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母恵夢 ポエム

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自由詩を集めました。 愛媛のお菓子ではないのですが、 ご賞味いただけたら嬉しいです。
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記事一覧

詩│少女の光

詩│少女の光

ベットに横たわり私は窓の外を見ている

雲一つない秋晴れ

真昼の光の中を一人の少女が走って行く

風のように

あの少女はかつての私

あの光の中を私は確かに走っていた

私はベットに横たわり走りゆくかつての私という少女を見た

その光の速さに戸惑いを隠せない

けれどここで私はその少女を見ることが出来て

その残像の光が私に微笑みをくれたのだ

何処までも澄む青空に解けていく

少女よ走れ 愛

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詩│焼き芋スマイル

詩│焼き芋スマイル

きみとの会話の日々はまるで

ホクホクの焼き芋

心に秋の実りがいっぱい

甘くて あったかい

こがねに実る 

金色の秋の夕日と落ち葉が舞う中で

きみとの会話を頬張るように楽しむ

その笑顔に私はホクホクとする

詩│そのひと粒

詩│そのひと粒

アスファルトの道路に落ちていた
どんぐりを拾って雑木林に投げた

落ち葉の中にカサッと帰った

この一粒に心が寄り添って

ロマンをみる

言の葉の小舟に揺られて
何処へ行くかはわからない銀河へ

こころは変化して
一定ではない波のようだから

ゆっくりとこの小舟に
魂だけを乗せて何処までいけるだろう

言の葉もいずれ
水分を蒸発させ
花が咲く軽やかさで
風に吹かれるだろうね

陽に照らされ土の薫

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詩│ポケットの中には

詩│ポケットの中には

ザッザッと刈り取られた
黄金が 揺れていた黄金が
くったりと横たわる

さらさらとそよいだ青葉が
揺れていた青葉が色を変え
はらはらと舞いおちる

思い出が思い出が横たわり

ゆっくりゆっくり舞いおちて 

私を肥やすかは知らぬが

夏鳥秋鳥柿畑 

巡る命の声 喜びうたう輪となりて

真昼の熱が西にかえりて茜の輪

映る朱色 髪に瞳に彼岸花

落ち葉くるくる 

いも焼き薫り

収穫を祝う秋の輪

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詩│潮風流星

詩│潮風流星

青き深き海を瞳に映す

あなたと私の蒼い孤独が凍える夜は

月が綺麗な夜だろか

星が輝く夜だろか

いいえ涙が降る夜だから

微笑み添えた傘をさそ

夜風が優しい夜だから

雨が続く空の下

月に手を伸ばして

星に手を合わせて

きみに触れたい熱冷まそ

この胸のあたたかさだけを

きみに差し出したい

あなたの言葉から心を

私の言葉に心を

あなたの涙を弾く潮風を送りたい

涙が輝きながら

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詩│今日は何を食べてもらうの

詩│今日は何を食べてもらうの

あの人の無事を知ったら

なんだか安心して

お腹が減ってきた

とびきりのうたに

玉ねぎを刻んだみたいに

涙がでた

だから仕事帰りの買い物で

食材を見ながらも

あの人に今日はどんな歌を届けたいかを考えながら

玉ねぎ

ジャガイモ 人参を手に取ってみる

今日は何を食べてもらおうか

なんて、、ね

ジャガイモって昔、意地悪な上司の

顔に見えて

力一杯ぶった切ったりしてたけど

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詩│ノスタルジアな微笑み

詩│ノスタルジアな微笑み

電車通り
アーケードを出ればどしゃ降り

少し止むのを待つ

憧れていた君の涙

うつ向く後ろ姿に傘をと

思い出がつまった

青い傘を開く

ノスタルジアな微笑み

心に差す雨傘

あれからこの傘を開く度に
君が横に並んであるいた

雨のリズム 
ひんやりとしてきた風 涙
  空っぽの心に
しとしとと雨粒

心に差す雨傘

俯く君の隣で
傘をたむけたかった

どしゃ降りの雨が止むの待っていた

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詩│薔薇の雲

詩│薔薇の雲

川面に映る建物や樹木が日の光りに輪郭を揺らす

その川沿いに緑の広場があり
老舗旅館と神社前の石畳の道に通じている

その道をまっすぐに歩いて行けば
石壁が琥珀にうつくしい建築として街の人に愛された文化ホールがある

そこで開催されたコンサートに行ったあの季節は5月

その歌手の歌声は薔薇の吐息の
様に素晴らしかった

彼女の心臓から太陽が溢れ出すように

最後の吐息が薔薇になるような

その歌声

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詩│あの日と同じ風が吹く道

詩│あの日と同じ風が吹く道

あの日と同じ風が吹いて

あの日と同じ風に包まれた

帰路

あの人も感じている秋の風

ススキが揺れてあの日の白月

心の障子をそっと開ける

星と星を繋ぐ星座のように

確かな線は引かれなくても

銀河を渡る列車に乗って

あの人の星に降りたって

みたかった

でも 何故だろう

いつでも あの人は

私の心の宇宙に住んでいて

遥か彼方から

私を呼んでいてくれていたのかも

とふと思う

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詩│射し込む光

詩│射し込む光

君と探し求めた花はあの頃からか

色をかえていった

季節が過ぎる

あの白い花の懐かしさが

薄い一筋の明かりを

投げてくる

私は水中深く溺れたのか

それとも

私は深く自ら沈んだのか

わからないまま

水中で漂っているみたいな
気持ちになる

君と話をするために

君を見つけるために

どこまでも深く

いつの間にか

傷口を厚くしてふさいだ蓋

その薄皮を一枚一枚剥がすようにしたら

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詩│お守り

詩│お守り

傲慢な気持ちに知らず知らずに

覆われて光を失わないように

雨にも負けて 風にも負けて

…〇月〇日 の日私は思い直す

自分の愚かさを遠ざけて

傲慢さに気付いていなかった

あの日まで

私はあの人を目の前に浮かべる

あの人の姿は教えてくれた

このおもいが冷めてしまわないように

冷めてしまわないように

あなたを忘れたくない

傷つくことは生きていることでもあるから

このおもいが冷め

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秋の唄

秋の唄

埃まみれの絆でも
二人の涙スターダスト
がキラキラ踊る

台風一過
純な青さに洗濯されて
君への思いは消えない

秋晴れの
雲ひとつない心を待っている
君の生まれ月を思う

月の悲しみ手のひらに
涙の雫となりて落ちる
虹色真珠

空見れば君が映る
曇り空でも
満天の星屑が心を照らす

波間を共に渡りてただ夜にかたり
子守唄かな眠りにつくまで

秋の陽に想い出まで
乾し上げてもう一度被って
笑う麦わ

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詩│特別な夢

詩│特別な夢

代わり映えしない明日でもいい

いちにちの終わりにだけは

そっと目を閉じて

君の横で特別な夢をみたい

きっときみは静かに

見つめてくれているだろうね

君の震えた花の薫りのする囁き

その言葉で包まれたとき

感動するんだ

異星人な私を

わかってくれているから

今まで出来なかった

不可能だった部分の

交信が出来て目覚めていくんだ

少しずつ

ゼンマイ仕掛けが動き出して

カチカ

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詩│秋雨の音

詩│秋雨の音

なにかを伝えたくて

夜道に出た

屋根から滴り落ちる雨音が

車のボンネットを打つ

ポツリポツリと

無口なままでも

あのひとには何か伝わっている
気がするよ

月が雨雲に隠れたとしても

雨音がなんだか優しくて

涼しい風で包んでくれるから

雨音にのせて歌をよもうと思った

あの歌は優しい雨で

少しずつ染みてくる

秋雨は鈴虫と寄り添って

街灯にも潤んだ瞳がちらほらと

秋蛍のように

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