「潺 潺」
今『星を見る人』(恩田侑布子著 春秋社)を読み始めたところです。副題が「日本語、どん底からの反転」とあり、それに惹かれたのです。
そして、いきなり「潺潺」という言葉が出てきました。初めて見る漢字です。
「せんせん」とルビが振ってあります。大国語辞典をひくと「《形動タリ》浅い水がよどみなく流れるさま。また、その音をあらわす。さらさら」とあります。
潺潺が使われていた文章を記します。
「全身から潺潺たる泉のような感情が沸き立っていた」
なんとなく、著者が表現しようとしていることは、想像できるような気がします。
「康煕字典」に漢字が五万語が載っているとなにかの本で読んだことがあります。五万もの漢字が常時使われているわけではありません。常用漢字表には2200弱の漢字。日常生活ではこれで十分でしょう。
カタカナ語の多用には若干の不快感を持ったりしていますが、この「潺潺」という全く知らない漢字を見たりすると、一体どれほどの漢字を知っていなければならないのか、といささか落ち込んでしまいます。漢字には面白さ、便利さもある反面、厄介な面もある、ということを改めて認識させられました。
ルビがなかったら、かなりのストレスを感じたと思います。
本を読むことで知らなかった漢字を学べるのはいいのですが。
「潺潺」を使わないとしたら、どうするか。
他の適切な漢字、表現は、そう簡単には思いつくものではありませんね。
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