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#本

読書:ヘラクレスの冒険

読書:ヘラクレスの冒険

アガサ・クリスティ著

田中一江訳

早川書房

引退を検討中の私立探偵、エルキュール・ポアロ。

ポアロの瀟洒な住まいを訪れた友人バートン博士は、ポアロの性格で引退生活など、とても無理だと言います。

ポアロのファーストネーム「エルキュール」はギリシア神話における最大の英雄「ヘラクレス」に由来。

そこでポアロは、12の物語で構成された神話「ヘラクレスの難行」になぞらえ、最後に12の事件を解決し

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ハロウィーン・パーティ

ハロウィーン・パーティ

・アガサ・クリスティ著

・早川書房

「リンゴの木荘」というお屋敷で、夜に行われたハロウィーン・パーティ。

招待された推理作家オリヴァ夫人に、13歳の少女ジョイスが「殺人を目撃したことがある」と言い出します。
その後事件がおきてしまうのですが…。

オリヴァ夫人が直ぐに向かった相談先は、当然ですが、エルキュール・ポアロ宅。

「アップルポビング」、「スナップドラゴン」、「小麦粉切り」など、十代

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妄想の森

妄想の森

・岸田今日子著

・文藝春秋

雑誌「一枚の繪」に1989年から1996年まで連載した作品から抜粋、再構成した一冊とのことです。

目次を読むだけで、妄想を掻き立てられます。

ムッシュ・ブラン
硲伊之助美術館
わたしのメキシコ
楽屋
飛びたい猫
忘れられた家
カラスの事情
「いけません」
ジプシーの画家
暖炉に炎が踊るとき
「ランスへの旅」と「ヴォツェック」
頭文字
客席にて
頭文字
客席にて

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読書セラピスト

読書セラピスト

・ファビオ・スタッシ 著

・橋本 勝雄 訳

・ヴィルヘルム・ハンマースホイ装画

・東京創元社

「読書セラピー」を始めた、元国語教師のヴィンチェ。

訪れる人々の悩みを聴き、それに合った文学作品を処方。

ある時、同じ建物内に住む、読書家の女性が失踪する事件が起こり…。

「読書療法」
個々の相談者が何を必要としているのか、どれくらいの読書習慣があるのか、どのような問題を抱えているかなどを確

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音の糸

音の糸

・堀江敏幸著

・小学館
小学館発行、クラシックプレミアム誌の連載記事に加筆して構成

およそ70曲におよぶ楽曲が綴られた、50篇の音楽エッセイ。

著者が「美味しいとは言えないある食堂に通った」話があるのですが、その理由がなんとも言えません。
私も絶対通うと思います。

まるで外国語で書かれた文章の翻訳を読んでいるかのような、そして、装丁の綺麗な一冊です。

冬の薔薇

冬の薔薇

秋山ちえ子著

三月書房

1957年から45年間「秋山ちえ子の談話室」というラジオ番組のパーソナリティを担当された秋山ちえ子氏(1917年 - 2016年)

「冬の薔薇」は、秋山氏が喜寿を迎えた、1994年8月に出版されたエッセイ集。

文庫本の大きさのハードカバー、函入り小型愛蔵本シリーズを手掛ける出版社、三月書房さんより。

紅い函から本を取り出すときは、贈り物の包みを開ける時のような気持

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鯨オーケストラ

鯨オーケストラ

吉田 篤弘 著

角川春樹事務所

地元のラジオ局で深夜の番組を担当している主人公。
ある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、彼によく似た肖像画を美術館で見た、という葉書が届きます。
主人公が肖像画を観に行ってみると…。

「自分が天国へ持っていきたいのは、何よりも音楽だ」

ここからは余談です。
ラジオが好きで、地元のラジオに出させて頂いていた時期もありました。

「もしかしてラ

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