Kanata0211

写真とハイキング、ゲームが趣味。 脱サラして、とある山の中で生活中。 友人の記事を読む…

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写真とハイキング、ゲームが趣味。 脱サラして、とある山の中で生活中。 友人の記事を読むために始めたNote。 せっかくだから、自分でも発信したいと考えています。 日々、自然の中で感じたことを綴っていきます。 小説にもチャレンジしていきたいと計画中。

最近の記事

【初小説】僕らのセンチメンタルジャーニー②

「ヨーコさん。目覚ましとか、かけないんですか?」  ヨーロッパのとある観光地。 宿の玄関を出ながら、眼鏡をかけたボサボサの黒髪の青年が隣の女性に話しかける。 2人は昨日、宿のラウンジで偶然出会い、成り行きで一緒に観光することになった。  時刻は10時。緯度の高いこの国では、冬の日照時間は短い。 この時間になって、ようやく朝らしくなってきた。  しかし、旅人にとって時間は貴重だ。特に海外旅行では。 もう少し早く出発する約束だったが、ヨーコと呼ばれた女性の寝坊により出鼻から予定が

    • 【初小説】僕らのセンチメンタルジャーニー

       ヨーロッパのとある街。名所である旧市街の近くにその宿はあった。 若者が多く利用する宿で、値段は安いが寝室は二段ベッドの相部屋。シャワーのみ。食事はないが、外で買ってきたものを共有ラウンジで食べることができる。  ラウンジの中央にはソファがあり、今は欧米の旅行者が4~5人、それぞれの旅の話に花を咲かせている。 そして窓際には壁に面した席があり、静かに過ごすこともできる。 その席に、1組の男女が座っていた。  男性は二十歳前後の青年、ボサボサの黒髪が耳の半分以上を隠すほど伸び

      • もうちょっとで羽化できそう

        前回の投稿からだいぶ時間が経ってしまいました。 なお、秋真っ盛りの今、表題はもちろんリアルなセミの話ではありません。 書き始めた小説の話です。 あんまり時間をかけても、その分「こんなものか」と思われるのが怖い。 なので早く投稿してしまいたい。 ただ、読み返す度に”長すぎる”とか”順番を変えた方がいいぞ”とか修正点が見つかるので終わらない。 なんだか、昔絵を習っていた時のデッサンのよう。 何度も練り消しを使って手直ししたのを思い出しました。 それでもようやく、大枠が見えてき

        • まるで、ぬか床を混ぜるように

          昨日の投稿で宣言した「小説を書く」という目標。 その中で、モチベーションを料理の火、そして舞台や人物、ストーリーなどは具材に例えた。 今、私の脳内では具材の買い出しが始まっている。 舞台はどこにしよう。 どんな人物を登場させよう。 ストーリーの流れはどうしよう。 考えれば考えるほど妄想は尽きない。 ただ、頭の中に思い浮かぶ光景には既視感がある。 ”これは数年前に旅行で訪れたヨーロッパの景色だ” ”あの時は空港で寝泊まりしたなぁ” ”あのレストランの料理はすさまじい量だった

        【初小説】僕らのセンチメンタルジャーニー②

          書くことは調理に似ていると思う

          10月は仕事が忙しい。 自宅が仕事場なので、半月以上缶詰状態になっている。 唯一の外出は徒歩5分ほどのスーパーくらい。 買い出しからの帰り道、空を眺めては、渡り鳥たちに羨望のまなざしを向ける日々が続いている。 「どこかへ行きたい」 そんな想いを抱きながら。 私は旅が好きだ。 サラリーマン時代も休日はカメラを片手に方々へ出かけていた。 そんな人間にとって、軟禁状態は大きなストレスになる。 このもどかしさをどこで発散しよう。 悩んだ末にたどり着いた答えは、創作と空想の世界への小

          書くことは調理に似ていると思う

          ドキリとする瞬間

          テーブルの片隅に置かれている一輪の造花。 妹が置いていったもの(たぶん、知人の結婚式での貰い物)で、愛でるほど好きでもないけど、片づけてしまうほど邪魔でもない。 均衡のとれたシーソーのような、あるいは空気のような関係。 そんな関係が続いたある秋の日。 柔らかい日差しの中にたたずむ造花にドキリとして、夢中で写真を撮った。 「ようやく私の魅力に気づいたの?」 少し呆れた調子の笑い声で、そう言われた気がした。 よくよく見ると、説明書きもついている。 ”ラナンキュラス 花言葉:魅

          ドキリとする瞬間

          かくれんぼ

          「もうい~かい?」 「ま~だだよ」 我が家では月に数度、”かくれんぼ”が行われる。 たぶん、英語でHide and Seekと言った方がニュアンス的にはしっくりくるか。 大体は普段の行動パターンを考えて、その周辺を狙っていけば勝てるのだが、今日の相手は一筋縄ではいかないようだ。 かれこれ2時間くらい対戦中だ。 もう諦めて、他ので妥協しようか。 降参だ。 そろそろ出てきてくれ! ボールペンよ…… お前が一番書きやすいんだ。

          かくれんぼ

          妖精たちの集会場

          近所に、背の低い松の木がある。 雨の日、そこはまるで妖精たちの集会場。 きらきら輝く雨粒からは、ウキウキ声のおしゃべりが聞こえるようだ。 妖精A:「やあ、今来たのかい?」 妖精B:「久しぶり!みんな調子はどうだい?」 妖精C:「最高だね。今日は色んなものが見れて楽しいよ」 妖精A:「おっと時間だ。ごめん。僕は、一足先に失礼するよ。」 妖精B、C:「また、川か海か、空で会おう!」 細い松の葉先にスルスルと移動した妖精Aは、そう言うと、 手を振りながら水たまりへジャンプした

          妖精たちの集会場

          君の名は?

          数か月前から、湿った岩肌などに可憐な白い花が咲いているのを見かける。 「ダイモンジソウ(大文字草)」 この写真の花の名称だ。 花弁が「大」の字に見えることが由来といわれている。 特徴をとらえていて、印象的な名前だ。 ただ、「だいもんじ」というと個人的には京都の送り火や某ゲームの炎タイプキャラの技など、「火」関連のものが思い浮かんでしまい、この花の清楚さとの間にギャップを感じてしまう。 そんな時、ふと思う。 「もしかすると、植物同士の世界では別の名前があるのではないか」と。

          君の名は?

          秋の詰め合わせ

          うろこ雲とすすき。 頬を撫でる冷たい風。 先月まで「暑い、暑い」と言っていたのが遠い昔のよう。 秋の深まりを感じながら、雲の種類を調べてみる。 うろこ雲の後にひつじ雲が現れると、天気は下り坂なのだとか。 なるほど。確かに明後日辺りは関東に雨マークがある。 雲の変化は空からのメッセージ。

          秋の詰め合わせ

          目には見えないけれども

          段々と、近所の森の木々が色づき始めてきました。 そんな中で気が付くのは、場所によって色づくタイミングが違うこと。 日当たり、川の近くか、、etc…… 人の目にはわかりづらい、微妙な差が違いを作り出す。 それはさながら森の妖精のいたずらのよう。

          目には見えないけれども

          雪の妖精

          「虫の知らせ」とは「なんとなく良くないことが起きそうな予感」のことだそうです。 良くないことかはわかりませんが、季節の移り変わりを告げる虫がいます。 「雪虫」(地域によって様々な呼び名があるらしい)です。 実はアブラムシの仲間。 場所によっては害虫として扱われたりもするのだとか。 10月中旬ごろ、体に綿のような物質をまとい移動します。 フワフワと移動するその姿は本当に雪が降ってきたのかと見間違えるほど。 そして、この雪虫が飛ぶと1~2週間(諸説あり)で雪が降ると言い伝え(

          雪の妖精

          空が教えてくれたこと

          空を眺めるのが好き。 風と雲と水蒸気、そして空気中に漂う目には見えない塵たち。 なによりも、欠かせないのが光。 太陽、月、星、雷、町の光…… 色んなものが混ざり合って、空の景色はできている。 おんなじ「空」という単語。 似てるときもあるけれど、いつも中身は違ってる。 多分、それがオリジナリティ。 文章やテーマに悩み始めた今日この頃。 空を眺めてちょっと気持ちが楽になった。

          空が教えてくれたこと

          おしゃべりな寝床

          我が家の寝床はロフトベッド。 白い木肌のおしゃれ好き。 下に荷物スペースのある、収納上手な優等生。 我が家に来てから数年目。 最近はかなりおしゃべりだ。 ハシゴをのぼると、ギシギシギシ…… 腰を下ろすと、ギシッ!ギシッ! 人が来たからうれしいのか。 はたまた私が重いのか。 さすがにおしゃべり過ぎるので、そろそろ締めてやらねばならないか。(ネジを) そんなことを考えて、横になる。 すると空気を読んだのか、子守歌が聞こえてくる。 トクン、トクン…… 心拍のリズムが反響する。

          おしゃべりな寝床

          暗闇の先に見たものは

          寒なってきました。 近隣の山では初冠雪もありました。 私には、この季節になると暗闇を求めて動き回る習性があります。 別に、怪しい者ではないですよ。 夜な夜な歩き回る目的は空に有り。 雲と月のない秋の夜空。 凛と澄んだ空気の中で星たちがきらめきます。 民家、道路の外灯、時折通り過ぎる車のライト。 田舎に住んでいても、「真っ暗闇」と呼べる場所は案外少ないものです。 人の住む近くには必ず何かしらの明かりがあります。 それは本能的に仕方のないこと。 星の見える場所を探すとき、私

          暗闇の先に見たものは

          めんどくさがり屋の救世主

          私は根っからのめんどくさがり屋。 昼食、夕食はしょっちゅう抜く。 汚れていなくて人に会う用事がなければ、シャワーも1日くらい浴びないこがチラホラ。 ただ、そんな私も朝食だけはしっかり食べる。 しかし頑固なめんどくさがり屋。 メニューには「目玉焼き、ごはん、レタス」のレギュラーメンバーが20年以上鎮座していて選手交代の余地はない。 そうすると、困る者が現れる。 知人や親が時々くれる野菜たちだ。 薄暗い冷蔵庫の中で時間だけが無常に過ぎ、どんどんシワが増えていく。 毎朝、レタスを

          めんどくさがり屋の救世主