映画紹介「世界のはしっこ、ちいさな教室」。教師であることとは?
先日こんな映画を観てきました。
現在公開中です!
同じ地球上にこんなところがあるのかと思われるような地域で、「子どもたちには明るい未来がある」と信じて子どもたちを教えている先生3人の話です。
その場所とは?
① アフリカのブルキナファソ
15歳以上の識字率が41.2%。
世界最低の識字率を向上させるためにブルキナファソ政府は教育に力を入れ、新人教師を6年間の任期で国内各地の学校に派遣しています。
サンドリーヌ・ゾンゴは首都ワガドゥグで夫と二人の娘と暮らしていましたが、国の将来のために教師になることを決意し、国立初等教員養成校で2年間教員になるために学びました。
そして最初の赴任地は首都から遠く離れ、スマホの電波も届きにくいティオガガラ村。
井戸は故障中で洗濯と炊事は川の水を使います。電気も豆電球のようなものがあるくらい💦教室は壁が半分しかなく、黒板と椅子があるだけです。
50人強の子どもたちを担当することになりますが、子どもたちは公用語のフランス語が通じません。
何とか意思を通じさせるところから授業は始まります。
子どもたちは明るく先生に興味津々。
教えたことをどんどん吸収していきます。
しかし、なかにはついていくのに大変な子も💦
サンドリーヌは夜でも子どもたちが勉強できるようにとソーラーパネルを買います。
子どもたち同士も協力しあいないがら、全員卒業を目指します。
② シベリア遊牧民のキャンプ
広大なシベリアの雪原をトナカイのソリで走るスヴェトラーナ・ヴァシレヴァ氏は移動式の遊牧民学校の教師です。
広大なタイガで遊牧生活を送る遊牧民の子どものために教材や机などをソリに乗せてキャンプ地を回り、1カ所につき約10日間で授業を行います。
スヴェトラーナ自身もトナカイの牧夫を両親にもつエヴェンキ族です。
ロシア語の読み書きや算数に加えて、エヴェンキ族の文化、伝統や言語を教えることを使命と考えていて、氷に穴を開けての魚釣りやトナカイの捕まえ方も教えます。
自分の子どもは町の寄宿学校に入れて、シベリアの地を移動しながらの仕事はきついですが教師の仕事を天職と考えています。
生徒は子どもなので元気いっぱい過ぎてなかなか一つのことに集中しません💦
スヴェトラーナは、民族の言葉を伝えようと奮闘します。
③ バングラデシュ スナムガンジ地区
バングラデシュ北部にあるスナムガンジ地方は、モンスーンの影響で1年の半分が水没します。
教師のタスリマ・アクテルは船で生徒を迎えに行きます。
タスリマは、結婚を勧める両親を説得して高校を卒業し、出身の村の教師になりました。
「教育こそが子どもたちの未来を開く」という強い信念をもって中学に進学するよう子どもたちを励まします。
タスリマ自身、一家の中で唯一自立した女性に成長し、女性も男性と同じ権利を持つべきと主張します。
学校では子どもたちが児童婚や児童労働の犠牲にならないように啓発にも力を入れます。
お金がないという理由で娘の中学進学に反対する母親を強く説得するシーンも。
親が娘を迎えにきても、学校が終わるまでは引き渡すのも断固拒否します。
そんな先生のおかげで勉強が続けられると、子どもはとても嬉しそうなのです。
日本は、教育を受けるのが当たり前ですが、まだまだそうではない価値観の場所がたくさんあります。
生活していくだけでも大変な場所で、日々子どもと格闘している先生たちの熱心さには頭が下がります。
子どもがわからないところはわかるまで教えます。
苦しいことがあっても子どもの顔を見れば元気がでるようです。
教育こそが子どもの未来の可能性を切り開くと信じて熱心に指導し、上級の学校への進学を勧めます。
子どもたちも好奇心をもって学び新しい知識をえると顔がぱっと輝きます。
教師と子どもたちは強い絆で結ばれています。
教育の原点を見るような映画でした。
でもそれが日本のような先進国になるともはや学びは喜びではなく苦痛のようです。🥺
過度の競争主義、学歴主義で子どもは窒息してしまいます。
学校は子どもたちの安らぎの場ではありません。(いじめや体罰、性暴力など)
しかも努力して大学を出ても仕事にありつけるは限りません。
奨学金の借金を背負っただけということもあります。
教育が階級社会を固定化し、社会的不公正を正す手段ではなくなっています。
きっと教育が他人より上にいく手段に先進国ではなってきたからではないのでしょうか。
教育を受けたものが支配し、優位に立ちたいものが学校に進みたいと躍起になる。
周りからの評判や他人の目を気にして、私たちはペンをとる。
教育に明るい未来が見える国がうらやましくありました。
新しいことを知ると感動する感性もなくなってきたなぁ……
だいたい10年ほど前に、通学路編の映画もあります。
これも観ました!配信されているので、ぜひ都合が合えば皆さんにも観てほしいです!
最長で片道22㎞。
ゾウの群れから逃げながら向かうケニアの兄弟モロッコの崖っぷちを歩く女子たち
馬に乗っていくアルゼンチンの兄弟
インドでは車いすの少年が兄弟から押してもらいながら川を渡る
など信じられない通学路を通う小学生たち。
ケニア、アルゼンチン、モロッコ、インドの通学風景を描いたドキュメンタリー映画です。
私だったら絶対無理🥺
執筆者、ゆこりん、ハイサイ・オ・ジサン