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店舗設計士の日常

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ステキなお店作りのヒントや、コツなどをプロ目線からお伝えします。インテリアデザイナーとして過ごす日々の出来事や趣味の話も。
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#ビジネス

未来で使えるチケットの落とし穴

未来で使えるチケットの落とし穴

切羽詰まりつつある状況の中で、飲食店や宿泊施設でも前売り券を売り出してキャッシュフローを改善しようという動きが出てきました。

正直いえば、僕のお店でもやろうかどうしようか悩んでいます。

悩む理由はメリットが明確に見えるのに対して、隠れているデメリットが本当に釣り合っているのか疑問が残るからです。

即金の効果と、広告効果の合わせ技メリットはなんといっても即金で現金が入る点でしょう。決済手数料の

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病床じゃなくお店をパンクさせる日を取り戻す為に

病床じゃなくお店をパンクさせる日を取り戻す為に

色々なお店の声にならない悲鳴や苦悶が聞こえてくるようで、延命措置な案ばかりでこれといった有効打を思いつけない事が不甲斐ない...

震災の時にも味わった力不足感と似ている。

日増しに悪くなる状況はジワジワと色々なところを蝕んでいて、でも即死するような方法ではなくて、ゆっくりと沈んでいくのを見ている怖さがある。

毎日の積み重ねが束になって月末にくる。家賃、融資返済、スタッフへの給与の支払い、各種

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お店のオーナーさん達へ、今やって欲しいこと

お店のオーナーさん達へ、今やって欲しいこと

騒動は収束の兆しも見せぬまま4月になってしまいました。そして当初は楽観的に見ていた人もさすがにまずいと思ったのか、対策を求める声が届くようになってきました。

実は1ヶ月以上前の2月17日の段階で書いているんです、対策方法。

その2日後にも、もうちょっと突っ込んだことを書きました。

あれから1ヶ月半...もっと事態は悪くなっています。

そして、残念ながらこの状況は少なくとも5月〜6月頃までは

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これはさすがにマズいのです / お店のランニングコスト

これはさすがにマズいのです / お店のランニングコスト

このまんまだと都市封鎖すんぞという会見が開かれて、気づけば緩んだ危機感がまたドキッと締め直されるような今日この頃...

リモートワークに外出自粛、そしてついには飲食店も名指しで行くなよと言われてしまいました。

「週末に多くの人が外出したり、平日でも夜の飲み会などをしたりすることは感染リスクを高めるおそれがあるので、こうした機会を避けることは必要だ。また、平日の仕事を自宅で行うという取り組みは個

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それはコストなのか?ギフトなのか?

それはコストなのか?ギフトなのか?

経済的な不安やら先行きの見通しの修正に追われつつある今日この頃...頭をよぎるのはどうしても「生産性の高さ」みたいになりつつあります。

まぁ実際問題、今の世界の状況はどう見ても不況まっしぐらですよね。

よりによって局地的な一部産業が震源の経済ショックではなく、世界中で同時多発ですから、もはや影響は避けられないでしょう。

仕事や暮らし...どうなるんですかね?

と、不安になる時に限って「こん

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ビュッフェ形式の飲食店が今できること

ビュッフェ形式の飲食店が今できること

2月の頭に「今回の中国発の感染症の話は、お店をやっている人には結構まずいことになるかもしれない...」と感じたのがはや1ヶ月前。そこから何個か、対策を考えてnoteに書いてきました。

あれから少し時間がたって、状況はより悪い方向へ行っていますね。

そしてついに恐れていた要請を政府が出しました。

「風通しの悪い場所で至近距離で接する場所は避けてほしい」
・スポーツジム
・屋形船
・ビュッフェス

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お店が収入を分散化する方法

お店が収入を分散化する方法

自分のお店って憧れますよね?

でもやってみると実際は固定費はかかるわ初期費用も高いわ、お店開けないと商売にならないから拘束時間は長いわ、結構たいへんなんです。

で、小売店にしろ飲食店にしろ観光宿泊業にしろ、リアル店舗でのビジネスって基本的には労働集約型なんですね。

つまり、場所に人がいて成り立つモデル。

例外的に無人営業のお店やコインランドリーなどがありますけど、基本的には人と物が集まって

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続・新型コロナ感染爆発の時、飲食店はどうする?

続・新型コロナ感染爆発の時、飲食店はどうする?

先日ちょっと書いた新型コロナ感染爆発の時に、来店前提の飲食店や美容室なんかはどうすりゃいいの?というnote。

うちのお店でもイベントのキャンセルとかも出始めたり、登壇オファーのあったイベントや友人の会社の周年パーティーが無期限延期になったり、僕の周りでも影響が出始めています。

そんな流れもありつつ先日のnoteをbarbossa林さんが紹介してくれたので少し広まりまして、何人かが「お気に入り

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吉祥寺のお店について

吉祥寺のお店について

1月20日発売のフィガロ3月号に、吉祥寺のお店「あわい」を掲載していただきました!実はちゃんとお店の取材受けるのが初なのでとても嬉しいです!

取材自体は去年12月頭でしたが、ようやくこうして告知できます。

フィガロ2020年3月号、P.77です。女性向けライフスタイル誌ですが、トレンドのあれこれが詰まっているので紙メディアってやっぱりすごい編集力だなぁ...と読んでいて感じました。おもしろいの

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10年を振り返る、を振り返る

10年を振り返る、を振り返る

数日前にTwitterで「 #10年を振り返る 」というハッシュタグが盛り上がりました。これ、僕は書かなかったんですけど、盛り上がり方がコンテンツを作る側の参考になるなぁ...と眺めていたので(根暗)気づいたことをメモしておきます。

まず、このハッシュタグって参加の敷居がめっちゃ低いんですよね。これが「10年の仕事を振り返る」とか「10年の恋愛を振り返る」とか「振り返ればヤツがいる」とかだったら

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プロは体が道具になる

プロは体が道具になる

この前、お仕事をご一緒している渋谷Niruの佐保さんご夫婦(Niruの佐保さん、cakesの榎本さん)と打ち合わせ兼ねてゴハンへ行ってきたんですね。

そこで、なんてことない時に「シェフは指3本で1グラムが基本」っていう話になったんです。料理人は味がブレないように親指、人差し指、中指の三本指でつまんだ時に塩1グラムになるそうです。

こういうプロならではの身体感覚っておもしろいですよね。ソムリエさ

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いつかこれで食べていければいい、を考える

いつかこれで食べていければいい、を考える

「運動の第一法則」というものを習ったことがあると思う。慣性の法則とも呼ばれるこれは、静止している物体は静止し続け、運動している物体はそのまま等速度運動(等速直線運動)を続けるという物理法則のことだ。

これはビジネスでも同じで、何もないところから商売を始めて動き出して、きちんと儲けが出るようになるまでは大量のエネルギーが必要になる。

そして、はじめてからしばらくは儲からないことが多い。どんなビジ

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仕事の向き不向きを決めるのは君ではない

仕事の向き不向きを決めるのは君ではない

「わたし、この仕事向いてないかもしれない...」なんていう愚痴を聞くときがあるんだけれど、いつもこれ意味のない愚痴だから言うのやめな?って思うんですよ。

単純に仕事への自信を失っていて慰められたいなら、仕事でのミスや至らなさと、自分自身の人格とは分けて考えたほうがいい。

ミスや至らなさには原因や不足してる伸び代があるのだから、そこは改善すればいい。

そうじゃなくて、君がその仕事に向いてるとか

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熱狂させない、という戦略

熱狂させない、という戦略

お店に限らずなんですが、いわゆる熱狂的なブームみたいなものってあるじゃないですか?

わかりやすいのだとコンテンツのバズとバイラル(拡散)や、二次創作やコピー商品やコピービジネスの登場とかね。

あぁいう段階までいくのって、それはそれですごいなー、と思うんです。でも、そこ目指したくないな、とも考えてしまうんですね。

熱狂って一種のお祭りなので、祭りは必ず終わりがあるんです。撤収したら残らない。

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