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「ケア」の持つ言語不明瞭さ、曖昧さ
「群像 8月号」より、「ケアの語られる土壌を耕す 編集者・白石正明に聞く」をhttps://gendai.media/articles/-/84942から読んだ。 非常に興味深いテキストで、医療福祉現…
読書会artes liberales(アルテス・リベラレス)参加にあたって
はじめに
読書会artes liberales(アルテス・リベラレス)、は本や読書を通して「人が繋がる」ことを目指す読書会(以下、当会)です。
気軽に、楽しく、対話することをモットーにしています。
課題本の提示はありますが、読了は参加の絶対条件にしていません。また、課題本に映像作品等がある場合はそちらを視聴しての参加でも歓迎しています。
新型コロナウイルスによって、人と人との繋がりが強制的に遮断さ
「中井久夫ゆる読会」について
みすず書房より刊行中の「中井久夫集」全11巻の読破を目指す読書会です。
月2回、19:30〜22:30で開催しております。現在参加メンバーは主催者含め3人から4人です。途中参加でも大歓迎です。
ツイートで告知の箇所から順番に任意の箇所まで読み、それぞれ感想や意見などを出し合いながら精読していきます(特に感想のない場合はそのまま続きを読んでいきます)。
実施形態:Zoomでのオンライン開催です。
「聞く技術 聞いてもらう技術」東畑開人
先日、2022年最後の読書会を終えました。課題本は東畑開人著「聞く技術 聞いてもらう技術」。
未だコロナウイルスによる人と人との距離感は、それ以前のようには戻っていません。そして今後も、かつての日常が戻ってくるのかは見通せません。人と人との関係性が大きく変わる中で、改めて「聞く技術 聞いてもらう技術」を手に取り、また読み合うことで新たな「繋がり」というものが生まれてくるのではないかと思い、選書しま
「孤独の科学 人はなぜ寂しくなるのか」ジョン・T・カシオポ/ウィリアム・パトリック
第15回の読書会は、「孤独の科学 人はなぜ寂しくなるのか」ジョン・T・カシオポ/ウィリアム・パトリックを取り上げました。
本書はヒトの進化の側面からなぜ孤独を感じるようになったのかに迫りながら、孤独と人間の社会的側面へと目を向けています。典型的なのは、人間において他者は向けられる利他的行為でこのような行為は他の生物ではあまり見られません。これは人が集団として生き延びて行く上で進化する過程で得たもの
「現代思想 加害者を考える 2022.7vol.50-9より」
10月の読書会では、「現代思想 加害者を考える 2022.7vol.50-9」を取り上げました。
加害者臨床、修復的司法という重いテーマではありましたが、本会最多の参加者で開催することができ、この分野への関心の高さが伺えました。
主な感想としては、加害がどうなることが被害者にとって「救われる」ということなのか。一方で、加害者臨床という形で加害者はスポットが当たれば当たるほど、被害者にとっては辛いこ
素人性を持つということ
社会の近代化の指標の一つには、家庭内で行われていた諸々の行為がサービス化され、専門化されていることが挙げられる。代表的なのは、子育て、教育、介護であろうと思う。この三者は保育、学校教育、社会福祉の領域でそれぞれ専門家が担い、サービス化されている。
とはいえ、元は家庭内で行われていたものであり、その主たる担い手は女性であった。主たる担い手が女性であることの文脈は他に譲るとして、これらを担う人々に向け
無意識の叫び〜フロイト「日常生活の精神病理」
昨日、第13回の読書会を終えることができました。課題本はフロイト著の「日常生活の精神病理」。岩波文庫からの新訳で、フロイトには学生時代から著作をいくつか読んできただけあって親しみがあり、岩波からの出版ということもあり課題本に選びました。
本作は、言い間違いや度忘れなど日常生活における些細な、主として言語行動についての精神分析であり、そこにはフロイト理論の中核的存在ともいえる「抑圧」が影響していると
「ケア」の持つ言語不明瞭さ、曖昧さ
「群像 8月号」より、「ケアの語られる土壌を耕す 編集者・白石正明に聞く」をhttps://gendai.media/articles/-/84942から読んだ。
非常に興味深いテキストで、医療福祉現場における「言葉のできなさの逆説」というものをよく捉えていると感じた。
「ケア」という言葉の定義を「『脆弱な状態にある他者』を身体的、精神的に世話する営み」とし、以下に白石の言が続いてゆくわけだが、医
元首相銃撃と、その反応について思うこと
1週間ほど前に、大変なことが起きた。それは安倍元首相が銃撃され、死亡した事件だ。この出来事のショックさとは、死亡したのが元首相で現役の衆議院議員であることもそうだが、なによりも「銃撃」という、およそ日本では考えられない(と思われている)手法によるものが大きい。そして、銃器はどうやら手製であり銃撃事件が後を絶たないアメリカメディアですら、「こんなものをどうやって規制すれば良いというの」と報道するほど
もっとみるそれはハッピーエンドか?パトリシア・ハイスミス「キャロル」
過日、第10回の読書会を行った。今回は初めての小説である。パトリシア・ハイスミスの「キャロル」。何年か前に映画化された話題作の原作である。
あらすじはクリスマスイヴに主人公のテレーズがおもちゃ売り場で離婚問題を抱えたキャロルに出会うところから始まる。テレーズ自身には男性の恋人がいるが、キャロルに惹かれていく自分を止めることはできない。キャロルもまたテレーズに惹かれていき、2人は恋愛関係に陥るが、キ
学問における調和と統合性
先日、「科学・技術と社会倫理」をテキストに読書会を行った。この読書会は、「日本の最終講義」を課題本として取り上げる企画のプレ企画としてのものだ。
ここ最近考えているのは、社会の中にある問題は極めて多層的かつ複雑な様相を呈している。その中では、専門化、細分化された学問体系や知識体系ではそれらを本当に捉えることはできないのではないか?ということだ。
例えば、理系や文系という学問の区分けは一般的に行われ