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一陽来復の娘 6

↑の続きとなります。

みんな、好き好んで、ここにこういう形で縁づいた人生を送った訳ではありません。


苦しく、辛い事も、理不尽な事も、多くあったと思います…(´;ω;`)


もちろん、現実的な視点とは別の、霊的に深い部分での合意や、様々な「仕組み」や「学び」や「救い」などが精妙に組み立ててあるからこそ、このような「形」がある…

というような事は、一応、わかっているつもりです。

「見」せられ、「知」らされる。

そのような形で、幼い頃から、たくさんの方の人生に、接する機会を、本当に多く頂いてきましたから…

時に、無明の中でひどく苦しみ、悩む事を余儀無くされるのが、私達、人の人生の一側面であり、

その積み重ねの先に、至福の時が来る…

そして、振り返れば、途中の道のり全てが恵みであり宝であった、と深く感じられる境地がある、

それが、分かっていてもなお…

いえ、だからこそ…


無知であった遠い昔の先祖の成した事が原因で、「型」にはめられ、

訳の分からない苦痛を一生を通じて味あわされ、

死してなお、「型」にはめられた、数多の身内達…


自らの子孫達が、「型」にはめられ、

相争い、人として歪んだ生を歩み、亡くなっても救われず、迷う…

そのような、多くの姿を見せられ、

家系が途絶え、財も失われ、土地も家名も、全く血筋でない者たちの物になり、 

それでも、声を上げられずに、最期まで見続ける事しか出来ない、という、苦しみを味あわされる…  


それが、母方の、遠い先祖達が受け取り続けさせられる、

自分達の、無知な考えで、軽はずみに行った事の、「結果」であると、

そう、「見」せられました。



それはあたかも、先祖達にとっては、

己の成した強欲さを思い知らされるという「罰」や「学び」であり、

その為に…


幾千、幾万の人生が費やされている…

という事に、他なりません。

私は、それを「知」った時、

ひどく静かにそれらを受け止めている頭とは裏腹に、


自分の「内側」の奥深い所が、強く…

ぎしっと音を立てて軋むのが、わかりました。



ですが、

今は、それはそれとして、目の前にあることをするしかありません。


" どうして、どうして!こんな人生だったんだろう!
どうして、愛してもらえなかったんだろう! "

" 苦しい、苦しい!悔しい、悔しい!! "


祖母達の、激しい慟哭を耳にしながら、

私は、細く、深く、ゆっくりと呼吸をして、自身を「整え」ると、

呪いの言葉を紡ぐ祖母に、ゆっくりと手を差し伸べ、 

そっと、抱きしめました。


祖母の言葉が、止まりました。


私の隣の方が、ほんのわずか、微笑んだような気がしました。


祖母と接している所に、焼けつくような違和感を感じましたが、それすらも、いとおしく、切なく、

「辛かったよね…」
 
と、もう一度、ゆっくりと話しかけました。


祖母は、顔をくしゃっとさせて、目に涙を溢れさせ、

" …私は、一生懸命、やったんだぁ…! "

と、大きく、怒ったように言うと、私の胸に頭を預けて、勢い良く、泣き出しました。


" " あああああーーん!おおおおおおおーーん!! " "


その泣き声は、大勢の人々の「声」が重なって、とても大きく「響いて」聞こえました。


あまりにも数多の悲しみ。

(何て、悲しみ……そうだよね…

みんな、辛かったよね…嫌だったよね…苦しかったよね…

本当に、すごく、よく…頑張ったよね…)

私は、全身でみんなの悲しみを「感じ」とり、

悲しさといとおしさで、胸がいっぱいになり、

声にならない声で、心がいっぱいになり、

涙が、たくさん、たくさん、溢れてきました。


すると、


みんなの声と「共鳴」したかのように、

私の胸の「奥」が、突然、かあっと熱くなり、

そこから、

辺り全てを照らすかのように、

ふわあっ!と、

あたたかく、まばゆい光りが、

勢いよく辺りを照らしました。


(何、これ?)


と、驚く間もなく、


そのあたたかな光が、一瞬で全身に満ち、

私は、その光と一体であるかのようになり、

祖母も、みんなも、その光に包まれました。


" …わあっ! "

皆の叫ぶ「声」がします。


そして、

あたかもそれと呼応するかのように、

遥かな高みから、

白く優しく輝く光が…

私達をめがけて、まっすぐに、

勢いよく、降りてきました。

(えっ?)


あっという間に、私達は、

大きい一つの光の渦になりました。


(!!)  


その、辺り総てを照らす、

大きく、大きく広がった、光の渦の輪に包まれて、

みんなの、嘆きの「声」は、

まるで眠るかのように、光に「溶けて」ゆき、

「みんな」は、

どんどん、どんどん…

心地よさ気に…嬉しそうに…

" すごいね、これ何? "

" 何だろう、これ…こんなの、知らないよ? "

「本当に、何だろうね?気持ちいいね。」

" 本当に…気持ちいいね…!あったかい… !"


と、驚きながら、笑い、

そして、

…やっと、訪れた安らぎに、

" 嬉しいなぁ…嬉しいなぁ… "

と、幸せそうに…嬉しそうに…

" 気持ちいいなぁ… " 

" そういえば、昔、こんな気分だった事もあったっけかなぁ…"

自分を取り戻し…


" いい、気分だなぁ… "

皆、元通りの、綺麗な姿になって…

光と共に、あるべき所へ、かえっていきました。


そして、

徐々に、人の声が少なくなり、

「…私、一生懸命にやったのに…いつも、いつも…

お父さんもお母さんも、妹ばっかり可愛がって…

ずるいよぅ…!うわあああーん!」

泣きじゃくる祖母は、いつの間にか、少女の姿になっていました。


↓続きます。
長くなってすみません…(´;ω;`)



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