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森と木材と建築

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森と木材と建築に関する記事をまとめています。
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好評につき第2回目: オンライン映画上映会『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』 映画監督との対話会付き

好評につき第2回目: オンライン映画上映会『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』 映画監督との対話会付き

https://domiziel2.peatix.com/view

2024年4月4日19:00 - 21:30 映画90分(ドイツ語、日本語字幕付き)、対話会50分(通訳付き)

チケット「オンライン上映会 +映画監督との対話会」(レンタル視聴も込み): 2800円

チケット「レンタル視聴」: 1900円

誰も手をつけようとしない
朽ちかけた文化財指定の古建築

ドイツ・シュヴァルツヴァル

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1人で鑑賞することは勧めません!

1人で鑑賞することは勧めません!

『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』
ドキュメント映画オンライン上映会 1月18日19時より 
https://domiziel.peatix.com/view

私は4年前、この映画を、今では友人である監督・製作者のペーター・オーレンドルフから特別に試供用のDVDをもらって、コンピューターの画面で、1人で鑑賞しました。

途中で耐えきれなくなって、中断しました。

効果音も映像の特殊効

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ドキュメント映画 『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』

ドキュメント映画 『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』

コロナのときから取り組んでいた日本語化のプロジェクトがやっと完成しました。

これから一般公開でも、企業や団体の個別依頼でも、上映会&監督との対話会を提供していきます。
お気軽にお問い合わせください: ikeda@arch-joint-vision.com

2024年1月18日19時より、最初のオンライン上映会を開催します。
上映後、映画監督と対話の時間も用意しています(通訳付き)。
当日参加

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ナンバーワンではなくオンリーワンを目指す

ナンバーワンではなくオンリーワンを目指す

巷の資本主義市場経済では、多くのプレイヤーが「競争」を原動力にナンバーワンを目指す。競争に勝つために、大半の人たちが有効だと考える方法は、「均質化」して「効率」を高めること。森での原木生産では、単一樹種の一斉林を造って畑のように管理する。木材加工の分野では、作る製品を数種類に限定する。そうすれば「生産性」が高くなり、価格競争に勝ち、利益率も高くなる、と考える。

しかし実際は、そう単純に物事は進ま

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C/D材も廃材も、燃やすのは勿体無い!

C/D材も廃材も、燃やすのは勿体無い!

KANSO(kanso-bau.com)では、蓄熱と断熱の相乗効果を必要十分に発揮させるために、木材や土といった自然素材を、意図的に、従来の建物より多く使います。だからこそ、通常の建築で主に使用されるB材ばかりでなく、通常はあまり使われないC/D材や建築廃材(古材)を有効活用するシステムを開発しました。

2021年に秋田県仙北郡に建設したモデルハウス(KANSO美郷オフィス)では、地元の製材工場

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ドイツ視察セミナー 【北ドイツ・リューベックの自然森施業と木材加工流通 —環境、社会、経済の融合】(5月15〜19日) — LIGNA、自然森施業「リューベック・モデル」、広葉樹材の地域加工・流通、ハンザ都市ハンブルク

ドイツ視察セミナー 【北ドイツ・リューベックの自然森施業と木材加工流通 —環境、社会、経済の融合】(5月15〜19日) — LIGNA、自然森施業「リューベック・モデル」、広葉樹材の地域加工・流通、ハンザ都市ハンブルク

Picture: Knut Sturm

森がもっとも瑞々しく美しい新緑の5月に、世界中から見学者が訪れる北ドイツ・リューベック市の革新的な広葉樹施業の聖地を中心に、視察セミナーを開催することにしました。

オンライン説明会を2回開催します。テーマ、企画に興味がある方、お気軽にご参加ください。

説明会① 3月12日(日)19時より
https://luebeck-naturwald.peatix

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漆喰リフォームで調湿と防菌

漆喰リフォームで調湿と防菌

我が家の半地下にある2人用休暇アパートメントのキッチンを改修。

前の持ち主が施していた壁紙(ドイツによくあるオガクズが詰めてある紙)に、おそらく、過去20年くらいの間で2、3度、いろんな塗料が重ね塗りされている。

壁紙は、上に塗る塗料がシリカ塗料などであれば、ある程度の湿気調整はできるが、糊の層で遮断してしまうので、調湿能力は高くない。しかもウチの壁紙の塗料には何が使ってあるかわからない(たぶ

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原生に近い森を守り、増やそう!

原生に近い森を守り、増やそう!

ドイツ国土面積は日本とほぼ同じ。「森の国」と呼ばれるが、森林率は約30%で日本の半分以下。北部は平地が多いが、中部から南部にかけて、丘陵地や山岳地がある。急峻な日本に比べて、人間が開拓しやすい場所が多いため、ほぼ全ての森は、過去に大なり小なり人の手が入っている。原生の森はない。

自然は硬直したものではない。気候や地形や地質、様々な生物種の相互作用によって、絶えず変化している。人間も自然界の一部で

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function follows beauty 機能は美に従う

function follows beauty 機能は美に従う

「form follows function (形態は機能に従う)」という有名な文句がある。20世紀以降の現代建築の主要な潮流を凝縮している文句である。 ここで使われている「function(機能)」という言葉は一般的に、コストパフォーマンスや温熱性能、光環境、構造強度、使い勝手など、客観的・科学的に数字で表現できるものを指している。

19世紀末に、この言葉を建築の世界で最初に提唱したシカゴ派の

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解体後の廃材を積層パネルへアップサイクリング

解体後の廃材を積層パネルへアップサイクリング

2020年より、日本の佐藤欣裕と、スイスのサシャ・シェア、ドイツの池田憲昭のインターナショナルチームで、KANSOという名前のもと、自然と調和した「ローテク」の「シンプル」な建築のソリューションを提案、実践しています。

www.kanso-bau.com

現在、KANSOチームのモルクス建築社(秋田県仙北郡)の佐藤欣裕が、自社工房で、解体された建物の廃材(古材)を使って、積層木材パネルの製作実

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川上と川下をつなぐ吉野のコーディネーター「阪口製材所」 ––集成材部門を辞めて原点回帰!

川上と川下をつなぐ吉野のコーディネーター「阪口製材所」 ––集成材部門を辞めて原点回帰!

今年はじめ、FBでつながっている吉野の阪口製材所の阪口勝行氏から、自身が運営されている団体で発行された新刊『憧れの吉野材で建てる家2021関西版』を、わざわざドイツまで送っていただいた。私は年度末締めの仕事を抱えていたので、読んで感想を書けるのは春以降です、と断りを入れていた。もう春も終わり、夏が始まろうとしている今、やっと少し余裕ができたので、今日の午後、ベランダで日光浴をしながら読み始めた。阪

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炭焼き爺になる

炭焼き爺になる

「頑固だが、楽天的な炭焼き爺になりたい」という思いに引っ張られ、40代前半で列車運行管理の職を辞め、NPO職員などを経て、2019年に、伐採・搬出・製材・製炭の個人事業主として「タチキカラ 北三河」を立ち上げた杉野賢治さんに2回連続で登壇いただきます。

第12回【木挽き(こびき)】 
5月25日 17:00〜19:00 https://koyoju12.peatix.com/

第13回【炭焼き

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春の訪れ −復活と再生

春の訪れ −復活と再生

欧州は今(4月中ば)、イースターです。クリスマスと共に大切な里帰りの期間。日本のお盆と正月に相当します。

イースターは復活祭。私たち家族が住むシュヴァルツヴァルトの麓の人口2万人の小都市ヴァルトキルヒ市を流れれるエルツ川に架かる歩道橋が「復活」しました。駅と中心街をつなぐ大切な橋です。1935年に建設された鋼鉄製で木の板が敷いてある橋は、ここ数年、老朽化が問題視されていて、2020年より定期的に

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シリーズ企画「広葉樹は雑木ではない」の12名の多彩な講師陣

シリーズ企画「広葉樹は雑木ではない」の12名の多彩な講師陣

4月11日から5月31日まで開催するセミナーシリーズ「広葉樹は雑木ではない」では、森づくりから、伐採、加工、流通、モノづくり、手工業、レジャー、ハンティング、教育に至るまで、第一線で活躍されている多彩な12名のゲスト講師を招きました。科学的な知見から経験論まで、実務・実用的な話から哲学・人生論まで、皆さんの意識の中に、多彩な未来の明かりを灯します。

講師の紹介をします。私が直接会ったことがあるの

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