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【初小説】僕らのセンチメンタルジャーニー②
「ヨーコさん。目覚ましとか、かけないんですか?」
ヨーロッパのとある観光地。
宿の玄関を出ながら、眼鏡をかけたボサボサの黒髪の青年が隣の女性に話しかける。
2人は昨日、宿のラウンジで偶然出会い、成り行きで一緒に観光することになった。
時刻は10時。緯度の高いこの国では、冬の日照時間は短い。
この時間になって、ようやく朝らしくなってきた。
しかし、旅人にとって時間は貴重だ。特に海外旅行では。
【初小説】僕らのセンチメンタルジャーニー
ヨーロッパのとある街。名所である旧市街の近くにその宿はあった。
若者が多く利用する宿で、値段は安いが寝室は二段ベッドの相部屋。シャワーのみ。食事はないが、外で買ってきたものを共有ラウンジで食べることができる。
ラウンジの中央にはソファがあり、今は欧米の旅行者が4~5人、それぞれの旅の話に花を咲かせている。
そして窓際には壁に面した席があり、静かに過ごすこともできる。
その席に、1組の男女が座っ
書くことは調理に似ていると思う
10月は仕事が忙しい。
自宅が仕事場なので、半月以上缶詰状態になっている。
唯一の外出は徒歩5分ほどのスーパーくらい。
買い出しからの帰り道、空を眺めては、渡り鳥たちに羨望のまなざしを向ける日々が続いている。
「どこかへ行きたい」
そんな想いを抱きながら。
私は旅が好きだ。
サラリーマン時代も休日はカメラを片手に方々へ出かけていた。
そんな人間にとって、軟禁状態は大きなストレスになる。
このもど
目には見えないけれども
段々と、近所の森の木々が色づき始めてきました。
そんな中で気が付くのは、場所によって色づくタイミングが違うこと。
日当たり、川の近くか、、etc……
人の目にはわかりづらい、微妙な差が違いを作り出す。
それはさながら森の妖精のいたずらのよう。