輪廻の憂鬱

空気を水彩絵の具にして塗ったのは、空と雲の境目の掠れたブルーグレー。

マカロンカラーの水玉がバウンドする、ギモーヴの雨降り。

少女狂気、少年はただ夏の一瞬、
晴れすぎた日の黄緑の草むらの中で
大人びて相容れない二人は最期の時だけ隣同士。

カレンダーに一房垂らした前髪が秋の日に目印の線を引く。

どの木を庭に植えても、どの鳥の声を聞いても、きっと同じようにここに来ていて、同じ壁を見ていた。

白熊、ティッシュペーパー、ピアノの鍵盤、磨いた歯、雪、花、白い物なら何でも全てしっちゃかめっちゃかにまとめて、雑然とリボンをかけて花束、
世界にぶつける爆弾として花束。

噛み潰すなら、苦虫なんかじゃなくて、口の中に飛び込んできた蛍の光。

体内は小さな爆発で渦巻き、血液は輪っかになって、明日には違う人格になっている。

したことのない会話を偽装して、裏も表もあるように見せかけている。

そこからの合図以外を聞いても、生き返れるように、生命を分散させようと努めている。

長靴の中の空洞は、熱帯魚に譲ったんだ。













2020.10.30(金)夜
高円寺ウーハにて
咲穂・システム、オール、グリーン ツーマンライブ
イメージテキスト
配信URL https://youtu.be/z1_4rQAyuoA

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