池田 憲昭 Ikeda Noriaki

ドイツ在住25年以上。森林と木材、建築やエネルギーをテーマに、セミナーやコンサルティン…

池田 憲昭 Ikeda Noriaki

ドイツ在住25年以上。森林と木材、建築やエネルギーをテーマに、セミナーやコンサルティングなど、日独を繋ぐ活動をしています。www.arch-joint-vision.com

マガジン

  • KANSO建築

    スイスの建築士・大工のサシャ・シェア、日本の建築設計士の佐藤欣裕、ドイツの森林・環境コンサルタントの池田憲昭が立ち上げた人と自然と共鳴する建築のプラットフォームの考え方や事業を紹介します。

  • ECOnGOOD 公共善エコノミー 〜生きがいを育む経済

    2010年に中欧ではじまり世界的な広がりを見せる大きな草の根運動「公共善エコノミー」が2022年に創設者クリスティアン・フェルバーの著書『Gemeinwohl-Ökonomie(公共善エコノミー)』の翻訳出版によって、日本にも上陸しました。 人間社会の共通の価値観に基づいたオルタナティブな市場経済のコンセプト〜生きがいを育む経済です。 日本でもすでにたくさんの方々に共感いただき、運動がはじまっています。多様な方々の参加、協働、支援を心よりお待ちしています。 https://econgood.jp

  • 森と木材と建築

    森と木材と建築に関する記事をまとめています。

  • オンラインセミナー / 視察セミナー

    オンラインセミナー「サステイナブルは気くばり」と中欧視察セミナーの案内です。

  • 多様性〜人と森のサスティナブルな関係

    2021年出版『多様性〜人と森のサスティナブルな関係』に関する記事や書評を集めています。

最近の記事

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「多様性〜人と森のサスティナブルな関係」イメージスライドショー

ドイツ・シュヴァルツヴァルトに長年住む森林の専門家が、豊富な知見をもとに、人と森のサスティナブルな関係を描く。 《多様性》をキーワードに、「森づくり」から「地域木材クラスター」「モノづくりと人づくり」「森のレジャー」「森の幼稚園」さらには最新の脳神経生物学に基づく「文明論」まで、軽やかな文章で、わかりやすく多面的に解説。 科学的なデータや知見を踏まえた専門書であると同時に、《多様性》に魅了されてきた筆者の経験や思いがベースにある心に響くエッセイ。 コロナ禍によって、思いもよらず「さなぎ」のような静かな生活を強いられた筆者が、過去振り返り、今後の生き方を思考するために、子供たちの未来のために書いた。 「森の国」ドイツから「森林大国」日本の未来へ送る多様性のメロディ。 販売サイト: https://www.amazon.co.jp/gp/product/B091F75KD3 《著者プロフィール》 池田憲昭 1972年 長崎県生まれ ドイツ在住25年。ドイツ語学文化(岩手大学)と森林環境学(フライブルク大学)の知識をベースに、2003年より、森林、農業、木造建築、再生可能エネルギー、地域創生などをテーマに、欧州視察セミナーのコーディネートやコンサルティング、日独事業のサポート、執筆、と多面的に活動。異文化コミュニケーションセミナーのトレーナーとしても、日独企業の良好な共同作業を支援。2010年より、ドイツの森林官らと、日本の森林事業のサポートとコンサルティングを行なっている。

    • KANSO-SHIROのイベント報告

      2024年7月に北海道でKANSOとコスメティックブランドのSHIROとの共同イベントを開催。ドイツ・シュヴァルツヴァルトで運命的な出会いを果たした池田とSHIROの今井さんとの関係から、2023年に秋田でKANSOの視察に今井さんが来てくれてそこから派生したものです。共通テーマは「森」。午前中はSHIROも関わっている札幌南高校所有の森に入り、現地の森林管理者から説明を聞きながら池田もアドバイスを。午後からSHIROの「みんなの工場」にてトークイベント。最新の研究データや美

      • KANSO ドイツ・スイス視察ツアー2024年春

        文:佐藤欣裕 2024春に元祖KANSOの建築、サシャ・シェアのアトリエ兼住居を池田・佐藤のアテンドで11名の方と行ってきました。3月の快晴で光り輝くスイスアルプスの中腹で大きな学びがあったと思います。月並みな表現ですが、実際に建物の中に入って自身で体感することは何よりも説得力があります。シェアの自然建築の哲学が詰まったこの住居兼オフィスは非常に原初的であり、彼のライフスタイルも建築に呼応するかのようにシンプルです。 ドイツではフライブルグの地元工務店の仕事も見学。日本で

        • KANSO建築をアップグレード!

          文:佐藤欣裕 美郷アトリエの建設以降、ジワジワとKANSOの建築が広がっています。 先駆けて愛知県、秋田県で設計が終了し、着工を待っている状態です。 このパースは秋田県田沢湖のプロジェクト。石場建て(正確に言うと独立基礎工法)によりセメントを大幅に削減して一般的な住宅の約70%炭素削減となりました。 伝統的な工法とアップサイクルやLCAの知見も入れてKANSOの建築をアップデートしています。LCAとは製品やサービスの〈資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リ

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        マガジン

        • KANSO建築
          28本
        • ECOnGOOD 公共善エコノミー 〜生きがいを育む経済
          74本
        • 森と木材と建築
          24本
        • オンラインセミナー / 視察セミナー
          50本
        • 多様性〜人と森のサスティナブルな関係
          66本
        • サステイナブル社会
          24本

        記事

          ECOnGOOD JAPAN アカデミー「生きがいを育む経済」を広げるための 第1期生募集!

          7月30日よりECOnGOOD JAPAN アカデミーの第1期が始まります。 第1期のタイトルは「4つの価値を深掘り」 公共善エコノミー・マトリックスは、4つの価値「人間の尊厳」「連帯と公正」「環境持続可能性」「透明性と民主的な意思決定」が柱になっています。 4つは、欧州生まれの概念を翻訳したもので、固く難しく感じますが、実はこれらは、日本に昔からある「生きがい」「いのち」「八尾萬の神」「結」「話し合い」といった文化慣習と深い親和性があります。 企業や団体が作成する「

          ECOnGOOD JAPAN アカデミー「生きがいを育む経済」を広げるための 第1期生募集!

          自宅の屋根裏、2階天井の断熱・蓄熱施工

          先週日本から戻ってきたら、一人親方で商売する近所の大工・木造建築エンジニアのマティアスが、私たちの自宅の屋根裏、2階天井の断熱・蓄熱施工を1/3くらい終えたところだった。翌日から私も作業を手伝った。サウナのような屋根裏で2人とも汗だくになっての作業。夏にやるもんじゃない。当初は冬にやる予定だったが、双方のいろんな事情が重なって夏まで延びてしまった。でも汗をかいて体を動かしたから、おかげで時差ボケも2日くらいで解消した。 僕の年齢とほぼ同じ、築52年の家。天井にグラスウールの

          自宅の屋根裏、2階天井の断熱・蓄熱施工

          利益でなく信頼を最大化する

          巷では「理念では飯は食えない」と良く言われます。 私はできる限り理念や理想で飯を食う努力をしてきました。20年あまり続けてきて、だいぶ自分の理念や理想に近いところで食えるようになりました。それは、同じような波長をもった人との出会、協働、支え合いがあるからです。今回、7月9日に北海道の砂川で一緒に登壇するコスメティックブランドSHIROのファウンダー今井浩恵さんと建築士の佐藤欣裕さんも、自分に正直に、粘り強く、そしてしたたかに、理念をもって理想を追いかけている同士です。 3

          利益でなく信頼を最大化する

          フランウッド -柔らかいスギ材をチーク材並みのハードウッドにする (7月1日に森づくりに関して基調講演)

          アイキャッチ画像:furanwood.com より 知り合いの紹介で、とても興味深い木材ベンチャー企業の会長と社長に出会いました。柔らかいスギ材をハードウッドにする技術を開発し、製造・販売を始めた岡山県津山市の企業です。会長は小原冨治雄さん、社長は髙橋ひかりさん。 https://furanwood.com フランウッドは、フラン樹脂という純植物性の原料を木材に注入し、スギの木目の美しさと形状は変えずに、耐候性、防腐性、防蟻性、寸法安定性ともに、南洋のチーク材並みにした木

          フランウッド -柔らかいスギ材をチーク材並みのハードウッドにする (7月1日に森づくりに関して基調講演)

          自然の多様性を人間らしく抱きとめるからシンプルになる

          自然は多様なで複合的に絡み合って生きてきる。人間もその一部。 しかし自然から分離独立した人間は、自然のなかのつながりや連関性は意識せず、自然を分解分離し、必要なものだけ搾取的に抜き取って、もしくは多様な自然を単純なものに改変することで、経済成長してきた。一方で、少数であるが、自然の多様性や複合性に敬意を払い、自然の許容範囲のなかで自然の恵みを活用し、自然と共に生産活動や創作活動をしている人たちもいる。 前者は視野の狭い唯物論と近代合理主義に基づいていて、人間力よりも機械や

          自然の多様性を人間らしく抱きとめるからシンプルになる

          基調講演「道を基点とした森林業」

          岡山県津山市で開催されるDesign the Forest ミニカンファレンスで、フランウッドの小原会長と一緒に登壇します。講演会の部分をオンラインで提供できることになりました。 https://michi-shinringyo.peatix.com 2024年7月1日(月)13:30-15:30 13:30- 15:00 基調講演「森林基幹道を基点とした多機能な森林業」 池田 憲昭(ドイツ在住森林・環境コンサルタント) 15:00- 15:30 基調講演 「津

          基調講演「道を基点とした森林業」

          KANSO, SHIRO共同企画: 森から住まいへ、森づくりからものづくりへ 〜多様性をシンプルに楽しむ 2024年7月9日

          イベント案内・申込み: https://kanso-shiro.peatix.com/view 多様性をシンプルに楽しむ 独シュヴァルツヴァルトを拠点に日欧をまたいで活躍する森林環境コンサルタントの池田憲昭。秋田の美郷町を拠点に日欧の建築哲学・技術の融合させて、環境建築に取り組む建築士の佐藤欣裕。北海道砂川市を拠点にコスメティックのブランドSHIROをつくり上げた今井浩恵。住む場所も分野も異なる3人の先駆者をつなぐのは「森」。そして「多様性をシンプルに楽しむ」という共通の哲

          KANSO, SHIRO共同企画: 森から住まいへ、森づくりからものづくりへ 〜多様性をシンプルに楽しむ 2024年7月9日

          ECOnGOOD(公共善エコノミー)の日本協会を2024年4月末に設立しました。これから本格スタートします。一緒に活動する、支援いただく仲間を募集しています。

          ヨーロッパを中心に、世界で35カ国で広がっている「ECOnGOOD」(正式名称「公共善エコノミー(Economy for the Common Good)」)。 ついに、アジア初で日本の法人「一般社団法人 公共善エコノミー」を設立し、4月27日より会員の皆様の募集を正式に開始しました。 略称 は、ECOnGOOD JAPAN、愛称は「生きがいを育む経済」です。 日本での設立を祝して、9月末まではつながり月間として、入会金を無料での会員募集を致します。 是非会員としてこ

          ECOnGOOD(公共善エコノミー)の日本協会を2024年4月末に設立しました。これから本格スタートします。一緒に活動する、支援いただく仲間を募集しています。

          生きがいを育む経済

          「公共善エコノミー(ECG)」に日本的なサブタイトルがつきました。 〜生きがいを育む経済〜 ECG Japanの仲間たちと一緒に考案しました。 「生きがい」は、茂木健一郎さんのベストセラー本により、ここ数年で一気に世界に広がった国際用語。 中欧のECGの仲間たちも、とてもマッチした良いネーミングだ、と共感してくれました。 ECG(Economy for the Common Good)のいいところは、世界共通のユニバーサルな価値を基盤にしていることです。 日本古来

          生きがいを育む経済

          好評につき第2回目: オンライン映画上映会『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』 映画監督との対話会付き

          https://domiziel2.peatix.com/view 2024年4月4日19:00 - 21:30 映画90分(ドイツ語、日本語字幕付き)、対話会50分(通訳付き) チケット「オンライン上映会 +映画監督との対話会」(レンタル視聴も込み): 2800円 チケット「レンタル視聴」: 1900円 誰も手をつけようとしない 朽ちかけた文化財指定の古建築 ドイツ・シュヴァルツヴァルト 建設会社ドミツィールは それら廃屋となった古建築を 同じように社会から見放

          好評につき第2回目: オンライン映画上映会『誰も欲しがらない人と建物に、新しい生命を!』 映画監督との対話会付き

          【屋根型路盤作設による災害に強い道づくり】

          林野庁による画期的なプロジェクトです。 https://www.rinya.maff.go.jp/.../kanto_presentation-83.pdf 水のマネージメントをしっかりと施した屋根型の森林基幹道は2010年来、北海道の鶴居村や岐阜県の高山市でモデル的に実践され、その機能性・耐久性・災害への強さが実証されていますが、林道や林業専用道路の作設規定では、いまだに正式な規格としては認められていなく、事業者の積極的な意欲と県の「特別」なサポートがあるところで、細々

          【屋根型路盤作設による災害に強い道づくり】

          花粉症対策としてスギ人工林の皆伐を推進する政策には科学的根拠がない(国民森林会議)

          3月14日に日本が誇る世界の森林生態学者・藤森隆郎さんとオンラインで対談イベントを開催しました。私がコロナ禍以来開催しているオンラインセミナーではじめて100名を超える申し込みがあり、大盛況で、嬉しいフィードバックもたくさん届いています。 対談のテーマはここ10年あまり日本で推進されている人工林の「短伐期皆伐造林政策」に関して、森林生態学と社会科学の観点から問題点を明示し、構造豊かな多間伐恒続森というオルタナティブを提唱する、というものでした。 短伐期皆伐造林政策を大きく

          花粉症対策としてスギ人工林の皆伐を推進する政策には科学的根拠がない(国民森林会議)