マガジンのカバー画像

46
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

アガサクリスティ完全攻略

アガサクリスティ完全攻略

・霜月蒼著

・早川書房

アガサ・クリスティ100作品、ネタバレなしの評論集。

推理小説以外にも、ノンフィクション「さあ、あなたの暮らしぶりを話して」やメアリ・ウェストマコット名義で書かれた普通小説も含まれています。
(アガサ・クリスティは、当時メアリ・ウェストマコットという名前でも小説を書かれていました)

第68回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)

第15回本格ミステリ大賞(評論・研

もっとみる
読書セラピスト

読書セラピスト

・ファビオ・スタッシ 著

・橋本 勝雄 訳

・ヴィルヘルム・ハンマースホイ装画

・東京創元社

「読書セラピー」を始めた、元国語教師のヴィンチェ。

訪れる人々の悩みを聴き、それに合った文学作品を処方。

ある時、同じ建物内に住む、読書家の女性が失踪する事件が起こり…。

「読書療法」
個々の相談者が何を必要としているのか、どれくらいの読書習慣があるのか、どのような問題を抱えているかなどを確

もっとみる
音の糸

音の糸

・堀江敏幸著

・小学館
小学館発行、クラシックプレミアム誌の連載記事に加筆して構成

およそ70曲におよぶ楽曲が綴られた、50篇の音楽エッセイ。

著者が「美味しいとは言えないある食堂に通った」話があるのですが、その理由がなんとも言えません。
私も絶対通うと思います。

まるで外国語で書かれた文章の翻訳を読んでいるかのような、そして、装丁の綺麗な一冊です。

わたしのいるところ

わたしのいるところ

・ジュンパ・ラヒリ 著

・中嶋浩郎 訳

・新潮社クレスト・ブックス

イタリアに住む、45歳独身女性の日常を描いた物語。

著者の両親はベンガル人、出生国はイギリス、育った国はアメリカ、40歳を過ぎて夫と二人の子供と移住した都市はローマ。

「孤独はわたしそのもの。孤独に動かされてわたしは書いてきた」という、著者ジュンパ・ラヒリのイタリア語による初の長篇小説。

目次

歩道で
道で
仕事場で

もっとみる
べつの言葉で

べつの言葉で

・ジュンパ・ラヒリ著

・中嶋浩郎訳

・新潮社クレスト・ブックス

1967年にロンドンで生まれ、2歳からアメリカで育った著者。
両親はコルカタ出身のベンガル人。

40歳を過ぎて夫と二人の子供とローマに移住。

文学と人生について初めてイタリア語で書いたエッセイと短編小説。

浴室

浴室

・ジャン=フィリップ・トゥーサン著

・野崎歓訳

・集英社文庫

・1994年発行

なぜか日々を浴室で過ごすようになった主人公。

心配した母親が訪ねてきて、浴室でエクレアを食べるところで、エクレアを買いに行きそうになりました。

小説の中の出来事ですが、主人公の彼女、あの事件の後、大丈夫だったのでしょうか。

フランスからおしゃれな本が…と、当時話題になり、映画化もされましたね。

失われた時のカフェで

失われた時のカフェで

・パトリック・モディアノ著

・平中 悠一 訳

・作品社

パリのカフェ。
常連客である、「ルキ」と呼ばれるミステリアスで魅力的な若い女性。

「ルキ」について、4人の人物が、それぞれ異なる視点で語る構成です。

人気作家であり、ノーベル文学賞受賞作家であるパトリック・モディアノの作品の中では、今のところこの作品が個人的に一番好きです。

・パトリック・モディアノ

1945年、フランス生まれ。

もっとみる
チェスをする女

チェスをする女

・ベルティーナ・ヘンリヒス 著

・中井 珠子 翻訳

・松本圭以子 装画

・筑摩書房

ギリシャのナクソス島。
主人公は、夫と二人の子供がいる42歳の女性エレニ。
ホテルの客室係として15歳の時から長年働いています。

ある日、フランス人カップルの客室で目に入ったチェス盤。
そのことが小さなきっかけとなり、エレニは秘密でチェスを始めることに。
その後、思いもよらない展開に繋がっていくのですが…

もっとみる