「道路啓開」
最近のテレビのニュースや新聞で目にした漢字、「道路啓開」。今まで見聞きしたことがありません。
啓発、啓蒙、啓示、拝啓などで、「啓」の漢字に接してはいますが、「啓開」とはどういう意味なのか想像がつきません。
辞書を引きました。
「岩波国語辞典 第八版」 記載がありません。
「広辞苑 第七版」 では、「切り開くこと。特に、機雷や沈船、土砂や瓦礫などの障害物を取り除いて水路や陸路を開くこと。「道路を啓開する」「啓開作業」 とありました。
「新明解 第八版」 では、「水中の障害物などを除いて航行できるようにすること。」 とあります。
「明鏡国語辞典」 第三版 記載ありません。
「小学館 国語大辞典 第二版」 では、「ひらくこと。特に、軍隊などで、水路、陸路の障害物、危険物などを取り除いて進行できるようにすること。沈没船を引き上げたり、機雷などを取り除いたりすることをいう。」 とあります。
辞書によって、記載の有無があり、軍隊でということから、専門的な用語ではないかという感じがしました。(ネットで「航路啓開史」というのを見て少し理解できたような気がします。)
この「啓開」をニュースなどで用いることにやや違和感を覚えました。(今後、定着、一般化するかもしれませんが)
阪神淡路大震災から「ライフライン」という言葉が定着しました(そのように思います)。
事件、出来事から新たな言葉などが生まれ、使われるのは自然なことですが 復旧、開通、再開といった言葉でなく、なぜ「啓開」なのか。
確かに、一連の作業を「啓開」の一語で表現できているとは思うのですが、どれだけの人が、即、理解できたのかどうか疑問に思います。(知らなかったのは自分だけなのかどうか)
能登輪島地震では、ライフラインという言葉は殆ど使われていません。水道、上下水道、電気は頻繁に使われ、そして「啓開」です。
「啓開」という言葉を最初に用いた人の考え、思いを知りたいです。
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