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ドラマ・シネマローグ

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日本のドラマ・映画を中心に感想と思ったこと考えたこと。
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2021年2月の記事一覧

ドラマ「ペンションメッツァ」 〜小林聡美という生き方

ドラマ「ペンションメッツァ」 〜小林聡美という生き方

短編小説のようなドラマWOWOWドラマ「ペンションメッツァ」を観た。
コテージの様なこじんまりとしたペンションを営む女主人テンコを演じる小林聡美さんを軸として、1話ごとに一人の共演者と1対1で向き合うような二人芝居という試みが、質の良い短編小説を読むような味わいのある連作ドラマであった。
クスッと笑えたり、人生のほんの一コマを切り取ったスケッチのような情景が描かれていた。6話どれも味わい深かったけ

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ドラマ「その女、ジルバ」にかつての自分を見た

ドラマ「その女、ジルバ」にかつての自分を見た

今期の見たいドラマは週末にかけて集中していて、視聴が追いつかず大渋滞。
その中でも、このところ毎週入れこんで観ているドラマは「その女、ジルバ」だ。

大手百貨店から出向を命じられ、アパレル販売員から物流倉庫勤務となった笛吹新は、夢も希望もなく人生を半ば諦めたように生きていた。40歳の誕生日を迎えた日、不思議な縁で平均年齢70歳というバー「オールドジャック&ローズ」で働くことになる。

主人公、笛吹

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ドラマ「にじいろカルテ」の涙と笑いの中に、またしても春馬くんを想う

ドラマ「にじいろカルテ」の涙と笑いの中に、またしても春馬くんを想う

いやぁ今週の「にじいろカルテ」第5話、凄まじかったですね。

先週第4話では、ある無差別爆破事件での、トリアージにおける自分の判断ミスで妻は亡くなり、そうとは知らずに必死で犯人を助けてしまった、朔先生(井浦新さん)の壮絶な過去が明らかになったが、第5話では、その過去を朔先生自ら真空(高畑充希ちゃん)と太陽(北村匠海くん)に打ち明け、可哀想な奥さんと医者である自分という勝手な物語を人に作られたくない

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三浦春馬 tourist ツーリスト 人生の旅路

三浦春馬 tourist ツーリスト 人生の旅路

私は今、ドラマの舞台となっている東南アジアとは真逆の国に居て、光のない真冬はマイナス20度以下にもなる極寒の北の果てから、アジアの眩しい太陽の光と暑く湿った空気を夢見ている。
「tourist ツーリスト」は、国外へ出るのが難しい今だからこそ観たくなる、ロードムービーのような作品だ。
映像の中では、ひとっ飛びにどんな国へも行くことができる。

バンコク篇天久 真は、ふらりと目の前に現れ、また何処か

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三浦春馬 ダイイング・アイ 妖しく危険な瞳

三浦春馬 ダイイング・アイ 妖しく危険な瞳

バーテンダー春太私がこのドラマを見てみようと思ったきっかけは、番宣として制作された 「バーテンダー春太」の動画を見たからだ。
"いらっしゃいませ" と言う低く落ち着いた声、白シャツに黒ベストという鉄板のバーテンダーの出で立ち、腕を上下させシェイカーを振る姿なんてもう、ぼーっとして見惚れる程いい男だ。
最後の一滴も垂らさないようにシェイカーをシュっと切るようにしてグラスに注ぎ終わり、綺麗な色のカクテ

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