見出し画像

大学受験地理(EUとNATO)

今回はEUやNATOなどについて学びます。

ニュースでしばしば、ある国がEU加盟申請したとか、ある国がNATO加盟申請したとかを耳にしたことがあると思います。EUは経済や通貨の統合を目指した組織で、NATOは安全保障を目的した組織です。

多くの国がどちらにも参加していてなかなか覚えにくいですよね。でもしっかり理解して覚えておかないと、ヨーロッパのことを正確に理解できないばかりか、国際政治経済のニュースを聞いたり読んだりしてもよくわからないかと思います。今回しっかり確認しておきましょうね。

EUとユーロとNATO、そして旧ソ連とワルシャワ条約機構を俯瞰することで、ヨーロッパの全体像が見えてきます。地図でもしっかり確認しておきましょう。

*大学受験生のみなさんぜひこの記事を仲間と共有してたのしく早覚え競争をしましょう。そうすれば知らず知らずのうちに地理が得意になりますよ。
*大学受験生のみなさんもスキとフォローをお願いしますね。コメントも歓迎しますよ。この記事に加筆して充実させたり、次の記事を書く参考にいたします。

1.EU(27ヶ国)とユーロ(20ヶ国)

EU本部:ブリュッセル
EU設立:1993年

*太字はNATO参加国。
*20ヶ国がユーロを、7ヶ国がユーロ以外の通貨を採用。
*カッコ内はユーロ以外の通貨を採用している国の通貨名。

スペイン
イタリア
フランス

ドイツ

アイルランド

ギリシャ

オランダ
ベルギー
ルクセンブルグ

エストニア       
・・バルト3国の記事を参照
ラトビア            
・・バルト3国の記事を参照
リトアニア       
・・バルト3国の記事を参照

スロバキア       
・・ベネルクスと東欧の記事を参照
スロベニア  
・・旧ユーゴスラビアの記事を参照
キプロス

クロアチア  ・・旧ユーゴスラビアの記事を参照
マルタ

オーストリア
ポルトガル
フィンランド

ポーランド  (ズロチ)
・・東欧の記事を参照
チェコ    (コルナ)
・・東欧の記事を参照
スウェーデン (スウェーデン・クローナ)
ハンガリー  (フォリント)
・東欧の記事を参照
ルーマニア  (レウ)
・・東欧の記事を参照
ブルガリア  (レフ)
・・東欧の記事を参照
デンマーク  (デンマーク・クローネ)

スイフドアギリオベルエラリススキクマオーポトフポチスワルブルガリアデ

スイフ ドア ギリ オベル エラリ ススキ クマ オーポトフ ポチスハル ブルガリア デ

水夫(の)ドア(くんが)ギリ覚えるエラリ、すすき、熊、(覚えた褒美に)お~ポトフ、(その横で)ポチ座るブルが嫌で

<EUには入っていないがユーロを協定により正式に使用している国々>
アンドラ公国(ピレネー山脈、人口約8万人)
サンマリノ(イタリア半島、人口約4万人)
バチカン市国(人口約500人)
モナコ公国(人口約4万人)

<EUには入っていないがユーロを勝手に使用しているとされる国々>
モンテネグロ(人口約65万人)
コソボ(人口約170万人)

アサバモ モコ
アサバ モモコ

ユーロを使う、アサバモモコ(浅葉桃子)さん

そんな名前の人、いましたっけ?

ここまでは平和感が漂っていますが、次から少しずつきな臭くなります。

2.NATO(32ヶ国)

NATO本部:ブリュッセル
設立:1949年

第二次大戦後の冷戦の始まりにより、旧ソ連の軍事力拡大に対抗する必要性が高まり、アメリカやカナダといった北米諸国と、イギリスやフランスなどの西ヨーロッパ諸国によって結成されました。

当初は12ヶ国でしたが、その後の旧ソ連崩壊前に4ヶ国が加わります。このうちトルコだけがヨーロッパの国ではありませんでした。トルコは旧ソ連諸国と地理的に南接していたため、ギリシャとともに南の守りを期待されたと考えられています。

<1949年発足時>12ヶ国
アメリカ
カナダ
イギリス

アイスランド

フランス
イタリア

ポルトガル

オランダ
ベルギー
ルクセンブルグ
デンマーク
ノルウェー

アカイ アイス フイ ポル オベルデノ

赤いアイスふい、ポール覚えるでの~

赤いアイスをふいにされて、ポールは覚える(忘れない)からな〜

<ソ連崩壊前>追加4ヶ国
ギリシャ(1952)
トルコ(1952)

ドイツ(西ドイツ、1955)
スペイン(1982)

ギト、ドス

ぎとっとしたドス(短刀)

血に染まり、ぎとぎとになったドス

<ソ連崩壊後>追加16ヶ国

旧ソ連崩壊後(1991)しばらくして東欧諸国が雪崩のごとくNATOに加わります。また2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻を受けて、フィンランドとスウェーデンが加わります。スウェーデンは永世中立を続けるのではなくNATOに加わることを選びました。

ポーランドやチェコやスロバキアやルーマニアやブルガリアといった東欧諸国や、エストニアやラトビアやリトアニアといったバルト諸国がNATOに加わったことで、ロシアは西ヨーロッパに対する緩衝地帯を失ったばかりか、NATO諸国の軍隊や基地が国境すぐ近くまで迫るという状況になりました。これに加えて、もしベラルーシとウクライナを失えばロシアは西で単独かつ直接にNATO軍と対峙しなければならなくなるという悪夢に苛まれたかもしれません。ウクライナにおける民主化の動きに呼応するかのように、2014年のクリミア侵攻とドンバス地域での親ロシア勢力への軍事支援の本格化、そして2022年のウクライナ侵攻へと突き進んでいきます。

太字は旧ワルシャワ条約機構参加国
*カッコ内は参加年

ポーランド(1999)
チェコ(1999)
スロバキア(2004)

ハンガリー(1999)
ルーマニア(2004)
ブルガリア(2004)

アルバニア(2009)
スロベニア(2004)・・旧ユーゴスラビア

エストニア(2004)
ラトビア(2004)
リトアニア(2004)

クロアチア(2009)・・旧ユーゴスラビア
モンテネグロ(2017)・・旧ユーゴスラビア
北マケドニア(2020)・・旧ユーゴスラビア
フィンランド(2023)
スウェーデン(2024)

ポチスハルブルガリア アスエラリ クモ北フス

ぽち座るブルが嫌、明日(は)エラリ、(先に)蜘蛛来た(ので)伏す

ブルドッグが嫌でポチは座り込むが、明日はエラリ(バルト諸国)に行かなけれならない。その前に蜘蛛が現れ、ポチは怖がって地面に伏せる。

*旧ユーゴスラビアのうち、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、コソボはNATOに入っていない。

3.ワルシャワ条約機構(1955~1991)

本部:モスクワ
設立:1955年
解散:1991年

西ドイツの再軍備とNATOへの加盟に対抗するために結成されたのが、旧ソ連と旧ソ連衛星国によるワルシャワ条約機構です。NATO結成が1949年で、西ドイツの再軍備が1995年ですから、ワルシャワ条約機構諸国側からすれば、そもそも軍事的な脅威を先に与えたのはNATO側だったと考えたかもしれません。

*太字は現在NATOに入っている国々。

ソビエト連邦(注)
ブルガリア
ルーマニア
ドイツ(東ドイツ、1990年にワ機構離脱)
ハンガリー
ポーランド
チェコスロバキア

アルバニア(1968年離脱)
モンゴル(オブザーバー参加)
北朝鮮(オブザーバー参加)

ソビエト ブル ル ドイツ ハ ポ チ アルバ モ 北

ソビエトブルルル、ドイツハポチ、アルバモキタ

ソビエト(が)ブルル(と電話したら)、ドイツはポチ(のように従順になり)、アルバニアも(すぐに)来た(参上した)。

ソビエト連邦がよほど怖かったのでしょうね。

注)ロシア、ウクライナ、べラルーシ、グルジア(ジョージア)、アゼルバイジャン、アルメニア、カザフ、ウズベク、トルクメン、キルギス、タジク、モルダヴィア、エストニア、ラトビア、リトアニア

旧ユーゴスラビアは東欧ですが旧ワルシャワ条約機構には参加していませんでした。中央アジア5か国とモルドバは当時の国名で表示しています。

4.CIS(独立国家共同体)9ヶ国

本部:ミンスク
設立:1991年

ロシア
モルドバ
アゼルバイジャン
アルメニア
ベラルーシ
カザフスタン
ウズベキスタン
キルギス
タジキスタン

ロシア モ ア アル ベ カ ウ キ タ

ロシアモアアルベ、カウキタ

ロシア(に)もあ~るべ、買う!来た!(通販)

旧ソ連構成国12ヶ国でスタートしたが、トルクメニスタンは加盟条約は批准したものの憲章を批准せず準加盟国となりました。ジョージアとウクライナは現在は脱退しています。
モルドバは親ロシア派勢力が実効支配する沿ドニエステル地方問題を抱え、2023年にEU加盟申請をしたことで動向が注目されています。憲法には中立路線が明記されています。

*誤りや不正確な箇所がありましたらお知らせください。


完全公開では書けない内容となっています。お取り扱いにご注意をお願いします。