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#異能
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第六章 闇より深く……
第六章 闇より深く……
※此の章はイメージを大切にして頂くラスト前ですので挿し絵は控えております。
「来るぞ!」
僕は辺りを見渡し警戒した。
ただでさえ硝子が崩れそうなこの状態で、一気に全ての世界が闇と包まれたのだ。
ヒシヒシと感じる……。
突然、僕を「黒影紳士」の世界に閉じ込めた、この呪いの様な書の本質……。
「何ですか、黒影紳士の書って?」
「良いから警戒しろ、来るぞ!」
心臓の
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第五章 片翼の天使と云う物語
第五章 片翼の天使と云う物語り
夜中に行形黒影紳士以外を書きたい衝動に駆られた。
僕には片翼しかない。
此れは産まれながらにそうである。
誰もが始めはそうなんだ。
そうでなければ、誰かを必要としないから。
此れは人と人が手を取り合う為に神様がそうされたのだと謂れているが、本当のところは誰も知らない。
もしも、本当に我々が片翼である理由がそうであるならば、僕はその理由を恨むだろう。
…だ
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第四章 華、誘い
第四章 華、誘い
――――――
ある夜の事だ。
黒影の声が聞こえた気がして、私は振り向いた。
あの洋燈を手に…理由も無く星でも眺めようと歩き出す。
鳳凰にも似た赤い火星が、今にも消えそうな瞬きをしていた。
胸騒ぎがして黒影の事務所に電話でもしようと思ったんだ。
そんな時、ぽつりぽつりと光が空へと続くのだ。
「この光は…」
手元に持っている、一つしか無い筈の洋燈が、道を示す様にポンポンと浮か
最終回season7-5幕 黒影紳士〜「色彩の氷塊」〜第一章 流雪蔦
第一章 流雪蔦
流雪蔓
雪柳が咲く
桜を前に
白き雪の名残を讃えた
――――――――
染井吉野が咲く頃、小さな白い雪の花がぽつりぽつりと咲き始めた。
温かな風に吹かれ、其れは軈てふんわりと嫋やかに揺れるのであります。
真っ黒な猫が一匹…その白い雪柳の簾を掻き分け現る。
「あっ……「先生」じゃないか。……ほら…花弁だらけじゃないか。さては遊んでいたな?」
微笑む青年が一人、其
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第五章 天空に独り
ちょっと待ったー‼️待ってお願いです、待って‼️
間違えて1日前に更新しちゃいました!
一枚もう一枚、挿し絵描きたかったです!
明日読むか、挿し絵だけ明日観にきてね♪💦
第五章 天空に独り
「……はっ……はっ……」
黒影は未だ息も整わぬうちに立ちあがろうとした。
「先輩!……幾らなんでも無理ですよ!」
サダノブの言葉を気にも止めず、黒影は鳳凰の炎揺らぐその瞳を更に燃える様に真っ赤にさせ、
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第四章 迷いなき独り
第四章 迷いなき独り
一人の男が交差点へ入る。
黒影は襟の裏に仕込んである小型無線を使い、
「高梨 光輝です。警察名簿から昔の物だが顔を確認。間違い無い」
と、能力者犯罪対策課のチームにも言った。
サダノブも横で静かに身を潜めている。
「もう一人確認!」
暫くして風柳から報告がはいる。
二人は何やら話し込んでいる様だ。
「黒影、未だ大丈夫か?」
風柳は黒影のGoが出ないので心配して
season7-4幕 黒影紳士〜「黒水晶の息吹」〜第一章 雨に独り
本編を始めます前に、
この度、詩人のkogomeyuki様
Xアカウント→@kogomeyuki16
から、第一章&第二章に五行歌を詠んで頂きました。
イラストは僕で、五行歌はkogomeyuki様の久々のコラボをお楽しみ下さい💐✨
この五行歌は黒影へのエールだそうですので、
勲さん視点では無く、黒影視点でお楽しみ下さい。
kogomeyuki様へ Special thanks
以前は詩を
season7-3 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第六章 生命の翼
第六章 生命の翼
「風柳さん……」
「……ああ、分かってる」
湖にせめて二人の願いを叶えてやろうと辿り着くと、黒影は風柳に声を掛けた。
風柳は黒影に言われた、自害の可能性の話を思い出し、黒影の目を見てゆっくり頷いた。
サダノブが暁春を、風柳がデュランテ医師の腕を握り、警戒はしている。
ただ、黙祷をしたいと言うのでその時は離してやらねばとは思っていた。
これだけ、居るんだ……まぁ、大丈
season7-3幕 黒影紳士 〜「手向菊の水光線」〜🎩第三章 菊の在処
第三章 菊の在処
「サダノブ……衛星画像からこの辺一帯を探してくれ。此れだけ色が豊富なんだ。かなりの数の菊を育てているに違いない」
黒影はそう指示を出す。
「先輩」
「何だ、問題でも発生したか?」
黒影はサダノブがさっさとタブレットPCで検索しないので、若干苛立ち言った。
「いえ……其れより、白雪さん……」
「えっ?白雪……何処行ったんだ!?」
黒影はさっきまで隣にいたのに、突如姿を白雪が
season7-2 黒影紳士 〜「東洋薔薇の血痕」〜🎩第三章 落下
3 落下
「どうせ調べるのでしょうから、此方からお話しします。庭に面して、丁度椿の直ぐ隣にハンバーガーショップありますでしょう?」
と、時藤 浩史は確認する。
「ええ、在りますね。あのハンバーガーショップの店の景観も落ち着いた色に抑えているのは、此方の建物に十分配慮されている様に窺えましたが……」
黒影は良くあるご近所トラブルからの行き過ぎた犯行の線を消そうとしている。
「景観「は」問題な