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妖精たちの集会場

近所に、背の低い松の木がある。

雨の日、そこはまるで妖精たちの集会場。
きらきら輝く雨粒からは、ウキウキ声のおしゃべりが聞こえるようだ。

妖精A:「やあ、今来たのかい?」
妖精B:「久しぶり!みんな調子はどうだい?」
妖精C:「最高だね。今日は色んなものが見れて楽しいよ」
妖精A:「おっと時間だ。ごめん。僕は、一足先に失礼するよ。」
妖精B、C:「また、川か海か、空で会おう!」

細い松の葉先にスルスルと移動した妖精Aは、そう言うと、
手を振りながら水たまりへジャンプした。

つかの間の出会いを楽しみながら、雨の妖精たちは大きな水の流れに還っていく。


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