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#人間

詩 ブランコ

詩 ブランコ

そら、き、そら、き
くりかえす

背伸び
幼いふり

はやく大人になりたい気持ち
大人になるのは怖い気持ち

ブラックコーヒー
アンパンマンチョコ

子どものわたしは
大人時代を知らないけれど
大人のわたしは子ども時代を
いつも心で飼っている

空、木、空、木
繰り返す

大人になっても乗れるよ

あんまり景色は変わらないよ

大丈夫だよ

詩 人間観察

詩 人間観察

記憶の中の色
記憶の中の温度
時間とともに
変化しないが
時間とともに
変化していく
思い出として

わたしという人間を
あの日にもう一度
連れて行けたら
思い出は
変わらないのに

どれだけ文明が
発達しようとも
戻れない時間に
頬杖をつく

思い出を
都合の良い色にして
都合の良い温度にして
幸せに墜落していく

ダメ人間じゃないよ
きっとわたしたち
これを人間というんだろう

詩 縮図

詩 縮図

世界の縮図は
街角にある

怒りに満ちた人
その怒りに共鳴する人
疑問を呈す人
笑い話にする人

すべてが見渡せるこの場所で
人生について
考えてしまう

四方八方
敵ばかりじゃない
でも味方ばかりでもない

考えなくては
考えなくては

どうありたいか
どうある私が好きなのか
どうある私が嫌いなのか
どうある私が心地よいのか

私と私がたたかったとき
何が勝ち残るのか

あたまの中
繰り広げられ

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詩 道すがら

詩 道すがら

ときどき振り返ると
そこにあるのは
ひとつの道

その道を歩いてきたから
わたしという人間は
ここにある

歩いてきた道が
わたしを作っている

ひとつでも違えば
それはもうわたしではないような
そんな気にもなる今

全てを肯定できるほどの
強さはないし
そうありたいとも
思わないけれど

今日までのわたしが
わたしをわたしたらしめる

悔しいこと悲しいこと
優しく包み込んで
大切な景色

振り返

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詩 飴ちゃん

詩 飴ちゃん

これは優しさ
これは悲しさ
これは楽しさ
これは苦しさ

誰かに分け与えるための
飴ちゃん

誰しもが
いろんな味を
ポケットに

となりの人
悲しいときは
どうしよう
楽しさの個包装
はたまた
悲しさの個包装
どちらを差し出そう

微妙な悩み
それはきっと
人間らしさ

分け与えよう
お互いに

いろんな味の感情
持っていてよかったな
わたしたち

詩 おそろい

詩 おそろい

お母さんと私
笑顔がおそろい

お姉ちゃんと私
声がおそろい

友人と私
ポーチがおそろい

おそろいたくさん

でも一番おそろいなのは
子どものわたしと今の私

こんなにおそろい
きちんと自分を愛せているだろうか

子どもの頃の記憶から
抜け出せないまま
苦しい夜に
小さく丸まって
人生単位で
わたしを攻撃している

子どものわたし
私の中に必ずいる
きちんと抱きしめてあげよう
うまくはいかなく

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詩 わたしまだまだことばをしらない

詩 わたしまだまだことばをしらない

わたしはまだまだ
ことばをしらない
ことばのせんたくしを
しらない

だからきょうも
とびらをたたく

わたしのしらない
どあのむこう
だれかのことばが
ひらかれている
そんなせかいに
みをおいてみる

ことばをえらぶこと
あきらめたくない
だれかにひどいこと
いわれても

ぶりょくをそっと
ほうきするほどの
しなやかなことばを
つむぎたい
そうして
あなたとこころを
つむぎたい

詩 記憶の栞

詩 記憶の栞

君の今日までを形作った
悲しい色の記憶
思い出さないよう
厳重な箱に封じ込めるのではなく

君がまた
新しいページから始められるよう
美しい栞にしてしまおう

君の歴史は動かない
ここまで物語は紡がれてきた
封じ込めることに懸命になっても
辛いことは辛いまま
それでも君のステキな未来に
干渉されてたまるものか

栞から先が
君の未来

ここまで地道に
歩んできた
この栞が
この栞の美しさが
そのこ

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詩 コトバとコドウ

詩 コトバとコドウ

たくさんある
どうしようもなく
大好きなものについて

言葉にしよう!!
言葉にしよう!
言葉にしよう、、、

なんだか違う
そうじゃない
なにを言っても
心の高鳴りに
近づかぬ言葉

あれこれと
並べてみると
さらに伝わらぬ
もどかしさ

仕方ない
好きであればあるほど
複雑さは増す

だからこそ
大好きだと
一言にまとめてみる

ひとに伝えるには
十分だ
ここは頼りきってしまおう
言葉ひとつに

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詩 怪物

詩 怪物

その人にしか分からない
怪物との戦い

笑顔の向こうで
想像もつかないような
怪物ときっと
戦っている

どんな名前
どんな特徴
分からないけれど

みな戦いの場で
泣いて笑って
平気なふりもして
生きている

不安と不安と不安
並べてみたり
比べてみたり
思い出してみたり

でもきっと
向かうべきはそこじゃない

怪物に勝利する日
信じてただ
真っ直ぐ未来を
見据えよう

君の眼差しに
目が眩み

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詩 わがまま

詩 わがまま

生まれ変わるなら
あなたの書く詞になって
世の中を泳ぎたい

誰かの傷口に
たどり着いて
形ないものの役割を
明らかにしたい

誰かのモヤモヤに
たどり着いて
手を繋いで
白い未来へ
踊りたい

誰かの記憶に
たどり着いて
過去の旅へ
泣いて笑って
おともしたい

誰かの幸せに
たどり着いて
ほほえみをつなぐ
細い糸の尊さ
噛み締めたい

生まれ変わるなら
人間にはなりたくないと
どこかで思ってい

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詩 みずうみ

詩 みずうみ

最近の嫌だったこと
水辺で話せば
洗い流してくれる
どれほどの話を
洗い流してくれたのだろう
広い広いあなたはみずうみ

話したいこと
いっぱいある
そう気がつける
必要なのは
日常を忘れるための背景
そして日常
遠い遠いあなたはみずうみ

言葉のひとかけらから
記憶を辿る
優しい気持ちから
感情を辿る
心の奥にある
気持ちに初めて出会う
話はどこまでもゆったりと続く繋がる
深い深いあなたはみずう

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