展覧会レポ:ライカギャラリー表参道「藤原ヒロシ 写真展<ambnt 旅、仕事、環境、を切り取る>」
【約3,900文字、写真約30枚】
2024年4月にオープンしたライカギャラリー表参道で「藤原ヒロシ 写真展<ambnt 旅、仕事、環境、を切り取る>」を鑑賞しました。その感想(+藤原ヒロシについて)を書きます。
結論から言うと、ライカや藤原ヒロシに1mmでも興味がある方は、表参道に来た際、ふらっと寄ることをおすすめします。作品数は少ないものの、無料ですし、ギャラリーの居心地が良かったためです。なお、会場に作品をただ置くだけでなく、ライカや藤原ヒロシに対する理解が深まる工夫が少しでもあった方が良いと思いました。
▶︎訪問のきっかけ
美術手帖の「X」で、ライカギャラリー表参道オープンのニュースを見て、展覧会の存在を知りました。
展覧会へ訪問した理由は、1)ライカギャラリー東京に行ったことがあった、2)藤原ヒロシ自体に興味があったためです。
▼過去に行ったライカギャラリー展覧会の投稿
▶︎ギャラリーへのアクセス
ライカギャラリー表参道は、表参道駅から徒歩で約5分、キャットストリートから1本細い路地に入った先にあります。近くには、アディダスやオークリー、ルルレモンのショップがあります。
住所:東京都渋谷区神宮前5-16-15 2F
▶︎ライカギャラリー表参道とは
ライカ表参道店は、2024年4月12日にオープン。銀座店、京都店に並ぶ国内3店舗目のフラッグシップストアだそうです(国内店舗としては12店目)。
地下1階はライカ認定の中古カメラ販売、地上1階はフルラインナップの販売店です(銀座と違い、修理はできないようです)。
2階にはギャラリーがあります。販売員や看視員がいないことに加え、ベンチもあるため、ゆったりと過ごすことができます。店内は吹抜構造になっているため、光が程よく通って明るく、落ち着く空間でした。
▶︎藤原ヒロシ 写真展「ambnt 旅、仕事、環境、を切り取る」感想
ギャラリーには、藤原ヒロシが撮影した計14点の写真が展示されています。全体としては「へ〜」という感じ。中には、モンクレールとfragmentがコラボしたウェアのオフショットも展示されていました。
展覧会場には写真を置いただけ。せっかく表参道と縁のある藤原ヒロシの写真を展示するのであれば、藤原ヒロシのインタビューなどを、テキストや動画で展示してはどうでしょうか。
そうすることで、ライカに興味はなく、藤原ヒロシに興味があって来店した人に、ライカの魅力や、藤原ヒロシの人となりも伝えられるのではないでしょうか。展覧会から「何をもって帰ってほしいか」が見えませんでした。
藤原ヒロシは2003年からライカを愛用しているそうです。2022年、ライカは藤原ヒロシとのコラボモデルもリリースしています(99万円、137万円の2型)。今回の展覧会を記念して、カメラストラップやピンバッヂ、ステッカーなどのグッズ発売もあれば、さらに集客できたのでは、と思いました(私は欲しい)。
▶︎まとめ
いかがだったでしょうか?作品数は計14点と少ないため、展覧会から何か示唆が得られるという訳ではないです。無料なので、ライカや藤原ヒロシに興味がある方は、是非、立ち寄ってはいかがでしょうか。
▶︎今日の美術館飯
▶︎おまけ(藤原ヒロシについて)
私にとって藤原ヒロシ(現在60歳)とは「なぜかファッション界に権威をもつスカしたオジサン」という印象です。私が物心ついた時、彼はファッション界で地位をすでに確立していました。三重県伊勢市出身であることも今、初めて知りました。全く関西人の匂いがしないですね。
藤原ヒロシは、高校(伊勢)を卒業後、セツ・モードセミナー(新宿)へ入学(数週間で自主退学)。82〜83年にロンドンやニューヨークへ行き、本場のアパレルや音楽に触れる機会を得ました。
日本へ帰国後、DJをしたり、ヒップホップユニットを組んでCDを出すなどしたことで音楽界で一定の地位を得ました。88年ごろから、仲間内でTシャツを作り始め、(なんやかんやあって)ファッション界でも、今のようなポジションにつくようになりました。
藤原ヒロシは「fragment design」(以下、fragment)というデザイン集団を主宰しています。fragmentは、継続的にコレクションを発表するブランドでもありません。主に、様々なブランドなどと散発的にコラボすることで、商品を提供しています。
fragmentがコラボする商品にプレミアが付くことで、一部のファッション界で、藤原ヒロシは神格化されています。私も未だに、fragmentのプロダクトが発売されると、とりあえずウォッチせずにはいられません😅
fragment商品の人気は「商品そのものが良いから」というより「fragmentだから」が先にあるように思います。ファンは「fragmentを着ている俺はファッション通…」のような意識がいくらかあるのではないでしょうか。
fragmentの商品は、デザイン全体が凝っている訳ではなく、ただfragmentのロゴが入っただけのシンプルなものが多いです。
私は覚えていないくらいfragmentのウェアやグッズをもっていました。最初にfragmentへ興味をもったのは、NIKEのスニーカーや、LEVI'Sのデニム(fenom)だった気がします。ただ、私は歳を重ねるごとに「ロゴドドーン」的なウェアを着なくなったため、手放したものも多いです。
現在、fragmentの固定ファンはいます。しかし、徐々に「fragmentってどこがいいの?」という若い世代も増えるのではないでしょうか。今のままでは、若者を中心に新規のファンを増やすことは難しい気がします。
ちなみに、藤原ヒロシは「〝ユニクロ〟を買ったこともないし、この先着ることもないかなと思っています。(略)僕は高くてもブランドものを着たほうがいいかなって」とコメントしています(参照)。
今回の展覧会で、ユニクロUTのクリエイティブ・ディレクターの河村康輔とコラボしたアートワークが置いてありました。いつか、fragmentがUTとコラボしないかと期待しています。藤原ヒロシのブランド観とユニクロは相反すると思いますが、世界中の若者にリーチできるため、win-winではないでしょうか?🤔
Thank you for your support!