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#私の仕事
展示室を独り掃除する。2020年、仕事納め。
年明け1月5日開幕の企画展「器と絵筆―魯山人、ルソー、ボーシャンほか」、12月26日に展示が仕上がった。
12月27日、年内最後の出勤日は会場撮影。カメラマンが到着し、会場の扉を開けてから気づく。
・・・仕上がってない。
掃除が。できてない。
展示作業終了の翌日に内覧会&開幕、という通常パターンだと、清掃チームがオープンの朝から念入りに会場を掃除してくれる。が、今回はコロナ非常時パターンな
明日には看板が出る。「器と絵筆」展。
そして首肩ゴリゴリ眼しょぼしょぼの私。頼まれてもいない宿題をさっきやっと終えたのだ。展覧会場に出す解説、素朴派のパート、800字×3本。
ひとつは章解説で、前回の投稿で「書けない」とぶつぶつ呟いたやつだ。あのあと1週間かかってクリア。
目を通した古株の広報担当者、「なんか、今までにない感じの素朴派解説だよね。プレスリリース読んだときは、もっと”ふつう”になるのかと思ってた」。
いやぜんぜん”
今頃ポスターの色校正。額縁をちょっとだけカスタマイズ。解説がいまだに書けない。
しかしもう12月。担当する「器と絵筆ー魯山人、ルソー、ボーシャンほか」展の開幕まであと1ヶ月ちょっと、の、つらつら徒然メモ。
広報印刷物が、諸事情で遅れている。納品は12月なかば。年内に郵送しても封を開けてもらえるのは年明けか。まあいいよ、しょうがない。それにしても、コロナ前から思ってたけど、ポスターとかチラシというブツは、今後いつまで世の中に流通し続けるだろう?いつかなくなる日が来るのではない
「器と絵筆ー魯山人、ルソー、ボーシャンほか」展のプレスリリースがかたちになってきた。
ここに至るまでのあれやこれやを今一度。
この年明けの企画を私が担当するのは「非常時」だからである。自分の元々の企画が無期延期になり、他の学芸スタッフは忙しく、冬に暇っぽいのがたまたま私だった。守備範囲でできる写真展を提案したが却下され、魯山人と素朴派を出すようにという上からの指示。工芸の展覧会はやったことがないし、素朴派にまつわるフランス語の文献も読めない。でもなんとかするしかない。担当の決め方
「お客様をもっと信頼していいと思うんです。ルールで縛るより、学芸員さんの考え方を伝えるほうが、この美術館らしい姿かと」
生意気な言い方になりますけど、と監視スタッフのチーフが、力強くそう言い切った。ハッとして、じわーとなった。年明けオープンの担当展「器と絵筆―魯山人、ルソー、ボーシャンほか」の仮図面を手に相談しに行ったときのこと。展示室内の写真撮影、という懸案についてだ。とても大事なことがてんこ盛りなので、いつも以上にていねいに書いておく。
展示室での撮影どうする?ここ5年ほどのあいだに、信じられない勢いで「美術
紙に手描き、が好き。展覧会の平面図も手描き。
輪郭だけの白い展示室図面に、まず仮設壁だけを描き込む。そのあと、その白い紙をじっと見る。もゃ、と目の奥で何かが動くまで。
現場をうろつくのも好きだ(そうしないとまるで進まない)。目の奥のもゃ、は頭の奥から出てくるというより、実際に展示室をうろうろした自分のからだの奥からたちのぼる。うろうろは2、3週間ほど続ける。作品ではなく虚空を凝視している変人状態。そしてどこかのタイミングで、まる一日かけて図