奇妙な家族⑨-2
姉の彼氏は
阪神大震災の時はすぐに原付で神戸に向かい
一緒にカラオケに向かっている時に発砲事件があったと電話があったら駆けつけ、Vシネマのような整列を目撃し
私がお土産で買って来て持っていた木刀を貸してくれと言われて貸すとなんか傷だらけになりながらでありがとう〜って言いながら返しに来たり
私に彼女が出来た時はそのお母さんに呼び出されてお兄さんが姉の彼氏と同級生だったらしく絶対娘に会わせないでくれと言われたり
私がやっていたテキ屋も姉の彼氏の組と仲良くないらしく途中で辞めることになったり
沢山のわからないことがあります。
震災の時に人助けに行くと言ってましたし、発砲事件に関しては警察ではなく暴力団の方が駆けつけるなんてなんのためなのか。怖い人達のあの整列はどういう状況なのか
自分もぼろぼろなってたけど、木刀は何に使われたんやろうか
彼女のお兄さんが知ってる姉の彼氏はどんな人なんやろうか
敵対ってどういうことなんやろか。暴力団はみんな同じやないんやろうか
今も昔もわからないことだらけです。
今考えても姉の彼氏については私は何とも言えない感覚になります。私が知らないだけで沢山悪い事をしていると思います。私の想像など遥かに超えた悪いこともしているかもしれません。世間一般的には悪い人だと思います。しかし、私には家族よりも親身になってくれた人です。この事実に対して私はどう捉え受け止めれば良いのでしょうか。
自分が良くしてもらったから自分さえ良ければ良い
そうはなりたくないです。私が非行に進んだ事も背負いつつ私の置かれてきた特殊な環境もまた、私が望んで形成したものでは無いにしろ背負っていきたいと思います。犯罪は罪です。暴力行為は許されるべきものではありません。私が奢ってもらったご飯は、誰かがどこかで泣いている上にあるのかもしれない。その事は忘れる事なく常に肝に銘じています。
まだまだ色々ありますが姉の彼氏の話はここまでにしておきます。姉と別れることとなったため、中学3年まで一緒に暮らしその後は会っていません。風の噂でカタギになって真面目に働いてらっしゃると聞いております。
姉の彼氏が家から出て行く時車まで見送りました。その時姉の彼氏は最後に私に笑顔でこう言いました。
「いつまでも悪いことばっかしてるとな。ヤクザ引っ張るからな。じゃあな」
思ってないくせに。よう言うわ。そんな笑顔でヤクザ誘うかいな。鑑別所連れてかれた時と同じ流れやんか。ヤクザって規模なんか大きくなってるし。いっぱい守ってくれてありがとう。感謝してます。
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