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「兎が二匹」という名の呪い
※漫画「兎が二匹」(作・山うた)のレビューです。
ネタバレあります。
「兎が二匹」特設サイト
深い呪いをかけられてしまった。
海を見る度に、ラストシーンのあのモノローグが頭をよぎる。
「いつまでも つづく」
「いつまでも いつまでも つづく」
海は永遠だ。
少なくとも人間の命に比べたら。
でも、海と同じくらい死なない人間がいたら、どうだろう?
398年生きている稲葉すずは、不老不死。
A Spiral Balance
「さかちゃん、ビンゴ使って京都作ったらしいよ」
研究室で100年間の天気予報を見ていたら、よしおがそんなニュースを持ってきた。
今日のよしおは坊主頭でガタイがよく、目が蛍光黄緑に光っている。
宇宙人の司令塔みたいだ。
「なるほどね。ビンゴだったら一人でやってれば、絶対いつか自分がビンゴだもんねぇ」
「夢の中だったとしても、覚めなきゃいいわけだしね」
「さかちゃんなら向いてそうだよねぇ」
「しばら
CRY FOR THE MARS-プロトタイプ-
できたばかりのあのファミレスに、深夜に行こうと言い出したのは、やっぱりまりんだった。
まりんはその名前とは裏腹に、海が嫌いで、好きなものはエアコンのきいた部屋で食べるアイスクリームとか、ビーズのぎっしりついた華奢なミュールとか、それで、いつも白いシャツ。
襟の形や素材が違っていたりするけれど、まりんはいつも白いシャツを着ていた。
あのファミレス?え〜国道沿いじゃん、夜だと音うるさくなーい?トラ