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散文集:「虚(うつろ)」

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人は満たされない器、虚ろな器をどこかに持っていると思う。それらをテーマにした散文集。
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記事一覧

終曲:明るいもの

私は根っから陰気でニヒリスティックな人間だ。陽だまりのただ中にあって、それを暖かい眩しい…

三津凛
3年前
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3.「路傍の人」

石鹸水の流れる路傍で、濁ったしゃぼんが漂っている。昨夜の残り湯が排水からそのまま流れてく…

三津凛
3年前
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2.「腐肉」

腹(はらわた)の腐り堕ちる音が、体内からした。内臓がとぐろを巻いて、大皿のように広がった骨…

三津凛
3年前
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1.「屠殺」

つり革に吊り下がっているのは、身体だけじゃない。 1日分の労働と疲労。ひしめき合う人波の…

三津凛
3年前
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序文/目次

序文: 人と人との間には、形容しがたいものが漂っている。それは時として好意であり嫌悪であり…

三津凛
3年前
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