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水木三甫の心葉♡♧詩集

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心葉♡♧詩集では、心に感じたままを言葉に置き換えて表現した詩を掲載します。 まだまだ表現力不足で、うまく伝えられない未熟な僕ですが、進化していく姿を追いかけていただき、感想などを… もっと読む
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2023年2月の記事一覧

雨音は濁音の世界(詩)

雨音は濁音の世界(詩)

雨はアメンボウが降らすんだって
昔おばあちゃんが言ってたけれど
アメンボウのいない都会の真ん中で
激しい雨が降っている

トタン屋根に落ちる音
行き交う傘を叩く音
地面にじかにぶつかる音
音、音、音、
雨音は濁音の世界

濁音は胸を締めつける音
濁点が心に突き刺さる
だから僕は部屋の中で耳を塞いで
雨が止むのを待ち続ける
あるいはシャワーの音でごまかしてみる

君からの電話の音は聞こえないけれど

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桜を思う(詩)

桜を思う(詩)

春夏秋冬
四季は人生に似ている

春はまだ赤ちゃんの季節だ
だから成長も早い

昨日まではツボミだったその先っぽ
今朝見ると濃いピンク色が恥ずかしげに顔を出している
それが徐々に広がりはじめ
桜が花を咲かせる
ちょっと前まで茶色い枝だけだった桜の木枝に
淡い緑の葉をたくさんつけていく

季節の始まり
あっという間に過ぎていく若さの季節

やがて花は散るけれど
桜の木はさらに成長していく

もうすぐ

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がんじがらめ(貧乏人のあきらめ節)(詩)

がんじがらめ(貧乏人のあきらめ節)(詩)

一円玉を集めて弾丸を作ってみたって
黄金の鎧を貫くことはできない

勇気のない裏切り者を集めてみたって
ストライキは一日も続かない

選挙に行かないで抵抗してみたって
政治はそれを無視して進んでいく

貧富の差を解消しろと要求してみたって
金持ちは貧乏人からさらに搾取する

革命を起こさなければならないと気負ってみたって
ついてくるのは野良犬ばかりしかいない

世の中をあきらめて自分の中に閉じこも

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銀河鉄道の夜(詩)

銀河鉄道の夜(詩)

冷蔵庫の中に置き去られた心みたいな澄みきった夜に
僕は空へ向かって旅に出る

年代物になった空っぽの玉手箱を右手に抱えて
僕は一人ぼっちで銀河鉄道に乗る

虫たちが僕のまわりで合唱し
犬が月に向かって吠える夜に
僕は重力にさよならをして空を飛ぶ

翼の折れた紙飛行機を左のポケットに入れて
僕は星と星のあいだを自由に彷徨う

洗濯機に取り残された体みたいな干からびた夜に
僕は天国へ向かって旅に出る

尋ね人(詩)

尋ね人(詩)

誰か僕のいる場所を知りませんか

僕が僕の中から逃げ出してしまったんです

もともと僕とは相性が悪くて、いつも喧嘩ばかりしていたけれど

本当は僕を一番理解していた僕が僕の中から消えてしまったんです

僕を探すにはあまりにも僕は僕を知りすぎているから

僕には僕の行き先が皆目検討もつかないのです

きっと僕も僕の中に帰りたいはずなんです

ただお互いに意固地なところがあって

素直になれないところ

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君の魅力(詩)

塞いだ傷口にナイフを突き立てるような君の瞳

波の上を滑るように走るサーフィンのような君の唇

少女の傘から落ちる雨粒の光のような君の指先

ブランコで遊ぶ子どもの笑い声のような君の肌

日焼け止めクリームを塗り忘れた真夏のような君の心

針葉樹の枝先に残った雪ような君のスタイル

春の訪れを予感させる桜のツボミような君の声

遮るものもない永遠に続く一本道のような君の笑顔

そして孤独を詠う詩人

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フラミンゴがフラダンス(詩)

フラミンゴがフラダンス(詩)

酔っぱらって真っ赤になったフラミンゴ
片足だけじゃ立ってられないフラミンゴ

調子に乗って踊り始めたフラダンス

酔いすぎフラミンゴのフラダンス
フラフラ フラフラ フラミンゴ
フラフラ フラフラ フラダンス

真っ赤なフラミンゴのフラダンス
フラフラ フラフラ フラミンゴ
フラフラ フラフラ フラダンス

第一歩(詩)

第一歩(詩)

あなたは今日生まれ変わった
あなたは過去をすべて捨て去った
だから新しいあなたに一言
「さあ、今日から第一歩を踏み出そう」

あなたには戻るべき過去がない
あなたにあるのは今と未来だけ
だから若いあなたに一言
「さあ、今日から第一歩を踏み出そう」

一歩踏み出すごとに新しい未来がやってくる
一歩踏み出すごとに輝かしい未来がやってくる
だから迷っているあなたに一言
「さあ、今日から第一歩を踏み出そう

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傷ついた二人(詩)

傷ついた二人(詩)

傷ついたふりをするのが得意な僕が
傷つけるのが好きな君を好きになるのは
当然の帰結だったけれど

傷つくことが本当は嫌いな僕が
傷つけてばかりの君を嫌いになるのは
時間の問題だった

傷ついた君のその悲しげな笑顔が
傷つけた僕の心に傷をつけたのは
仕返しのひとつの手段だったんだね

傷つけあう二人の仕返し合戦が
傷ついた二人を離れさせなくするなんて
人生って本当に不思議なものだね