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地方起業で自治体をパートナーにする方法

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2020年9月の記事一覧

地方に住み、自治体と働くということ⑩ ~BtoGビジネスの特徴

地方に住み、自治体と働くということ⑩ ~BtoGビジネスの特徴

前回の記事で「稼ぎのモデル」の大切さをお伝えしましたが、行政を相手にする場合は普通のビジネスと勝手が違うことが多いので、そのあたりを少し詳しく説明したいと思います。

BtoB/BtoCビジネスとの違い行政を相手にするビジネス(BtoG)の最大の特徴は、「行政サービスは独占マーケット」であり、「対価が税金で支払われ」、「多くのプロセスが法律によって厳格にルール化されている」ことです。このため、もし

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地方に住み、自治体と働くということ⑧ ~「前向きな利己主義」の大切さ

地方に住み、自治体と働くということ⑧ ~「前向きな利己主義」の大切さ

地方の担い手が足りないという話を耳にします。また、人口増加のため子育て世代を誘致して人口増加を実現した地方都市もあります。

でも、実は地方から都市への人口流出は10~20代女性が最も多いって、知ってました?地方都市の女性蔑視的な風習、女性が希望する就労場所の少なさなどが相まって、仕事を選ぶタイミングで都市に流出するようです。

そのような問題を直視せず、カンフル剤的に子育て世代を誘致しても、そこ

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地方に住み、自治体と働くということ⑦ ~そのクラウドファンディング、必要ですか?(3)

地方に住み、自治体と働くということ⑦ ~そのクラウドファンディング、必要ですか?(3)

前回までで見た通り、クラウドファンディングの世界はまさに群雄割拠。M&Aを繰り返しながら、それぞれのサイトが独自色を打ち出し、個人や中小企業の新たなチャレンジに資金を提供しています。

この波に乗らない手はない!
さっそく申し込んでみるか!!

・・と前のめりになる前に、少し深呼吸を。

あなたの事業に、必ずしもクラウドファンディングがマッチしているとは限りません。その理由を、以下で見ていきましょ

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地方に住み、自治体と働くということ④ ~自治体の担当部署に提案する

地方に住み、自治体と働くということ④ ~自治体の担当部署に提案する

自治体と仕事をするって、ハードル高いですよね。そもそも、どうやって自治体職員にコンタクトを取ればいいの?拒否されない?怪しまれない??怖いよ!!・・・という声が聞こえてきそうです。

実は地方都市に住んでいたら、自治体職員の方と知り合う機会はたくさんあります。地域活動などに参加して自治体職員の方とのネットワークを作ったうえで、自分ができること、自治体と一緒にやりたいことを小出しに提案していく、とい

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地方に住み、自治体と働くということ③ ~個人への発注事例をご紹介

地方に住み、自治体と働くということ③ ~個人への発注事例をご紹介

では実際、どんな業務が自治体から個人に発注されているのでしょうか。

NJSSという落札情報サービスによると、落札者が「個人」となっている案件は5万件近く。その中でも、私が見ていて面白い、個人起業の可能性がある、と感じたものをいくつか紹介してきますね。

金額の多い・少ないはありますが、具体的なイメージを持っていただきやすいよう、2019~2020年に個人が業務を受託した案件のなかから、「能力や資

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地方に住み、自治体と働くということ② ~パイの奪い合いではなく、パイそのものを増やす

地方に住み、自治体と働くということ② ~パイの奪い合いではなく、パイそのものを増やす

前回、少し大風呂敷を広げてしまいましたが、まずは自分が書けることを少しずつ出していきます。そこで今回は、自治体からどんな仕事が発注されているかを知るために、自治体の業務委託のくくりをお伝えします。

業務発注のくくり業務の種類は主に、時間とノウハウを提供する「業務」、完成品を納入する「物品」、完成品の製作を請け負う「請負」の3つに分かれます。

身近な例を挙げてみますね。これらの区分は自治体によっ

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地方に住み、自治体と働くということ① ~地方移住×起業×行政営業の組合せ

地方に住み、自治体と働くということ① ~地方移住×起業×行政営業の組合せ

都会を離れて地方に移住する方が増えています。理由は様々で、「コロナ禍で3密を避けるため」、はたまた「リモートワークが通常運転となったので」など人それぞれ。

地方では衣食住にかけるコストが都会と比べて相対的に安いから、収入が多少減っても問題ないという声を聴く一方、そもそも地方には仕事がないのでどうやって収入を得ていいか分からず不安、今一つ踏み出す勇気がない、という意見もあるようです。

でも、ちょ

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市民がお客様意識を捨て、自治体のパートナーになるために

市民がお客様意識を捨て、自治体のパートナーになるために

財政がひっ迫し、税収や利用料金ではコストを賄えない公共事業では、値上げが行われることがあります。それに対して「行政の仕事のやり方が非効率」「利用者に転嫁する前にコストを見直せ」という批判の声が上がりますよね。私、これ、いつも違和感を感じているんです。

今日はこの違和感について、少し考えてみたいと思います。

行政サービスのコストを削る、ということそもそも行政サービスは、収入よりも費用の方が多いも

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自治体への電話アポ取りで押さえるべき3つのポイント

自治体への電話アポ取りで押さえるべき3つのポイント

過去の記事で何度か、「報道を見て直接電話をかけてみては?」と書いてきましたが、見ず知らずの相手に対して電話でのアポ取りは、とても勇気がいりますよね。そこで、今日は、電話でアポ取りする前に、押さえておくべき3つのポイントをお伝えします。

1.自治体の問題意識をしっかりと理解する
記事の中で「〇〇計画を策定」「〇〇調査を実施」などと書いてあったら、真っ先に、その計画書や調査報告書をWEBで探し、熟読

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ガバメントクラウドファンディング活用のススメ

ガバメントクラウドファンディング活用のススメ

ガバメントクラウドファンディングって、ご存じですか?

ふるさと納税の仕組みを活用し、寄付金がすべて社会課題の解決に活用されるという、自治体版クラウドファンディングです。

面白いのが、この寄付金の行方は必ずしも「自治体」だけではなく、地域のNPOや事業者も対象になるという点。有名なところだと、犬猫の殺処分をゼロにするためのNPO活動に寄付したり、地域の子ども食堂の開設、NPOが行うコワーキングス

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地方に住み、自治体と働くということ⑤ ~そのクラウドファンディング、必要ですか?(1)

地方に住み、自治体と働くということ⑤ ~そのクラウドファンディング、必要ですか?(1)

起業を考える際に、最初のお金をどのように確保しますか?

まだ収益化のめどが立たず、事業開発の段階なのだとすると返済が必要な「融資」はちょっと怖いですよね。

そんな中、近年はクラウドファンディングのサービスが各社から目白押しです。

クラウドファンディングとは、多数の個人(クラウド)から少額の資金を集める(ファンディング)資金調達の新しい方法で、古くは2011年に始まったReadyforをはじめ

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