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学校で働くまでの生い立ち

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#note初心者

16才は自由な世界の入り口(13)

16才は自由な世界の入り口(13)

中学を卒業した私は地元から離れた定時制高校に通うこととなりました。昼間は鉄工所で働き、夜は定時制高校に通う生活をスタートしました。

鉄工所では主に鉄を削ったりプレスするなどの作業をしていました。指先には削った鉄クズが刺さり、鉄を削った熱での火傷もよくしました。この指先に刺さった鉄クズですが、これが中々取れないんですよ。刺さったままだとずっと痛いので、仕事が終わる度にピンセットで鉄クズを自分で抜く

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中学卒業 新たなスタート(12)

中学卒業 新たなスタート(12)

久しぶりになりましたが更新です!正月休み中に頑張って進めます!

いよいよ中学の卒業が近づいてきて進路の話しとなりました。中学はほとんど行ってなくて家にもほとんど帰っていなかったので、当然私は働くことを考えておりました。一般的には中卒ではやはり建築関係の仕事に就くことが多く、みんなでよくどの職種に就くか話したものです。ネットもないような時代でしたので、先輩や友だちのお父さんなどから色々と情報を仕入

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不良は過酷 後編(11)

不良は過酷 後編(11)

この上下関係の影響で私は当分の間感覚が狂っていて調整するのに苦労をしました。年上がご飯をご馳走してくれたり、一緒の同じ立ち位置で何かを楽しんだり、殴られるどころか気を遣われたり、

こんなことしてもらってええんやろうか

その葛藤と混乱がぐるぐると頭の中を回っておりました。今でも多少その感覚は残っています。ただ、得たものもあるので、その事は前向きに考えています。特にその時の友人達と出会えたことは一

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不良は過酷 前編(11)

不良は過酷 前編(11)

この頃の私は非行に走っていたと書きましたが、近辺では一番有名なグループにおりました。私たちがそうなりたいと願ったのではなく、気付けばそうなっていたという状態でした。ただ、実情は全く違いました。中学生の一番有名なグループなど色々な年上グループに良いように使われる一番の下っ端です。

私が知っている不良の世界は完全に縦社会です。下の者に何かをやる事によりバランスを取る事が出来る社会でした。

上からお

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子どもの恋⑩

子どもの恋⑩

中学に入り初めて恋人が出来ました。家庭環境が複雑だった私には子どもの恋とはいえ恋愛はとても特別なものでした。生まれた家や家庭は幼き頃から早々変わるものではありません。その中で友だちや恋人という新たな選択肢であり道である可能性が生まれてくるというのは、幼き私にはとても大きく可能性を感じるものでした。

この子と結婚したら新たな家族というステージに行って家族が上書きされる

その可能性が少しでも含まれ

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奇妙な家族⑨-2

奇妙な家族⑨-2

姉の彼氏は

阪神大震災の時はすぐに原付で神戸に向かい

一緒にカラオケに向かっている時に発砲事件があったと電話があったら駆けつけ、Vシネマのような整列を目撃し

私がお土産で買って来て持っていた木刀を貸してくれと言われて貸すとなんか傷だらけになりながらでありがとう〜って言いながら返しに来たり

私に彼女が出来た時はそのお母さんに呼び出されてお兄さんが姉の彼氏と同級生だったらしく絶対娘に会わせない

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奇妙な家族⑨-1

奇妙な家族⑨-1

中学生になった私は下の姉と5年ぶりに一緒に暮らすこととなります。構成は母、私、姉、そして姉の彼氏でした。初めの内はよくわかっていませんでしたが、姉の彼氏は暴力団の方でした。

ここまでの私の住まいをまとめると、

父親から虐待を受け母親と夜逃げ

そして母親と夜逃げして母親が男の所に行ってネグレクト

中学に入り姉の彼氏の暴力団の人と暮らし始める

文字にしてみると中々な略歴です。この話しの流れか

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普通の中学生とは違う生活⑧

普通の中学生とは違う生活⑧

この中学時代に生徒指導のY先生と出会います。ここまで色々な先生達に出会って来ましたが、この先生が初めて私の家庭に首を突っ込んでくれた先生でした。初めてそこに真剣に目を向けてくれたのです。Y先生は学校に行っていない私を気にかけよく家に来てくれました。私だけではなく仲間たち全員の家を何回も何回も訪問してくれたのです。来ても何か言う訳でもないんです。

「たこ焼き買って来たで〜食べよ。」

そう言ってた

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中学に入学、学校からドロップアウト⑦

中学に入学、学校からドロップアウト⑦

中学に入学して私はテニス部に入り勉強も頑張りました。これまでも勉強はそれなりに得意な方で学級委員などもしていました。周りからは期待されていたように思います。しかし、中一の期末テストの最中に外を見ながら、私は勉強も部活も辞めようと思ったのです。外を見た時のあの時の晴れた青空を今でも覚えていて、中学生になった自分は今までよりも動けて学校にも家からもどこまでも行けるような気がしたのです。少し自由を手に入

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