先生 PartⅡ

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記事一覧

試行より思考の錯誤

 先日の古本市で『最新日本語読本』新潮平成四年四月臨時増刊号を買いました。私にとって面白く興味を惹きつけられる記事が満載です。とりわけ最後のページの方の囲み記事…

 失敗

 お寺の境内で古本市があり、そこで何冊かの本を買いました。そして、気にはなったのですが買わなかった本があります。それはロビン・ギル著『英語はこんなにニッポン語』…

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「私、僕、俺」

 5月1日の朝日新聞 「 ひ と 」の欄  富士通女子バスケットボール(リーグ優勝しました)のヘッドコーチBTテーブスさん’(カナダ出身)の紹介とインタービュー記…

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2週間前
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簡略化?表現

 先日、テレビを見ていて、ちょっとした衝撃というか、思わず「面白い !」とおもった事がありました。  それはある若い俳優さんがインタビューに答えていった、その言…

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3週間前

  「潺 潺」

 今『星を見る人』(恩田侑布子著 春秋社)を読み始めたところです。副題が「日本語、どん底からの反転」とあり、それに惹かれたのです。  そして、いきなり「潺潺」と…

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1か月前

 「国境」は「こっきょう」それとも

先々週、雪国の「機関車」について書きました。 「雪国」についてもう一つ。 「国境」のよみは「こっきょう」なのか「くにざかい」なのか。 これまで色々と論じられていま…

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1か月前

モダンジャズの『花伝書』 五木寛之

 月刊図書 4月号の巻頭記事で 五木寛之がモダンジャズの『花伝書』の題でマイク・モラスキー著の『ジャズピアノ』について書いています。 以下に引用します。 「マイ…

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1か月前

 『雪国』の汽車は、

 古書店で面白い題名の本を買いました。 『『雪国』の汽車は蒸気機関車だったか?』  酒井明司著 東洋書店 2009年12月25日初版発行  『雪国』の初めの一文は…

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1か月前
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お寺の掲示板 ②

大阪市 光臺寺  「 そうならねば   ならぬのなら   ありのままを   ただ受け入れて   ありがとう   さようなら   また遇う日まで 」  また遇う日ま…

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1か月前

 日常着にインパクト

 3月14日 朝日新聞 朝刊 27面 fashion 欄の見出しです。  「日常着にインパクト」   普段着ではなく日常着。当然、普段着、訪問着や外出着とは違うのでしょ…

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2か月前
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 スーパーのチラシ

 よく郵便受けにチラシが入ります。あるスーパーのチラシが気になりました。「お買い得まみれ!!」とあります。このチラシが言わんとすることはわかります。しかし、「〜…

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2か月前

 ル ビ

 いま逢坂冬馬の『同志少女よ、敵を撃て』を読み始めています。タイトルの「敵」は「てき」です。  最初の方に主人公のセリフで次の記載があります。「敵を皆殺しにして…

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2か月前

 JR大阪環状線「鶴橋」駅の読みは「つるはし」、では「源ヶ橋」は 

 鶴橋から南へ二駅 寺田町という駅があります。この駅から徒歩数分のところに商店会とその前にバス停があります。商店会の名は「源ヶ橋商店会」ローマ字表記は Gengahas…

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2か月前

 ローマ字表記 雑感

 大阪の地名で「難波」というところがあります。ローマ字表記は「Namba」が多くありますが「Nanba」もあります。 ヘボン式と訓令式・日本式とのちがいです。 発音と表記を…

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3か月前

犬は、「匹」、それとも「頭」

 先日、あるテレビ番組でペットの犬の問題を取り上げていました。その時、司会者が「〇〇頭(とう)の犬」と発言しました。画面に写っていたのは、室内で飼育できる小型犬…

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3か月前
1

 「道路啓開」

 最近のテレビのニュースや新聞で目にした漢字、「道路啓開」。今まで見聞きしたことがありません。  啓発、啓蒙、啓示、拝啓などで、「啓」の漢字に接してはいますが、…

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3か月前

試行より思考の錯誤

 先日の古本市で『最新日本語読本』新潮平成四年四月臨時増刊号を買いました。私にとって面白く興味を惹きつけられる記事が満載です。とりわけ最後のページの方の囲み記事を読み思わず笑ってしまいました。
《誤記誤用一行寸評》のタイトルがついた記事の中からひとつ引用します。

 思考錯誤(試行錯誤)ワープロならではの間違いだけど、変換操作も試行しないと・・・。

 今使っているパソコンで「しこうさくご」は「試

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 失敗

 お寺の境内で古本市があり、そこで何冊かの本を買いました。そして、気にはなったのですが買わなかった本があります。それはロビン・ギル著『英語はこんなにニッポン語』(ちくま文庫)です。これなら図書館にもおいてあるだろうと思ったのです。

 数日後、図書館に行って検索したのですが、ありませんでした。残念。
書店へ行き、目録を調べると、なんと、品切れ。

 やはり、買うかどうか、迷ったときは、買っておくべ

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「私、僕、俺」

 5月1日の朝日新聞 「 ひ と 」の欄

 富士通女子バスケットボール(リーグ優勝しました)のヘッドコーチBTテーブスさん’(カナダ出身)の紹介とインタービュー記事が掲載されていました。インタビューの最後の発言を載せていました。

 「きょう、(人称)代名詞を三つ使っているね。私、僕、俺」

 日本語は独学。

 大変な努力をされておられることは想像に固くありません。

 言語の習得には動機、目

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簡略化?表現

 先日、テレビを見ていて、ちょっとした衝撃というか、思わず「面白い
!」とおもった事がありました。

 それはある若い俳優さんがインタビューに答えていった、その言葉、いいかたです。

   「カコイチ、難しかったですね。」

 「今までで一番難しかった役」だったというのを「過去一」と表現したのです。

 「過去一」という言い方が、若い人たちの間では珍しくもないのかもしれませんが、私には新鮮に聞こえ

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  「潺 潺」

 今『星を見る人』(恩田侑布子著 春秋社)を読み始めたところです。副題が「日本語、どん底からの反転」とあり、それに惹かれたのです。
 そして、いきなり「潺潺」という言葉が出てきました。初めて見る漢字です。
 「せんせん」とルビが振ってあります。大国語辞典をひくと「《形動タリ》浅い水がよどみなく流れるさま。また、その音をあらわす。さらさら」とあります。

潺潺が使われていた文章を記します。

「全身

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 「国境」は「こっきょう」それとも

先々週、雪国の「機関車」について書きました。
「雪国」についてもう一つ。

「国境」のよみは「こっきょう」なのか「くにざかい」なのか。
これまで色々と論じられています。

中村明の『語感辞典』をみて、ある程度すっきりしました。

「くにざかい:国境」について次のように記載されています。
「・・・「こっきょう」より直線的なイメージはなく、境界線の内側まで含む面としてとらえて・・・」

「こっきょう:

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モダンジャズの『花伝書』 五木寛之

 月刊図書 4月号の巻頭記事で 五木寛之がモダンジャズの『花伝書』の題でマイク・モラスキー著の『ジャズピアノ』について書いています。
以下に引用します。

「マイク・モラスキーの著『ジャズピアノ』はモダンジャズの世界における『花伝書』といってもいい本だと思う。
(中略)
・・・理論書でもあり、同時に文字によるライブ演奏でもあるこの本に出会ったことで、私の音楽観は確実に変わった。

 日本語の文章が

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 『雪国』の汽車は、

 古書店で面白い題名の本を買いました。
『『雪国』の汽車は蒸気機関車だったか?』
 酒井明司著 東洋書店 2009年12月25日初版発行

 『雪国』の初めの一文は多くの人が知っています。「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」私も、川端康成の作品は読んだことはありませんが、このでだしは知っています。
 
 随分前に映画を見たことがあります。出演は、岩下志麻、加賀まりこ・・・。
 
 映画で

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お寺の掲示板 ②

大阪市 光臺寺 

「 そうならねば
  ならぬのなら

  ありのままを
  ただ受け入れて

  ありがとう
  さようなら

  また遇う日まで 」

 また遇う日まで の「遇う」。 「逢う」はよく目にします。時に「遭う」も見ますが、普段はあまり見かけない、そして使わない「遇う」。

 意味は「会う」と同じですが、「偶然に」の意味が込められています。

 離れてしまうと再会は、なかなかその機

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 日常着にインパクト

 3月14日 朝日新聞 朝刊 27面 fashion 欄の見出しです。
 「日常着にインパクト」 

 普段着ではなく日常着。当然、普段着、訪問着や外出着とは違うのでしょう。
 日常着とは。

 リードの中に「日常に目を向けたブランド」とあります。
 
 本文記事を読むと、寝起き、働く姿、など3通りのスタイルという文言。起床し、働き、仕事を終えくつろぐ。多くの人の日常生活でしょう。それぞれに適した

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 スーパーのチラシ

 よく郵便受けにチラシが入ります。あるスーパーのチラシが気になりました。「お買い得まみれ!!」とあります。このチラシが言わんとすることはわかります。しかし、「〜まみれ」で私が思い浮かぶ言葉は「泥まみれ」、または「一敗地に塗れる」ぐらいです。(私の貧困な語彙力かもしれませんが)

 「まみれ」はいい意味では使わないものと思うのですが、このチラシではそうではありません。このような使われ方を繰り返し目に

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 ル ビ

 いま逢坂冬馬の『同志少女よ、敵を撃て』を読み始めています。タイトルの「敵」は「てき」です。

 最初の方に主人公のセリフで次の記載があります。「敵を皆殺しにして、敵を討つ!」最初の「敵」は「てき」ですが、次の「敵」には「かたき」のルビが振ってあります。最初の敵は見ず知らずの相手、次の敵は見ず知らずの敵ではなく、主人公が対峙しなければならない相手のことを指しています。誰なのかがはっきりしているのが

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 JR大阪環状線「鶴橋」駅の読みは「つるはし」、では「源ヶ橋」は 

 鶴橋から南へ二駅 寺田町という駅があります。この駅から徒歩数分のところに商店会とその前にバス停があります。商店会の名は「源ヶ橋商店会」ローマ字表記は Gengahashi shoutenkai 。バス停もローマ字表記は商店会と同じく -hashi- になっています。交差点名はというと、漢字表記は同じですが、ローマ字表記は -bashi- になっています。
なぜこうなっているのかわかりません

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 ローマ字表記 雑感

 大阪の地名で「難波」というところがあります。ローマ字表記は「Namba」が多くありますが「Nanba」もあります。
ヘボン式と訓令式・日本式とのちがいです。
発音と表記を一致させようとするならばヘボン式がいいのではないのかなと思います。
 また、月刊誌のHIRAGANA TIMESは Glomaji ( Global romaji )を提唱しています。「r」 は「l 」, 「b」 は「v」 とい

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犬は、「匹」、それとも「頭」

 先日、あるテレビ番組でペットの犬の問題を取り上げていました。その時、司会者が「〇〇頭(とう)の犬」と発言しました。画面に写っていたのは、室内で飼育できる小型犬です。小型犬だから匹ではないのか。大型犬は「頭」、小型犬は「匹」と思っていました。

 手元の『絵で見る「もの」の数え方』(町田健著 主婦の友社)を見ると、次の記載がありました。

 「「通常は「匹」や「頭」を用いて数えますが、その区別は原

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 「道路啓開」

 最近のテレビのニュースや新聞で目にした漢字、「道路啓開」。今まで見聞きしたことがありません。

 啓発、啓蒙、啓示、拝啓などで、「啓」の漢字に接してはいますが、「啓開」とはどういう意味なのか想像がつきません。

辞書を引きました。

 「岩波国語辞典 第八版」   記載がありません。

 「広辞苑 第七版」 では、「切り開くこと。特に、機雷や沈船、土砂や瓦礫などの障害物を取り除いて水路や陸路を開

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