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本気で笑えて泣けるテレビって、素敵でしかないだろ。 #FNS27時間テレビ

この記事はごく一部のバラエティファン・お笑いファン・並びにフジテレビフリークな方にのみお送りしております。

私が恨み節を堂々と吐いた夏から2年。
この日を本当に待ち望んでいました。

ついに本当の意味での「真夏のお笑い祭り」が帰ってきてくれました。ようやく深い深い余韻も咀嚼できて、自分なりに書きたいこととか伝えたいこととかがまとまってきたので筆を取りました。

あくまで私なりの感想文と、フジテレビに対する思いを認めたなんてことない文章ですが、ぜひお付き合いいただければ幸いです。よろぴくね。


期待を超えてくれてとにかく安心

千鳥・かまいたち・ダイアンという関西系強火お笑いファンだけを向いた人選と企画で、4年ぶりにFNS27時間テレビが帰ってきてくれました。先週末放送されましたが、正直、期待を遥かに超えて面白かったです。

今まで一番長時間見た27時間の記録をかなり大きく更新しました。正直、「ちょっと休憩かな」とか「出かけるならこの時間かな」的な企画も見る前はあったんですが、いざ始まったら全然休む暇がない!!気がつけばずっと食い入るようにテレビにかぶりついて爆笑してました。

今回は、フジテレビバラエティ陣総参加だったということで色々な番組の色々なエッセンスが交わり、その全てを「鬼レンチャン」陣が上手くコーティングしていたというか。27時間通しでプロデュースできる番組もなく「教養路線」でなんとか1日繋いでいた数年前とは全く違う、パワーのある27時間テレビだったなと思います。

レギュラー番組でも番宣をガンガン入れて(直前番組も深夜じゃなくゴールデンタイムにちゃんと流していた)MC陣も1週間前からフル回転(特にダイアンすげー出てたな)。これも、教養路線の時代では全く見られなかった熱量のある告知でした。

そして、その告知量を裏切らない面白さ。
鬼レンチャンパートはVTRを見ながら生放送でコメントし、ひたすら爆笑。ごっつええ感じ軍団VS MC陣の体当たりバトルとかなかなか攻めてたし、川島支配人率いる夜のゴリゴリお笑いパート。ビートDEトーヒ2局同時生放送。FNS逃走中でノブさん逃げ切り。FNS歌謡祭チーム全面参加の歌パート。もうこの辺は皆さん山ほど書くはずなので、細かくは省略します。

とにかく山場も見所も多すぎた。
ちっとも退屈しなかったです。


エンディングがとにかく秀逸

何よりも一番印象的だったのがエンディング。

これまでまるで番組の縦軸のようにMC陣と並走し、ほぼ27時間ぶっ続けで何かしらのコーナーに出ていたダイアン津田のお母さん・きみ子さんがステージに上がり、中島みゆきの「時代」を熱唱。めちゃイケ27時間でもこんな光景あったなぁ・・・と感傷に浸っていると、ゆっくりエンドロールが。

そこには、千鳥・かまいたち・ダイアンの若手時代からの写真の数々が映し出されていました。今はなき漫才劇場「baseよしもと」時代、悪戦苦闘する3組と、同期の芸人たちの友情が伝わってくる写真たち。

「あんな時代もあったねと いつか笑える時が来るわ」「だから今日はくよくよしないで 今日の風に吹かれましょう」時代の歌詞は、そんな3組にそっと寄り添うかのような歌詞でした。もしかしたら、フジテレビが自分たち自身に送った言葉だったのかな?とも今は感じています。

私が今まで一番好きだった2011年のFNS27時間テレビ。グランドフィナーレ、ナイナイの矢部さんのマラソンゴールが近づく中、このマラソンに込めた矢部さんの思いがVTRで流れました。「岡村さんをお笑いに誘ったことへの責任」。心の病で休養していた岡村さんへの素直な思いが詰まっていて、幼心に感動した記憶があります。

「テレビで泣いたらさんまさんに怒られるんです」
岡村さんはVTR明け、涙ながらにそう話しました。

あの時の熱い感情。それが蘇ってくるようで、私はテレビの前でボロボロと泣いていました。大悟さんの潤んだ瞳やMC陣の表情を見ていると、またさらに込み上げてくるものがあって。

ここにバラエティ、というかお笑いの全てが凝縮されていたというか。こんなにひたむきにお笑い芸人の人生と向き合って、一つの到達点として昇華してくれるフジテレビなら、まだまだ頑張ってくれる。そう確信し、涙を拭いたそんな夜でした。こういう演出、本当にフジって上手いんですよね。


「意味がない」ことは必要ないのか?

ネット上では「今どき27時間もやる必要を感じない」とか「なんの意味があるの?」という声もまだまだ見られます。でも私は思います。「意味のない」ことこそテレビがやるべきことなのだと。

今は皆、何かしらの意味や意義を物事に求めすぎるあまり、無駄なことを嫌いすぎて合理的になりすぎている。そう思うんです。でもテレビのバラエティはそうじゃない。タイパや合理性を一切合切無視してとにかく面白いと思うことだけを追い求めて映像にする。

それで笑いたい人が笑顔になれば、意味がないということは無い。むしろ、「無駄なこと」が「無駄でなくなる」という、大いに矛盾した方程式がバラエティでは成り立つんです。

ネットでもこんなに大掛かりで、演者も大量に使って、派手なセットと全国中継と財力を使った番組はできるでしょうが、それでもテレビはまだまだ頑張ってほしい。YouTubeで出来ないことをまだまだできると、私は信じています。そしてそれを体現してくれた。いわば「フジテレビの意地を見せる真剣勝負」が、この27時間だったんじゃないかなと。


いつまでも楽しいを塗り替えてくれ!

で、最後に。

やっぱり、バラエティがしこたま元気でなくちゃフジテレビは意味がないなと思います。この長い低迷期に、どれだけドラマや報道や情報番組が幅を利かせても、なんだかんだフジテレビのアイデンティティは「楽しいこと」にあるはず。笑いがどれだけこのテレビ局のパワーを左右しているのか、それを実感せずにはいられません。

「時代についていけてない」と何度も揶揄されたフジテレビですが、「楽しくなければテレビじゃない」に変わるアイデンティティ「楽しいを塗り替える」をようやく手に入れ、ここからまた大きな再スタートが切れるのではないか?と正直期待しています。

どうか、このネット全盛時代の風穴を開けるような新しい番組で、もっとたくさん楽しいを塗り替えられる、ただただ楽しいコンテンツメーカーになっていけるように私も応援しております。

数年前の苦み走った言葉をお許しください。
そして港社長、ありがとうございました。
そして、願わくば来年も、この先も。



おしまい。



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