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#彼女
【読切小説】ガラスのPALM TREE
「もう…あたし達はダメなのかな…」
知子が助手席でそう呟いた。
「俺は…知子次第だと思ってる」
「もうっ、正志君のバカッ…」
夜の首都高の大黒パーキングエリアに停めた車の中で、俺達は最後かもしれない話し合いをしていた。
2人の中がギクシャクし出したのはいつだろう。
夏に海で出会った頃には、互いが互いを必要としていた。
必然的に俺達は惹かれ合い、どちらからともなく告白し合い、付き合うよ
【短期集中連載小説】保護者の兄とブラコン妹(第10回)
<前回はコチラ>
28平成2年、2月。
俺はバレンタインデーに軽音楽サークルの後輩、サキちゃんからチョコをもらう約束をし、つい浮かれていたことで、妹の由美からドン引きの不審な目で見られてしまい、若干兄と妹としての関係がグラついてしまった。
それ以来、俺は徹頭徹尾アパートでは無表情、無感情を貫くようにしていた。
これまで高校のバレー部時代、1つ年上の女子の先輩と付き合ったことはあるが、学年違い