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お笑い関係あれこれ

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お笑いに関する記事をあれこれまとめています。
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2022年3月の記事一覧

キャラ漫才をないがしろにはできない

キャラ漫才をないがしろにはできない

 ここではお笑いについていろいろ書いておりますが、個人的には極端な話、笑えればなんでもいいスタンスでして、それこそお笑い芸人である必要性も特には感じておりません。そんな感じなので、あれが〇〇漫才だとか、これが××芸だとか、言葉は何となく使ってはいますが、細かい定義なんかは気にしていませんでした。

 しかし、いざお笑い用語の意味を調べてみると、あまりにも定義がぼんやりしているのに驚きました。言う人

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ネタは消耗品でいいのか

ネタは消耗品でいいのか

 現在のところ、お笑い芸人のネタは消耗品の側面が強いようです。もちろん、同じネタをずっと使い続けている方もいらっしゃいますけれども、基本的には新しいネタをどんどん作りながら、一方で使わなくなるネタも出てくる。

 コンビやグループを解散した場合には、新たな相方と組んだ際に解散したコンビのネタをすることはありますけれども、引退となるとネタが他の人によって披露される機会は失われる場合がほとんどです。ネ

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お笑い芸人の解散・引退の影響力を数値化してみました

お笑い芸人の解散・引退の影響力を数値化してみました

 こうしている間にもどこかで芸人が解散してるんですが、当然ながら同じ解散でも実力や知名度などによって周囲に与えるインパクトが異なります。ただ、数字のようにパッと見て分かるような判断材料がなかなか見つかりません。

 そう思ってましたが、お笑いナタリーを見ていると休止解散の記事だけを集めているページを発見しました。ナタリーにはそれぞれの記事に、お気に入りした人の数が星マーク付きで示されています。この

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地獄のような光景

地獄のような光景

 お笑い芸人だとテレビでやるネタの他に、いわゆる営業でやるネタというのもあります。どちらも同じネタをする方もいれば、テレビはテレビ、営業は営業と明確に分けている方もいるようです。

 さて、いきなりですが「ドドん」というお笑いコンビがいらっしゃいます。

 浅井企画所属で結成は2009年、ボケの石田さんは本物のお坊さんであり、その立場を利用した漫才で知られています。法要や生前葬の会場でネタを披露し

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あるあるネタは日本にしかないのか?

あるあるネタは日本にしかないのか?

 いろいろ調べてみると、お笑いの用語は意外と定義が曖昧なものが多いと気づきます。どうしてなのか。あれこれ推測して、理由をふたつ思いついてみました。

 まず、お笑いの中心にいる芸人の方々は定義をカッチリ決める必要がありません。彼らの目的はいかに観客を笑わせ、楽しませるかにあり、使ってる用語の意味が決まっているかどうかは関係がない。芸人それぞれの感覚で使い、何となくでも意味が通じれば問題ないわけです

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ツッコミをふたつの要素に絞って考えてみました

ツッコミをふたつの要素に絞って考えてみました

 ツッコミはふたつの要素で説明ができるんじゃないかと思いついてしまったんです。その要素とは「否定」と「肯定」です。

 ツッコミの典型例として真っ先に挙げられる言葉は「なんでやねん」でしょう。敢えて共通語で表現するならば「なんでだよ」でしょうか。「なんでそんなことするんだよ」とか「なんでそんなこと言うんだよ」とか、往々にしてそういう意味合いで使われています。漫才の中でボケのおかしな点を指摘するとい

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コンプライアンスに真正面から挑んだ芸人、やくみつゆさん

コンプライアンスに真正面から挑んだ芸人、やくみつゆさん

 15年くらい前の出来事です。渋谷にシアターDというお笑い専門の劇場がありまして、ちょこちょこ行っては若手芸人のネタを見ていました。

 ある日、赤P-MANというピン芸人のネタを見ました。フリップを使ったネタだったんですが、芸能人の名前を用いたブラックなダジャレを笑ってもらうタイプのネタでもありました。

 劇場で披露されるネタは、密室感が出るからか、テレビじゃ絶対できないような言動がしばしば出

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ハリウッドザコシショウさんのCMだけは気になってしまうんです

ハリウッドザコシショウさんのCMだけは気になってしまうんです

 基本、CMは見てるそばから忘れてくんです。純粋に興味がないんでしょう。お笑い芸人が出てるCMでもそれは同じです。ただ、とある人が出てるCMだけは見てしまうんです。その「とある人」とはハリウッドザコシショウさんです。

 広告は、見せられる側からしてみたら、楽しいものの間へ勝手に滑り込む訳の分からない映像だったりするわけですが、広告を打つ側の企業からしてみたら、大金をかけて多くの人に自社のものを知

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いいお笑いはいい文章である、ただし半分は  水曜日のダウンタウン 数珠繋ぎネタ編

いいお笑いはいい文章である、ただし半分は  水曜日のダウンタウン 数珠繋ぎネタ編

 3月9日放送の「水曜日のダウンタウン」は「"長い"説タイトルランキングSP」ということで、文字数の長い説をランキング形式で振り返るという、ひとひねりある総集編が放送されました。

 その中に、以前も興味深く見ていましたが、改めて見てもやっぱり興味深かったものがありました。「漫才やコント 全然面白くない出だしからスタートしても 自分が面白いと思う芸人に次の展開考えてもらって数珠繋ぎしていったら 最

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芸は身を助ける、ただのお笑い好きでさえも

芸は身を助ける、ただのお笑い好きでさえも

 お笑いが好きを何かに役立てようと思ったことがありません。かたくなに拒否しているというわけではなく、お笑い好きを駆使して何かに貢献しようとの考えに及ばないだけなんです。あくまで趣味の範囲で楽しんでるだけですので、見て笑えば満足してしまうわけです。お金や時間を使って楽しむ。私としてはこれで充分に役立ったつもりでした。

 しかし、お笑いについてのあれこれだって知識と言えば知識です。知識は、言ってしま

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耳の彫刻とR-1のZAZYさんには共通点がありました

耳の彫刻とR-1のZAZYさんには共通点がありました

 友人知人の中で唯一、お笑いが好きな人がいます。その女性を仮に澤田さんとしておきます。

 澤田さんとは会えばお笑いの話ばかりしていますが、時々よく分からないことを言い始めるんです。例えば、以前noteで書きましたけれども、女性お笑いコンビ「ヨネダ2000」のネタを見るや否や、ネタ中でおこなわれている相撲の突っ張りがちゃんとした形になっていない、などと言い始めるんです。「本当はこうしなきゃいけない

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ラーメンズ公式動画再生数ランキング

ラーメンズ公式動画再生数ランキング

 ラーメンズは1996年に結成し、2009年を最後にコンビでの活動をしていないコントユニットですが、その独特なネタは今でも根強い人気がございます。それを反映してか、長らく違法動画としてアップロードされまくっていた彼らのネタですが、2017年1月1日、DVD化されたものを中心に100本の動画が突如としてラーメンズ公式チャンネルにアップロードされました。

 で、それから5年以上経ったある日、思ったん

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いいお笑いはいい文章である、ただし半分は  錦鯉 渡辺さんの「2分59秒」編

 動画サイト「ABEMA」に「2分59秒」という番組があります。何名かのゲストが2分59秒という持ち時間の間に何らかの主張をする。ABEMAの公式YouTubeに番組の一部が公開されており、動画を見れる環境さえあれば誰でも見ることができます。

 以前、モグライダー芝さんの2分59秒について書きました。

 主に「これはすごいぞ」という内容なんですが、現在YouTubeで公開されているもののうち、

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フリップ芸という多様性の難しい世界での多様性

フリップ芸という多様性の難しい世界での多様性

 ピン芸人は伝統的にフリップボードを使うネタ、通称「フリップ芸」が広く愛用されています。「めくり芸」とも呼ばれているようです。

 フリップボードとは白い長方形の板であり、大体は文字や図表が書かれています。映像制作の現場でよく用いられており、かつてはテロップの代わりなどに使われていたそうです。つまり、映画や番組のタイトルやクレジットをフリップボードに書いて、それをカメラに映していた。フリップボード

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