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KANSO建築をアップグレード!

文:佐藤欣裕

美郷アトリエの建設以降、ジワジワとKANSOの建築が広がっています。

先駆けて愛知県、秋田県で設計が終了し、着工を待っている状態です。

このパースは秋田県田沢湖のプロジェクト。石場建て(正確に言うと独立基礎工法)によりセメントを大幅に削減して一般的な住宅の約70%炭素削減となりました。

伝統的な工法とアップサイクルやLCAの知見も入れてKANSOの建築をアップデートしています。LCAとは製品やサービスの〈資源採取―原料生産―製品生産―流通・消費―廃棄・リサイクル〉の環境負荷を定量的に評価する手法で、建築の原料から捨てるまでの一生涯でどのくらい要するかを知ることが出来ます。いくら省エネルギーになっていてもそれはあくまでも流通・消費の段階でしかありません。総合的な判断軸が必要で、我々が壊すことはないであろう今建築された将来のことまで考慮しているのです。この観点から見ると伝統的なマテリアルである木と土はとても優秀です。田沢湖のプロジェクトはコンクリートを減らして木に置き換えるわけですが、伝統工法の持っている粘りのあるしなやかな構造を獲得しつつ現代的な強度も担保する。それには木と土の合わせ技が必要になります。簡単に書きましたが高度な構造計算が必要となります。構造はハシゴタカ建築事務所の高見澤さん。京都の伝統的建築の改修事例など難しい仕事も多数手がけられている敏腕構造設計者です。工事の状況も交えてまたご報告したいと思います。

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