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就職すると安定する子の心理

サッカー日本代表戦を見ていました。
箱根駅伝を見ていると走りたくなり、日本代表戦を見ているとサッカーをしたくなる
単純明快、Mr.チキンです。
今日は「就職すると安定する子の心理」についてお話します。
養護学校高等部の進路担当の先生から聞いたお話です。

就職=不安定になる?

私は福島県の養護学校が初任地でした。
小学校の学齢期の子たちを担当していました。
養護学校は、学校によっては小・中・高の学齢期の子が在籍しています。
私の初任地も高等部まである学校でした。
高等部を卒業すると、一部進学する生徒もいますが、大体の子は就職します
病弱養護学校ということで、学生時代に精神的に不安定な生徒もいました。
学校に来られない子、自傷行為をする子もいるという話でした。
しかし、卒業し、就職してから母校に顔を出す子の表情を見ると、
それはとても晴れ晴れとした表情だった
のです。
学生時代不安定だった子は、就労後も不安定なのではないかと考えいた私としては、不思議な気持ちでした。
若かった私は、卒業生の笑顔の理由を進路担当の先生に聞きました

学校は不安定になる場かもしれないよ

学校っていうのは、不安定になる場かもしれないよ。

お酒を飲みながら、進路担当の先生は言いました。
何でですか?と聞くと、次のように答えました。

Mr.チキン君。どんな子が不安定になると思う?
人とのコミュニケーションが苦手な子
切り替えが難しい子
こだわりが強い子

・・・それを考えると、学校はどうだろう。
得体のしれない子たちとコミュニケーションをとるように強いられ
一時間ごとに違う授業で切り替えなくてはいけなくて
こだわりすぎると怒られる
学校は不安定になる場だと思わない?

確かに!と思いました。
じゃぁ、逆に考えると、うまく適性に合った職場を探せば、

コミュニケーションは報・連・相の最低限、定型文で。
一日中同じ作業をしていて良くて
こだわればこだわるほど褒められる

となるわけだ。これは安定するわけだなと納得したのを覚えています。
続けて、進路指導の先生はこんなことも言っていました。

「卒業後も見守ってるから。」

それに、卒業後も見守ってるからね。

どういうことですか?と聞くと、

うちの高等部を出たこについては、最低でも三年間は担当教員が職場を見回ることにしているんだ。
そして、本人の愚痴を聞いて改善案を職場に助言したり、
職場からの要望を本人に伝えたりしている。
離職するというのが本人にとってつらい選択になることが多いから、
できるだけ長く続けられるようにしているんだ。

という話をしてくれました。
このことが心に残っており、今の自治体の高等支援学校に調査をしたことがありました。
ほとんどの学校が同じような就労後の支援をしていたため、
かなり多くの学校で行っているのかもしれません。
なんとも心強い支援です。
私も受けたかったぐらい!

まとめ

養護学校高等部の進路担当の先生に聞いた話をお伝えしました。
就労後に安定する心理の秘密として、

  • コミュニケーションの相手や方法が単純化される

  • 活動内容が一貫していて、気持ちの切り替えが最小限になる

  • こだわりが重宝される

といったことがありました。
また、私の初任地の高等部では

就労後三年間のサポート体制

があったということでした。
今、特別支援学級や特別支援学校に通っている保護者の皆さん。
進路が不安かもしれませんが、支えるシステムがあります。
そして、就労後は子どもの姿も変わるかもしれません
高等支援学校が地域にある場合は、就労後のサポート体制について問い合わせてみると良いかもしれませんね。
では、またね~!


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