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身体の動かし方マニュアル

 私には、主に身体に関する悩みと精神に関する悩みがある。
そのうち精神的な悩みの、それまた一つに頭で考える(あるいは求める)ことに身体がついていかないというものがある。
やめなければいけないとわかっていることをずるずる続けたり、しなければならない(酷い時はしたいと思っているにも関わらず)ことをなかなかし始めなかったりするようなことだ。
手には暖かい弁当を持ち寒さに凍え鼻水を垂らしながらも、足が痛みや疲れに気を取られ一歩も動けないことがある。今夜がそうだった。ここで立ち止まっても、弁当は冷えるし身体も温まらず鼻水が止まることもなくおおよそ良いと思えることは何もないにも関わらず、足が動かない。

 動かさせる自分を想像する。つまり今私は微動だにしていないが一歩踏み出した自分を想像し、自分の身体に重ねる。取りうる行動の全てを想像できる限り自分の身体に重ねる。急に踊り出しても良いし、ジャンプしても良い。叫んだって良いし、しゃがんでも良い。取りうる行動を重ね、その中で歩き出す自分を抽出する。これで歩き出せる。自分の可能性の前借りだ。

 ここまで考え実行し思いの外うまく行ったのでこれでまた少し生きやすくなるなとニヤニヤするうちに気づく。
これは映画のeverything everywhere all at once そのものだ!
だからどうというわけではないのだが、似たようなことを考える人々がいるというのは心強い。

一方的にだが。

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