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「損切丸」-「日銀」編

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「損切丸」が20年以上 ”お付き合い” させて頂いた「日銀」に関するより突っ込んだ記事をご紹介。
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#ビットコイン

止まらない「過剰流動性」ゲーム - バローメーターはビットコイン

止まらない「過剰流動性」ゲーム - バローメーターはビットコイン

  "CPIショック" はちょっと大袈裟だが確かにマーケットの雰囲気は一変した。特に米国債とJGB(日本国債)。売り=金利に上昇に弾みがついている

 米国債については「逆イールド」から一気に「フラットニング」(イールドカーブの平坦化)「スティープニング」に向かう勢い。「年内利下げ」期待は剥落しつつあるのが現状。このままCPIや雇用統計が上昇基調を維持すれば2年以降の米国債金利は@5%越え、下手を

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溢れる「過剰流動性」の "器" - 「逆イールド」の米国債 → ナスダック → ビットコイン、日経平均、そして...

溢れる「過剰流動性」の "器" - 「逆イールド」の米国債 → ナスダック → ビットコイン、日経平均、そして...

 2023年、シリコンバレー銀行(SVB)やシグチャー銀行を吹き飛ばした米国債の "暴風雨” 。早期「利下げ」騒ぎで「逆イールド」を形成したが今や完全に行き詰まり。相場のダイナミズムを失っている。大やられした米銀もFRBの監視の目が厳しくなり米国債の "器" は一杯。商売あがったりである

 低調な米国債市場と歩調を合わせるように、相場を牽引してきたナスダックや ”マグニフィセント7” も上が詰ま

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「タラントンの例え」と日本人

「タラントンの例え」と日本人

 娘がいわゆるミッション系の学校に通っていた関係でこの話を聞いてきた奥さんがショックを受けていた。曲がりなりにも英銀に22年勤めていた筆者は何となく理解できたが「清貧思想」が染みついている日本人には理解し難い話かもしれない

 この例え話には「お金」以外にも様々な解釈があるのだが、ここでは敢えて日本人と「投資」の話にしてみよう

 真っ先に思い浮かんだのは「地中に埋めた1タラント」≓「銀行預金」。

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続・逃げ出す「お金」。向かう先は... @2024

続・逃げ出す「お金」。向かう先は... @2024

 逃げ出す「お金」。向かう先は...@2024|損切丸 (note.com) の続編

 ストラテジストの個人的見解かもしれないが、ウォール街の "2巨頭" 「JPモルガンチェース」と「ゴールドマンサックス」でこれだけ意見が反駁するのも珍しい。それだけ現在の ”高値” で売買いの火花が散っているという事

  "2巨頭" といってもその性格は大きく異なる

 JPは「ドルの巨人」。「預金」「貸出」

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 "ババ" は「日経平均」か「マグニフィセント7」か「ビットコイン」か、それとも「お金」か?

"ババ" は「日経平均」か「マグニフィセント7」か「ビットコイン」か、それとも「お金」か?

 某有名経済タレントが@4万円を超えた日経平均や米株を「世界規模のババ抜き」と揶揄していた。「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン|損切丸 (note.com) はあっという間に@65,000ドルを超えて口アングリ状態だが、「暗号資産」に関しては素人ながら一種の "恐怖" さえ感じる

 仮に今の「インフレ」が純粋に「貨幣現象」なら「生活実感が伴わない」「経済実体にそぐわない」のも当然。何

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はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー

はっきりした「ドル建日経平均」戦略 - 注目すべきは「FX」フロー

 今日(2/29)の「ドル円」と「日経平均」の動きは興味深かった:

 この連関がはっきり出た

 ドルベースの海外投資家やファンドにとっては「ドル建日経平均」はまあ当然と言えば当然の戦略。ちなみに現在は@$260.00程度。ここで注目すべきなのは「ドル建日経平均・キャリートレード」とも呼ぶべき「レバレッジ取引」が膨らんでいる事だ。主役はHF(ヘッジファンド)

 毎日毎日「収益」「実績」を求めら

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「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン

「過剰流動性」が生んだ "怪物" ビットコイン

 不気味に上がり続けるビットコイン(BTC)。ブロックチェーンとか半減期とかマイニングに電力を消費するとか、とにかく断片的な知識しかない筆者にはいくら値が上がっても手が出ない代物。まあ「わからないものには投資しない」を是としてきたので、価格形成メカニズムが不明のまま「お金」を投じることはできない

 「テスラ」とBTCとWTI。ー 「過剰流動性」はどの程度影響していたのか。|損切丸 (note.c

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「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

「行って欲しくない方に動く」相場の原理@2024 ー 一体誰が困るのか?

 「行って欲しくない方に動く」相場の原理。ー 「損切り」が動かすマーケット。|損切丸 (note.com) の2024年版

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) が収まらない「損切丸」。経験則からこういう時相場は「行って欲しくない方に動く」。

 ポイントは一体誰が困るのか?

 1.インフレ+金利上昇
 これは「インフレ体質」で「借金過多」の欧米が一番困る。マーケットでは一生懸命

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やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” Ⅱ。

 やっぱりアメリカで燻る「インフレ」の ”種火” 。|損切丸 (note.com) の続編として

 悪い ”胸騒ぎ” |損切丸 (note.com) 前稿.「お金」の価値 - "一度一方方向に走り出すと止まらない日本人" |損切丸 (note.com) で金利急騰のリスクを指摘した途端に厳しい数字が出た:

 米CPIは実は驚くような数字ではない。直近の様々な指標から「人件費」の再上昇は示唆され

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悪い ”胸騒ぎ”

悪い ”胸騒ぎ”

 日経平均は連日「バブル後最高値」、S&Pも@5,000ドル台、何もかもが順調に進んでいるように見えるが、筆者には漠然と悪い ”胸騒ぎ” が押し寄せている。今回はこれといって具体的なデータの裏付けはないが、まあ ”天邪鬼” な元・金利トレーダーの習性かもしれない

 やはり主因はモゾモゾと上がっている「金利」。米雇用統計やISM指数など「インフレ」復活を想定させる指標が相次ぎ、一時傾斜のきつい「逆

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「金利」が低下したのに「ナスダック」が売られた - "慌てず勇気を持って挑む" 2024年

「金利」が低下したのに「ナスダック」が売られた - "慌てず勇気を持って挑む" 2024年

 こういう不思議な事がずっと米株式市場で語られてきた。まあウォール街特有の ”為にする理屈” なのだが、昨日(1/31)この法則が崩れた。「金利」が低下したのに "典型" と捉えられてきた「借金」の多い「ナスダック」が売られた

 メディア的に面白くないのであまり記事は多くないが "米株弱気派” の投資家やファンドは結構存在する。代表的な例はPBR(株価純資産倍率)が4.4倍の米株は高過ぎる、e.

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 ”ノドに刺さった骨” -「日銀」が動いて初めて「インフレ」退治が始まる

”ノドに刺さった骨” -「日銀」が動いて初めて「インフレ」退治が始まる

 市場予想通り日銀は政策変更を見送ったが、案の定その後の植田総裁の記者会見が注目された。その中で Bloomberg 社に掲載された記事が興味深かった。データサイエンスの「ワードクラウド」の分析によるとと12/19の会見 ↓ に比べて今回( ↑ 標題添付)は「マイナス(金利)」「賃金」が増えているという。なるほど、さすがAI時代

 マーケットは素直に反応し、会見後ドル円は売られ、一時+400円以

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日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?

日本人にとっての「最適投資」2024 - 優先するのは「円安」それとも「インフレ」?

(参照) 日本人にとっての「最適投資」は...。 ー 2022年に儲かったのは誰?|損切丸 (note.com)
 日本人にとっての「最適投資」2023。- 円金利上昇で狭まる選択肢。|損切丸 (note.com)
 続・日本人にとっての「最適投資」2023。- 跳ねるか ”卯(うさぎ)年” 。|損切丸 (note.com)

 「グローバル・ソブリン」(通称「グロソブ」↑ 標題添付グラフ)って覚

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続・「理想」と「現実」- 「過剰流動性」の "アンカー" 「日銀」

続・「理想」と「現実」- 「過剰流動性」の "アンカー" 「日銀」

 「理想」と「現実」- やはり鍵を握るのは「日銀」|損切丸 (note.com) の続編

 年初から奇妙な相場が続く。主要株式市場や国債市場(金利)が軒並み売られているのを横目にビットコイン(BTC)だけが突っ走る

 暗号資産関連会社は大はしゃぎだろうが投資家にとっては望ましい状況ではなかろう。年初からの相場を見ているとわかるが、何かが売られれば何かが代わりに買われる。まるで ”モグラ叩きゲー

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