあるのかもしれない。

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少女達が横長の椅子に座ると、スーツ姿の男性が前に立った。
アタシはみんなが待機していた部屋で待たなければいけなかった。
扉は開いていたので、声は小さく聞こえてくる。

定められた基準を満たしていないため……
特殊な水溶液の中に200年間入るものとする……
なお、早期に水溶液から出る場合は5万円の支払いを……

そんなような言葉が聞こえた。
その瞬間、夢の中のアタシの過去の記憶なのか、ニュース番組のような映像や掲示板の書き込みのような物が頭に浮かんだ。
浮かんだというか、壁に投影されるような感じだった。

水溶液に満たされた円柱状の巨大な水槽。
その中には顔半分を覆った酸素マスクとたくさんのチューブに繋がれた少女が、膝を抱えながら眠るように入っていた。
SF映画のワンシーンにありそうな姿。

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――これって倫理的にどうなんだろ?
――シッ! そんな発言したら、管理者に追われるぞ。
――昔はガラス製の水槽だったのに、なんで今は石製なんだ?
――耐久性の問題だろ。後はあの◯◯って石だと何かが安定するとか。

こんなやり取りが書かれた掲示板の映像も見えた。
昔はこういう書き込みが溢れていた。
でも、今そんなことを少しでも書き込めば罪になる。

今の現実の世界だと200年はとても長い。
でも、この世界の200年は、夢の中のアタシの感覚だと30年ぐらいだった。

「この水溶液に入っている期間が長ければ長いほど、体が健康になっていく……」

この世界の管理者は、そんな信憑性のない言葉でバグ扱いされた子供達に期待をもたせて、できるだけ長い間水槽の中に留めさせようとしている。
水槽から早く出たければ、5万円を払わなければいけない。
でも、この世界ではお金の価値はほとんどなく、ほとんどないからこそ、5万円という金額は大金だった。
この世界にバグ扱いされて、保護者もいない彼女達には到底払えない。
データの圧縮は容易に、解凍は困難に……。

そんなようなことを考えていたら夢が切り替わった。

アタシがいたのは、窓のない部屋だった。
青白いライトに照らされた部屋の床には、浴槽みたいな大きさの四角い水槽がいくつか置いてあって、水槽の中にはさっきの少女達が下着姿で一人ずつ入っていた。
視力が悪かった三人は水槽の中で眠っている。

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この水溶液の中には麻酔のような物が入っていて、少女達が眠ってから二段階で石製の水槽に入れられる。
そんなようなことが浮かんだ。

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声が出せない少女はまだ起きていた。
水槽の中の水溶液は満杯には入っていなかった。
ほんの少し隙間があって、そこで呼吸をしながら彼女はアタシの方を見た。
とても悲しそうな顔をしながら、まるでアタシの頬に触れるように水槽を何度も撫でた。

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怒ったり、喜んだり、悲しんだり……
彼女達にだって感情がある。
それなのにこんな扱いをされている。
こんな世界が嫌で先生は研究を続けていた。
でも、もう先生もいない。
そう思ったら、夢の中のアタシは一気に悲しい気持ちになった。

「この子達はアタシが出してあげられるけど、これからも同じことが繰り返される。そうならない為にはどうしたら……」

そんなことを考えていたら、アラーム音で目が覚めた。
もっともっと長い夢だったけど、大半を忘れてしまった。
でも、物凄く強烈な内容だったから、どうしても書き残しておきたかった。

そんな夢でした。
少女、彼女、彼等……って表現がブレブレですみません。
全部忘れてしまう前に一気に書いておきたくて、どうにか書けたので満足です。


別サイト初回掲載日:2019年 06月05日


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