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冒頭小説

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気ままに書いた小説の片鱗。冒頭のみが多いです。続きもまた気まぐれに。
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冒頭小説「灰色の世界に咲く花が」

冒頭小説「灰色の世界に咲く花が」

※これは気まぐれに書いた冒頭のみの小説です。続きは気まぐれに書いたり書かなかったり…

手首を縛られながら思った。
ああもう死んでもいいや。自分がしたいことなんて何にもなくて、こうやって縛られながら自分の回想に溺れていくんだ。

どこにも焦点が合わない目を、瞼の間からうっすらと開けた。グレーな世界はコンクリート壁なのか色味を失った俺の現実なのかもう分からなかった。分からなくてもよかった。どうでもよ

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冒頭小説「私は、イルカなの」

冒頭小説「私は、イルカなの」

※これは冒頭のみの小説です。続きは気まぐれに書くか、書きたい人が人がいたら是非書いてあげてください。そして読ませてください。めちゃんこ続きが読みたいです。はい…

生まれた時からその子はずっと自分がイルカだと思って生きてきた。

水の中をずっと泳いで生きてきた。

彼女の名前は”ルリ”

日本人の父と日本人の母がいて、埼玉県草加市にある、古く白い塗装がハゲかけた鉄筋コンクリートの小さな産婦人科で生

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冒頭小説「香山ちづる」

冒頭小説「香山ちづる」

※これは冒頭のみの小説です。何かが始まるワクワク感で終わりるのは許してちょ。続きは気が向いたら書くかもしれないし書かないかもしれない…

「昨日、地図を拾ったの」

あー聞いちゃったよ…

耳に飛び込んできた言葉を受け流そうとしながら咄嗟に思ったのは、大冒険を連想させる興味の引きそうなこの地図というワードよりも、こいつのくだらない誘いをどうやって断るかという算段だった。

香山ちづる

小4の時に

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冒頭小説「さくらの土手」

冒頭小説「さくらの土手」

※これは冒頭のみの小説です。続きを書くかは気まぐれだけど、リクエストあればちょっと頑張ります。笑

「これだけあったかいと眠くなるな」
ボソッと発せられたその言葉は、ふわっと舞いあげられた薄ピンクの花びらと共に、暖かく優しい世界に広がって消えた。

彼との出会いは3年前。
桜満開の土手だった。

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この時期の私は少し憂鬱になる。
それでも春らしい気持ちでい

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