モチ人間

大福が好き 映画と本と日頃のこと

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記事一覧

満員電車で踏ん張る前に(もしくは後に)

 満員電車ほど非人間的な移動手段はない。  文字通り、人と人の間が潰されることで、嫌が応でもお互いの肉体を意識することになるこの空間では、他者の存在は何よりもま…

モチ人間
6か月前
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身体の動かし方マニュアル

 私には、主に身体に関する悩みと精神に関する悩みがある。 そのうち精神的な悩みの、それまた一つに頭で考える(あるいは求める)ことに身体がついていかないというもの…

モチ人間
7か月前
1

未だ些細な違い

左利きである。 左利きだからと言って、家が借りられないわけではない。 左利きだからと言って、店から追い出されることもない。 左利きだからと言って、結婚できないこと…

モチ人間
11か月前
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手紙の効用

 夜、友人と久しぶりに話した。  最後の話題は手紙と、日記、書かれた文章について。友人は死後、日記を誰にも読まれずに燃やして欲しいらしい。その一方で文通(より抑…

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1年前
5

機械と生きるための覚書

機械に対して無性に腹が立つことがある。例えば他人に、人に同じ事をされたとしても何とも思わない様なことでも。友人達は機械に対して怒ってもどうにもならないので無駄だ…

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1年前
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猫にふれたい、というおはなし(ホラー映画へのコンプレックス)

突然だが、わたしはホラー映画が苦手である。 TSUTAYAのホラーの棚は足早に通り抜けるし、『着信アリ。』を無理やり観させられた時には、初っ端のコンロの着火音にビビり…

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4年前
1

整頓五色揚(本と部屋とエントロピー)

年(度)末なので部屋の片付けが進行中。 私の部屋は恥ずかしながら滅茶苦茶に汚いのだ。 昔、 「エントロピー増大の法則に従って部屋は汚れていくのだ。それ即ち宇宙の…

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4年前
3

日頃のこと。

深夜ラジオをたまに聴く。 しっかり聴くわけではない。 流しながら聞いてる(果たしてこの表現であってるのか?)と言った方が正しいのだが(正しいのか......)。 流し読…

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4年前
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満員電車で踏ん張る前に(もしくは後に)

満員電車で踏ん張る前に(もしくは後に)

 満員電車ほど非人間的な移動手段はない。

 文字通り、人と人の間が潰されることで、嫌が応でもお互いの肉体を意識することになるこの空間では、他者の存在は何よりもまず物質的なものとして捉えられる。
 人が、ある範囲では同じ目的を持って、時空間を共有し集まるにも関わらず、そこに社会は生まれない。対等なコミュニケーションを図るために必要な互いへの尊重や想像力は、圧倒的な物質性を前に後景へと退く。
 実際

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身体の動かし方マニュアル

身体の動かし方マニュアル

 私には、主に身体に関する悩みと精神に関する悩みがある。
そのうち精神的な悩みの、それまた一つに頭で考える(あるいは求める)ことに身体がついていかないというものがある。
やめなければいけないとわかっていることをずるずる続けたり、しなければならない(酷い時はしたいと思っているにも関わらず)ことをなかなかし始めなかったりするようなことだ。
手には暖かい弁当を持ち寒さに凍え鼻水を垂らしながらも、足が痛み

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未だ些細な違い

未だ些細な違い

左利きである。
左利きだからと言って、家が借りられないわけではない。
左利きだからと言って、店から追い出されることもない。
左利きだからと言って、結婚できないことはないし、子供を産めないわけでもない。
左利きだからと言って、就職できないわけではないし、殺されることはない。

ただ横口お玉を使えばこぼし、
駅の改札では身を捩り
食卓では左端か斜めに腰かけ
鋏は切れず
カッターは使いづらく
急須は体ご

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手紙の効用

手紙の効用

 夜、友人と久しぶりに話した。
 最後の話題は手紙と、日記、書かれた文章について。友人は死後、日記を誰にも読まれずに燃やして欲しいらしい。その一方で文通(より抑制された交換日記のようなもの)を勧めもしてくれた。

 寝て起きて仕事をし、ご飯を食べて、ふと結婚式の手紙を思い出す。
 結婚式のラスト(といってもライスシャワーやカンカン・カーまではいかず)のパブリック=つまりそうだと私が思う・イメージは

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機械と生きるための覚書

機械と生きるための覚書

機械に対して無性に腹が立つことがある。例えば他人に、人に同じ事をされたとしても何とも思わない様なことでも。友人達は機械に対して怒ってもどうにもならないので無駄だ(人間に腹を立てる方が自然だ)と言う。
 私はそうは思わない。思っていないから腹が立つのだと思う。怒る理由があり、怒るという行為でそれに応えられると考えているのだと思う。
 機械、というものを暴力的に簡単に言えば「“働きかけ(action)

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猫にふれたい、というおはなし(ホラー映画へのコンプレックス)

猫にふれたい、というおはなし(ホラー映画へのコンプレックス)

突然だが、わたしはホラー映画が苦手である。

TSUTAYAのホラーの棚は足早に通り抜けるし、『着信アリ。』を無理やり観させられた時には、初っ端のコンロの着火音にビビりまくって日頃温厚な先輩に(半ば呆れられながら)キレられたこともある。

ただ冷静に考えると、日頃温厚な先輩が私の苦手なホラー映画を無理に観させたりするだろうか......

ということは、実は温厚じゃなかったのか、それとも先輩じゃな

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整頓五色揚(本と部屋とエントロピー)

整頓五色揚(本と部屋とエントロピー)

年(度)末なので部屋の片付けが進行中。

私の部屋は恥ずかしながら滅茶苦茶に汚いのだ。

昔、

「エントロピー増大の法則に従って部屋は汚れていくのだ。それ即ち宇宙の法!」

と友人がぶち上げていたが、ご多分(?)に漏れず、私の部屋でも水際でのせめぎ合いが続いている。

部屋が汚くなる理由は、各個人各家庭お国柄色々あると思う。
私の場合は分かりきったもので、部屋に2つある本棚がそれだ。

特に本が

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日頃のこと。

日頃のこと。

深夜ラジオをたまに聴く。

しっかり聴くわけではない。
流しながら聞いてる(果たしてこの表現であってるのか?)と言った方が正しいのだが(正しいのか......)。
流し読みという言葉もある。
聞き流し、とすると意味が変わる。
聞くともなしに聞いている、では長い。
かと言って傍聞というのも少し違うだろう。

話を戻す。
つらつら聞いてるラジオでいうと
『伊集院光の深夜の馬鹿力』の「今週気づいたこと」

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