試行より思考の錯誤

 先日の古本市で『最新日本語読本』新潮平成四年四月臨時増刊号を買いました。私にとって面白く興味を惹きつけられる記事が満載です。とりわけ最後のページの方の囲み記事を読み思わず笑ってしまいました。
《誤記誤用一行寸評》のタイトルがついた記事の中からひとつ引用します。

 思考錯誤(試行錯誤)ワープロならではの間違いだけど、変換操作も試行しないと・・・。

 今使っているパソコンで「しこうさくご」は「試行錯誤」と変換されるので別に問題はありません。が、「思考錯誤」のこの四字文字はなにか、なぜか、捨てがたい気がします。

 新たなものが生まれ、名がつけられ、新たな考え、理論が生まれ名前がつけられたり、または従来の用語に意味が付加されたりして、言葉の意味用法が目まぐるしく変化したりしています。それらのことを十分に理解する前に、更に新たな言葉や語の用法が出てきたりします。
 自分なりに、色々と調べたり、物事を考えたりしているつもりではありますが、誤解の上に錯誤を重ねてしまってはいないか、それに基づいた言動などしてはいないかと、時に、不安になったりすることがあります。

今使っているこのパソコンの文字変換のように。

 《誤記誤用一行寸評》のタイトルの 「ごき」を変換すると「誤記」では出てきません。何度か入力して誤記と出るようにはなりましたが。「誤」と「記」を選ぶことを何度か繰り返した結果です。「ごきごよう」は「御季語用」「ご季語用」「ご綺語用」とかで変換され出てきます。なぜこんな文字に変換されるのか、知りたくもあり、知りたくもなし、といった心境です。

 ちょっと気になって「こうき」と入力すると、「後期」「工期「高貴」「好機」などなどでてくるのですが「後記」がありません・・・ 「康煕」などめったに使わないのがあるのに。「へんしゅうこうき」では「編集後記」と出てくるのですが。

 今使っているこのパソコンは昨年の暮に買ったモノです(中古ではありません)が、いろいろな機能が備わっているわりには、文章作成時に、驚かされたり、苦笑させられたりしています。
 このパソコン同様、もっともっと学習しなければならないということでもあり、錯誤なく思考して、試行しなければならないということですね

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