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母恵夢 ポエム

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自由詩を集めました。 愛媛のお菓子ではないのですが、 ご賞味いただけたら嬉しいです。
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記事一覧

詩│シャボン玉の恋を

詩│シャボン玉の恋を

何故言えない 自分の拙さ
砂利道歩き 口唇を噛む

ラジオから 甘ーいラブソング
真顔で聞いて せんべいの音が
響く夜

心を砕いて恋すればだれもかも
辛いこともあるよね 
知ってる なのに
この恋心捕らわれ
手放せなくなる それも辛い

心を踊らせてよ私の手を取って
水平線の見える海辺で
さざ波の音だけで心を踊らせて

心の言葉はシャボン玉

シャボン玉とばそう

シャボン玉とばそう

わたしの

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白い海原

白い海原

時雨、時雨て 夕刻に霧雨が止んだ

子供の鼻詰まりが苦しいというので

耳鼻科にゆく

昨日まで両方の鼻の穴に詰めていた

白いティッシュ

沢山の息吹と鼻水と鼻詰まり

花曇りの街角は

くれてゆく

ゆっくりとくれてゆく

時雨明けの春宵は

鳥たちと虫の声少しずつ

合わさって

くれてゆく 

ゆっくりとくれてゆく

なめらかな山並みの上を

白い霧が昇る

くれてゆく 

ゆっくりとくれ

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詩│その手いっぱいの春

詩│その手いっぱいの春

春の植物園

木々や草花笑ってる

閉め切ったままだった

北の窓を開けたかのように

心の中をあたたかな風が吹く

蛇行しながら歩く子供のように

緑深まる芝山を歩いていけば

黄色の蝶々も足にまとわり戯れる

(君と楽しくお話したいのよ)

タンポポの白いドームが可愛くて

フ―っと息を吹きかける

歩けぬ草花も風と共に旅をする

大きなくすのきの下で

あの子の帽子は裏返り

木の葉や花びら

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詩│君に届け

詩│君に届け

午後五時の

チャイムの音は

恋は水色

夕暮れ前の白銀の光が

川の表面を撫でながら

キラキラサラサラと流れる

五月の川辺は眩しくて

川の深さを忘れます

青い空には鯉のぼり

青い青い鯉のぼり

少年だった君の笑顔に

光る影

柳の優しい木陰で読書する人

その横を

マラソンランナー風を切る

五月の川辺は無口ですが

進んで行きます

木々の緑に日が差して

冴えわたる緑の光明と

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詩│五月雨の午後

詩│五月雨の午後

夕刻の雨の匂いを風運ぶ
嵐の雨でも優しい歌よ

五月雨が
雨に打たれて雨粒を
ゆっくり落として
跳ね返る
五月の木の葉は鍵盤の音

藤の花
川面に映り流れ行く
水鏡に映る心は魅せられて
ただ揺れていた

驚いて
吸い込まれるは滝の音
白い光を織り成して
いつのまにまに大海原へ
深く豊かな海となれ

白い紙と
ペンで作った小舟を浮かばせ
あとは風に吹かれて進む
それだけでいい
幸せのイメージにつつま

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詩│ファの道

詩│ファの道

入学式の練習をしている吹奏楽部

窓の開いた校舎からよく響くファーの音

曇天によく響く

あなたの歌声を聞いて少し涙が出たのは

嘘ではなく本当で、、

時雨れてきたのも嘘ではなく本当で、、

傘をさしました

それからわたしはファーの音を聞きながら

少し傘が宙に浮かんでいく気持ちになりながら

足でズンズンと歩いていけたのでした

そういえば

ファーはファイトのファだったでしょう

そうい

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詩│白猫の矢

詩│白猫の矢

早朝 東の空 紺色の雲間 明けに照らされた光は

扉が開かれ放たれた白猫

わたしの目に真っ直ぐに飛び込んでくる

雨樋からの雫の音と小鳥の囀りが混ざり

西の林には濡れ青葉が深呼吸をして輝きを増す

よくわからないけれど あなたに出会ってから

わたしは多分同じ射型(しゃけい)をずっと変えていない

どんな時も 

どんな空模様でも

あなたのハートの真を射抜こうとする型だ

風が強くて夕陽が雲

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詩│白い春の満月

詩│白い春の満月

白い春の満月は

とても 美しく咲いていた

ただただ 美しかった

霧雨に光る街灯

虫の声とともに霧が昇っていく夜

輪郭が滲んで朧気に浮かぶ

白い春の満月は

たくさんの溜め息をほほ笑みにかえ

あたらしい詩を唄うあなたのように

美しかった

わたしはあなたの新しいほほ笑みに

魅せられて

洗われた

月光が春の雨のようにそっと優しかった

七色の雨

七色の雨

春の雨 燦々と七色に光る

春の雨 サラサラと公園の

滑り台を滑り落ちる

瞬き 消え失せ また流れ

光りの流れを纏わせて

雨にうたれても傘をささなかった
あの頃を

思い出す

なんどもやり直せるような

そんな雨に燦々とうたれて

焦りや悲しみ、自意識さえも

流れて七色に光れ

風に広げる 真っ白な

シャツを晴れた日に干し上げたら

春の雨

濡れたまま自転車をこいで

春の夢うつつ

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詩│空色の目

詩│空色の目

空色の目は模様を変える

そこにいる誰かを映して

空色の目でみる水たまりに映る自分

石を投げて散らす

花びらが落ちてゆれる

雨が落ちて波打つ輪

空色の目は模様を変える

そこにいる誰かを映して

空色の目は模様を変えるのに

そこにいるあなたは消えてくれない

曇天にも晴天にも嵐にも

こたえてくれるのは山びこか

歌しかしらないかのようなあなた

わたしを何処へと聴いても

にゃーと泣

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うららかな日さくら時雨風車(かざぐるま)│詩

うららかな日さくら時雨風車(かざぐるま)│詩

全身が恋音符のようにニ匹の蝶々が

花びらと舞っていた

今日はうららかな

それはそれは

うららかな日でした

外でお弁当を食べました

道行く人、みんな笑顔で、

ベビーカーの赤ちゃんも笑っています

小さな女の子が舞う花びらをみて

「パパ、ママ、みて

ひらひらだよ

 ひらひらだ」とスカートと
手をひらひらさせていました

(そよ風に蝶々の声がひらひらと)

あなたにもきっと笑っていて

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【詩】光る糸

【詩】光る糸

空を見る

青く映る

雲へ乗る

夕焼けに滲む

瞳を閉じても

一番星のようにきみがひかる

花弁が舞う ひとひら ふたひら

蝶々をみるとあなたを思い出す

言葉を取りこぼさないように

風を掬うように舞う

花弁の間を危うい飛行でくぐり抜ける

その向こうには

いつも空がある

曇天の雲間から降りてきた

微かな光の糸に頭を持ち上げられた

花びらが散る

手のひらに掬う

葉桜の足元に

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詩│新しい季節の風

詩│新しい季節の風

二人だけの教室で
対話を重ねる
織物の質感

ちらかった愛
傷だらけの心
傷つけてしまったた心
綺麗にまとめあげる
ことは出来ない
あるがまま

新学期 
心まで切り替わった
君の印象に
少し動揺

そんな印象さえも
春風の仕業のような
君の爽やかさ
未熟な心を奮い起こす

上手く伝わらないな
上手くいかないな
けどそれくらいのほうが
君と自分を良く知る事が
出来ていいかな

癒えない川に全て流れ

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春宵(しゅんしょう)詩

春宵(しゅんしょう)詩

溜め息の花が雨と一緒に散っていた

かあるく吐いたの ただそれだけよ

溜め息の花 あなたの胸をしめつけた

だから吐いたの ただそれだけよ

溜め息の花 かあるく吐いて

沢山咲いた

煙る霧雨に浮かんで

ゆっくりと暮れていく春宵に

沢山咲いた

もう、何もいうことはなかった 

だから吐いて散ったの 薄闇に

ただそれだけよ

薄紅色達にありがうと

そういって咲きたかった溜め息の花

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