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#海外スタートアップ

AI関連スタートアップの売上高マルチプルはおおよそ25倍である、というレポート

AI関連スタートアップの売上高マルチプルはおおよそ25倍である、というレポート

2022年のOpenAIによるChat GPTのリリース以降、急速にその市場を拡大させつつあるAI関連スタートアップ。

AI関連スタートアップの資金調達の件数・調達額が共に拡大傾向にある現在、ポーランドのワルシャワにあるM&A助言会社であるAventis Advisorsが上述のレポートを公表している。

ChatGPTをはじめとする革新的な生成AIモデルの発表は世界に衝撃を与えた。生成AIの登

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Mistral AIがバリュエーション(pre-money) 60億米ドルで資金調達

Mistral AIがバリュエーション(pre-money) 60億米ドルで資金調達

MetaとGoogleのDeepMindの卒業生によって設立されたフランスの生成AIスタートアップ、Mistral AIが640百万米ドル(デット・エクイティ調達合計額)を企業価値60億米ドルで調達したとのこと。

シリーズBでこの大規模な調達額及び企業価値は業界の中央値と比べても完全に外れ値である。下記のAI関連スタートアップのバリュエーションがまとめられたレポートによれば、同分野におけるスター

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フィンテックカンファレンス、LendIt 2019に参加した時の記録

フィンテックカンファレンス、LendIt 2019に参加した時の記録

2019年4月、米国・中国・欧州で毎年開催されていたフィンテックカンファレンス、LendItに参加した当時の記録が残っていたので以下に記載したい。当時からすでに5年近く経っているものの、結論そこまで大きくフィンテックをとりまく状況は変わっていないのではないか、と思える。

それもそのはず、当時「フィンテックが既存の金融機関を置き換え、脅かす」と言われていた脅威論は今となってはほぼ消え、「確かにフィ

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Y Combinatorの登壇企業を見ながら、優れたビジネスアイデアとは何かについて考える

Y Combinatorの登壇企業を見ながら、優れたビジネスアイデアとは何かについて考える

https://www.youtube.com/watch?v=_Kmgj9MAEN0&t=84s

元野村證券の営業マンで今はプルデンシャル生命で完全成果報酬型の営業マンである人気YouTuber、宋世羅氏の動画が好きでかれこれ3年近く観続けているが、この度大変共感した動画を見つけたため共有しておきたい。

「起業センスの無い者ほど妄想のビジネスプランを語り、起業センスのある者ほど地に足ついたビ

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2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

2023年に最もスタートアップに投資を行ったベンチャーキャピタルは

上記Crunchbaseの記事の題名の通り、2023年に最も投資件数を積み上げたのはアンドリーセン・ホロウィッツだった。ただし、これはシードラウンド以降の3百万米ドル以上の資金調達(つまり大まかにいうとシリーズA以降)におけるランキングである。2年前まではこのランキング上位を独占していたTiger GlobalやSequoia Capitalが消えてしまったことは特筆すべき事項だろう。

アンドリ

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欧米のIPO市場が引き続き低調な中、好調なインドのIPO市場

欧米のIPO市場が引き続き低調な中、好調なインドのIPO市場

https://pitchbook.com/news/articles/india-pe-vc-exits-defy-ipo-slowdown

米国や欧州のIPO市場が引き続き低空飛行する中、インドが躍進しているとの記事を読んだ。インドの2大証券取引所(ボンベイおよびムンバイ)では昨年205社が新規上場を果たしたのだ。

また、インドのIPO総額は2022年を大幅に上回り、PEとVCの支援を受け

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防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

防衛関連スタートアップが盛り上がってきそうな予感

先週は奇しくも米国国防省と日本の防衛省で同じようなニュースが報道された。どちらも「防衛関連スタートアップに対するベンチャーマネーの投下が必要」という内容だった。

米国国防省(通称ペンタゴン)が認識している課題として記事で挙げられていたのが、米国の防衛産業は全くイノベーティブではなく最先端技術の導入が遅れていることである。そしてこの課題を解決するためにも、新たなベンチャーキャピタルによる同産業の発

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なぜハードウェアビジネスはハードか

なぜハードウェアビジネスはハードか

かなり前のMedium投稿だが、Hardware Founders: (When) Should You Try To Raise VC Money?という記事が、表題の問いを考える上で参考になったので内容の要旨を以下にシェア。なお、著者は元Pebble(スマートウォッチを製造、2017年Fitbitにより買収)の創業者で、現在Y Combinatorのパートナーを務めるEric Migicovs

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KKRが30億米ドルのテック企業向けグロースファンドを組成

KKRが30億米ドルのテック企業向けグロースファンドを組成

バイアウトだけでなく、グロースエクイティやインフラ、プライベートデット等多岐にわたるアセットクラスに投資を行うKKRが、この度ファンドサイズ30億米ドルのテクノロジー企業向けグロースファンドの3号を立ち上げたとのこと。

KKRの既往ファンドで、テクノロジー企業に投資を行うグロースファンド(ファンドサイズ711百万米ドル)は、実現利益と未実現利益合計で26.6%のネットIRRを計上しており、すでに

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米国で水素関連スタートアップへの投資が増加中。だが慎重姿勢は崩さないVCたち

米国で水素関連スタートアップへの投資が増加中。だが慎重姿勢は崩さないVCたち

https://pitchbook.com/news/articles/hydrogen-vc-investors-climate-tech-startups

米国市場における水素関連スタートアップへの投資額が件数・金額ともに過去最高との記事をPitchbookで読んだ。以下、概要である。

2023年1月−11月の期間で、合計28件・14億米ドルが水素関連スタートアップ投資に充てられた。

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2023年、米国スタートアップで評価額が下がったセクター、上がったセクター

2023年、米国スタートアップで評価額が下がったセクター、上がったセクター

Pitchbookの記事で、2022年対比で調達額・調達件数・バリュエーション中央値がセクター毎にどの程度変化したか、を示すデータがあったので以下の通りまとめておきたい(対象国:米国)。

調査対象となっているセクター全てにおいて、調達額・調達件数は前年対比で下がっている一方、バリュエーション中央値が上昇したセクターが2つある。それはアグリテックとAI・機械学習のセクターである。

アグリテックは

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