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Googleやディズニーも幼児教育に採用!レッジョ・エミリア教育とは?

この記事は約2000字です。5分程度で読めますが、太字だけでも読めるように書いております。少しお時間を下さい。

教育メソッド第6弾。レッジョ・エミリア教育メソッドについて解説をしていきます。この教育法は世界で注目を集めており、1991年に幼児教育の国際的なロールモデルとして紹介されました。アメリカのGoogle社員の預かり保育でも、レッジョ・エミリア教育が採用されているようです。世界的な企業がこういう教育を導入すると、一気に名前が知れわたり普及しますね。ただ、レッジョ・エミリア教育についてはメソッドというメソッドがありません。メソッドというよりは、教師や親に対する戒めを100の言葉という「詩」として残してあり、その考えを元に築かれた教育法、ということになります。

※これまでの記事もマガジンにしてあります。ぜひ、世界7大教育メソッドを制覇してください!リンクを貼っておきます。

レッジョ・エミリア教育は、イタリアの小さな町「レッジョ・エミリア」から命名されています。第二次世界大戦終戦直後の時期から生まれたとされており、資金繰りには大変苦労したと言われます。その資金集めを見たローリス・マラグッツィは感動し、教育心理学を学んでレッジョ・エミリアに戻り幼児教育施設を立てました。

そんなところから始まったレッジョ・エミリア教育の概要を書いていきます。もっと詳しく知りたい場合は以下のサイトをご覧ください。

【レッジョ・エミリア教育の概要】
・レッジョ・エミリア教育の考えの要

実は指導者であるローリス・マラグッツィは教育論を執筆してまとめておらず、考えの要が存在しない。
ただ「100の言葉」を残しており、現代のレッジョ・エミリア教育に受け継がれている。

・レッジョ・エミリア教育の目的
これも目的を明確に記したものはない。考えの要にもあるように「100の言葉」が、マラグッツィの教育の目的を残しているものになっている。

・レッジョ・エミリア教育の主な取り組み
プロジェクト活動

1ヶ月から長ければ1年間にも及ぶ活動で、子供たちによって1つのテーマを深堀していく活動のこと。プロジェクトは4~5人一組になり保育士だけでなく地域の大人たちも加わって子供と対等な立場で話し合う。協調性、社会性を養える。
ドキュメンテーション
子供の活動の記録を文字や写真にして、誰でも見られるところに展示する。ファイルにまとめて本人や保護者が閲覧できるようにしている。
教育環境
アトリエリスタ(美術専門の教師)、ペダゴジスタ(教育学専門の教師)が必ず指導者として配置されている。また、ピアッツァ(広場)と呼ばれる空間を作り、子供たちが集まってコミュニケーションを取れるようにしている。

今回の記事を通して、家庭でも取り入れられるレッジョ・エミリア教育メソッドは、ずばり「ドキュメンテーション」でしょう。これは子供が何かに没頭していることを写真に撮ったりして飾る、というシンプルなもの。多くの保育園や幼稚園、小学校でもやっていることですね。家族という最小単位でやることで子供に所属している感覚、共同体である感覚を身につけてもらいたいと思います。

これまで紹介してきた教育メソッドの中でも、シンプルな考え方だと感じます。その理由としてはメソッドを明記せずにやり方が受け継がれたからではないかと考えます。
また、レッジョ・エミリア教育の教師はマラグッツィの100の言葉をしっかりと心に刻んで、子供と接しているのではないかと思います。

そんなマラグッツィの100の言葉とは!?
以下の詩が100の言葉です。

「でも、百はある」
ローリス・マラグッツィ
(田辺敬子訳)

子どもには 百とおりある。
子どもには 
百のことば 百の手 百の考え 百の考え方 遊び方や話し方
百いつでも百の聞き方 驚き方 愛し方 歌ったり
理解するのに 百の喜び
発見するのに 百の世界
発明するのに 百の世界
夢見るのに 百の世界がある
子どもには 百のことばがある
…それからもっともっともっと…

けれど九十九は奪われる
学校や文化が 
頭とからだを ばらばらにする

そして子どもに言う
手を使わずに考えなさい
頭を使わずにやりなさい
話さずに聞きなさい
ふざけずに理解しなさい
愛したり驚いたりは 復活祭とクリスマスだけ

そして子どもに言う
目の前にある世界を発見しなさい
そして百のうち 九十九を奪ってしまう

そして子どもに言う
遊びと仕事
現実と空想
科学と想像
空と大地
道理と夢は
一緒にはならないものだと

つまり百なんかないと言う

子どもはいう
でも 百はある

親の心にグサグサ刺さる詩です。心が痛いです。
最後の「子どもはいう でも 百はある」って、大人には聞こえないんでしょうね。
与えている、と勘違いしないようにしないといけませんね。

子どもには、子どもなりに感じていることがあり、子どもなりに意見もあり、子どもなりにたくさん夢もあるんです。制限しているのは親で、制限しているのは大人であり、制限しているのは日本の社会なのかもしれませんね。

ちなみに・・・ブログも書いています。こちらもよろしければ、ご覧ください。旅ブロ、教育ブロ、書籍紹介ブロです。


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