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水木三甫
2023年2月26日 07:30
雨はアメンボウが降らすんだって昔おばあちゃんが言ってたけれどアメンボウのいない都会の真ん中で激しい雨が降っているトタン屋根に落ちる音行き交う傘を叩く音地面にじかにぶつかる音音、音、音、雨音は濁音の世界濁音は胸を締めつける音濁点が心に突き刺さるだから僕は部屋の中で耳を塞いで雨が止むのを待ち続けるあるいはシャワーの音でごまかしてみる君からの電話の音は聞こえないけれど
2023年2月22日 06:19
春夏秋冬四季は人生に似ている春はまだ赤ちゃんの季節だだから成長も早い昨日まではツボミだったその先っぽ今朝見ると濃いピンク色が恥ずかしげに顔を出しているそれが徐々に広がりはじめ桜が花を咲かせるちょっと前まで茶色い枝だけだった桜の木枝に淡い緑の葉をたくさんつけていく季節の始まりあっという間に過ぎていく若さの季節やがて花は散るけれど桜の木はさらに成長していくもうすぐ
2023年2月20日 18:44
一円玉を集めて弾丸を作ってみたって黄金の鎧を貫くことはできない勇気のない裏切り者を集めてみたってストライキは一日も続かない選挙に行かないで抵抗してみたって政治はそれを無視して進んでいく貧富の差を解消しろと要求してみたって金持ちは貧乏人からさらに搾取する革命を起こさなければならないと気負ってみたってついてくるのは野良犬ばかりしかいない世の中をあきらめて自分の中に閉じこも
2023年2月18日 20:36
冷蔵庫の中に置き去られた心みたいな澄みきった夜に僕は空へ向かって旅に出る年代物になった空っぽの玉手箱を右手に抱えて僕は一人ぼっちで銀河鉄道に乗る虫たちが僕のまわりで合唱し犬が月に向かって吠える夜に僕は重力にさよならをして空を飛ぶ翼の折れた紙飛行機を左のポケットに入れて僕は星と星のあいだを自由に彷徨う洗濯機に取り残された体みたいな干からびた夜に僕は天国へ向かって旅に出る
2023年2月18日 09:19
誰か僕のいる場所を知りませんか僕が僕の中から逃げ出してしまったんですもともと僕とは相性が悪くて、いつも喧嘩ばかりしていたけれど本当は僕を一番理解していた僕が僕の中から消えてしまったんです僕を探すにはあまりにも僕は僕を知りすぎているから僕には僕の行き先が皆目検討もつかないのですきっと僕も僕の中に帰りたいはずなんですただお互いに意固地なところがあって素直になれないところ
2023年2月16日 09:23
塞いだ傷口にナイフを突き立てるような君の瞳波の上を滑るように走るサーフィンのような君の唇少女の傘から落ちる雨粒の光のような君の指先ブランコで遊ぶ子どもの笑い声のような君の肌日焼け止めクリームを塗り忘れた真夏のような君の心針葉樹の枝先に残った雪ような君のスタイル春の訪れを予感させる桜のツボミような君の声遮るものもない永遠に続く一本道のような君の笑顔そして孤独を詠う詩人
2023年2月15日 15:48
酔っぱらって真っ赤になったフラミンゴ片足だけじゃ立ってられないフラミンゴ調子に乗って踊り始めたフラダンス酔いすぎフラミンゴのフラダンスフラフラ フラフラ フラミンゴフラフラ フラフラ フラダンス真っ赤なフラミンゴのフラダンスフラフラ フラフラ フラミンゴフラフラ フラフラ フラダンス
2023年2月11日 08:07
あなたは今日生まれ変わったあなたは過去をすべて捨て去っただから新しいあなたに一言「さあ、今日から第一歩を踏み出そう」あなたには戻るべき過去がないあなたにあるのは今と未来だけだから若いあなたに一言「さあ、今日から第一歩を踏み出そう」一歩踏み出すごとに新しい未来がやってくる一歩踏み出すごとに輝かしい未来がやってくるだから迷っているあなたに一言「さあ、今日から第一歩を踏み出そう
2023年2月1日 09:08
傷ついたふりをするのが得意な僕が傷つけるのが好きな君を好きになるのは当然の帰結だったけれど傷つくことが本当は嫌いな僕が傷つけてばかりの君を嫌いになるのは時間の問題だった傷ついた君のその悲しげな笑顔が傷つけた僕の心に傷をつけたのは仕返しのひとつの手段だったんだね傷つけあう二人の仕返し合戦が傷ついた二人を離れさせなくするなんて人生って本当に不思議なものだね