あなたを好きになった、二十歳の五月。 思えばわたしの人生はあの時から漸く始まった。 それまでのわたしは身体だけ同じ、 記憶が引き継がれるだけの別のひと。 いのちの…
わたし、あなたが居なくなったら死ぬの。 そうあなたに言ったら、｢そんな悲しいこと言わないでよ｣って、珍しく取り乱した。｢もう二度とそんなこと言っちゃだめ、死ぬなん…
女の子。 かわいいに執着するいきもの。甘いと思いきやほろ苦い。木苺色のリボンと、繊細なレース。ロリヰタ・ファッションのフリルの部分。ショートケーキの苺の部分。ホ…
♡⃛ ネタバレ無し ♡⃛ 既読/未読でもよめます 感想文のような、推薦文のような わたしがほんとうにすきですきで堪らない作品なので愛を込めて語りました。と言いつつ、…
去年に書いた、どれよりもお気に入りで 大切な文章。 人生の指針。 ・ 今から書くことは一般的に随想と呼ばれるものだけれど、私はまるで小説のように書きたいと思う。 …
夏の夜なので 涼しげに、語ろうと思う。 ｢ 美しいものに心を揺さぶられた時 ｣ について。 ・ ☽⋰ ・ 例えば去年、この作品を中之島美術館で見た時。 栓がひとたび弾…
雨降る喫茶店で、貴方と話し合った。 プリンの隣のアイス・クリームは解けて、ダージリンのお紅茶はひえてしまうほどに。しっかりと、時間をかけて。 議題はすなわち、 愛…
今日は起きてすぐ身体の色んなところがすごくいたくて、こわれてしまいそうだと気づいた。 だからバイトを休んで、布団にくるまって、幼い生き方に還った。 恋人はこうい…
.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺ ⊹˚. 昔から、日常を綴っておくのがすきだった。 だって、忘れてしまうから。 隅にいたちょこっとのときめき、 複雑に解け合う…
星屑
2024年6月10日 04:43
あなたを好きになった、二十歳の五月。思えばわたしの人生はあの時から漸く始まった。それまでのわたしは身体だけ同じ、記憶が引き継がれるだけの別のひと。いのちのことをよく灯火にたとえるが、わたしという有機物がまさしく灯されて閃光を発し始めたのはあの瞬間────一歩。哲学部に、はじめて踏み入る。雨上がりと古本が混ざった甘くて不思議な匂い、つんと鼻をくすぐる。とても綺麗とは言えない
2024年7月19日 00:23
わたし、あなたが居なくなったら死ぬの。そうあなたに言ったら、｢そんな悲しいこと言わないでよ｣って、珍しく取り乱した。｢もう二度とそんなこと言っちゃだめ、死ぬなんて言わないで、僕はどこにも行かないから｣｢うん、じゃあ死なない！｣彼を安心させるために、過度に明るく言い放った。でも、彼はたぶんこの言葉の真意に気づいてない。わたしは、自殺するなんて言っていない。もしも恋人がいっしょにいてくれな
2024年7月14日 20:59
女の子。かわいいに執着するいきもの。甘いと思いきやほろ苦い。木苺色のリボンと、繊細なレース。ロリヰタ・ファッションのフリルの部分。ショートケーキの苺の部分。ホイップクリームにふんわりと抱かれて。｢わたしを食べて｣とこちらを見つめる。薔薇の棘でちくっと刺すと、どろどろ嫉妬が溢れてくる。「ごめんね、ごめんね。」ってぽろぽろ流れるのは、涙でもなんでもない、嘘で煮詰めたシロップ。夢は お人形さ
2024年7月10日 03:34
♡⃛ ネタバレ無し♡⃛ 既読/未読でもよめます 感想文のような、推薦文のようなわたしがほんとうにすきですきで堪らない作品なので愛を込めて語りました。と言いつつ、私語り多め。しょうがないです、ネタバレしちゃだめなので。美雪→｢ ひらいて ｣の主人公の恋敵のおんなのこ“あの娘”→わたしがいろいろな意味で嫉妬しているおんなのこ彼→わたしのこいびと𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃𓂃
2024年7月7日 20:51
去年に書いた、どれよりもお気に入りで大切な文章。 人生の指針。・今から書くことは一般的に随想と呼ばれるものだけれど、私はまるで小説のように書きたいと思う。私の人生は小説のようにロマンに満ち溢れていて、煌びやかで、ドラマチックだからだ。少なくとも、自分の中では。 そう、他人にとってはありふれたただの女学生の人生。小説のように高尚な物語だとは思わないだろう。ありふれているのに固有の美し
2024年7月7日 03:27
夏の夜なので涼しげに、語ろうと思う。｢ 美しいものに心を揺さぶられた時 ｣ について。・ ☽⋰ ・例えば去年、この作品を中之島美術館で見た時。栓がひとたび弾け飛んで、清らかな水で満ちていくように。感情という感情が、洪水を起こす。一瞬 一瞬だけだけれど、世界が、全て無に帰る。息が止まる。死んでしまいそうになる。そして刹那、無が有となる。酸素が飛び込んできて
2024年7月6日 01:52
雨降る喫茶店で、貴方と話し合った。プリンの隣のアイス・クリームは解けて、ダージリンのお紅茶はひえてしまうほどに。しっかりと、時間をかけて。議題はすなわち、愛するとはどういうことか。貴方とわたしの間にある「愛」とは何か。元はと言えば、喫茶店に入る前行った書店にフロムが置いてあったせいだ。モネの画集を購入してさっさと過ぎればよかったものを、その本の純白さは目を引く。わたしたちは小さな哲学
2024年6月19日 04:40
今日は起きてすぐ身体の色んなところがすごくいたくて、こわれてしまいそうだと気づいた。だからバイトを休んで、布団にくるまって、幼い生き方に還った。恋人はこういうとき、いつも世話を焼いてくれる。今日もお昼ご飯を作って家事をしてくれて、隣でお腹を摩ってくれて、薬局にお使いまで頼まれてくれた。あとはたいていわたしを横目で気遣いながら、自分の趣味や課題に取り組む。だけれど、今日は違った。いつも
2024年6月10日 04:04
.˚⊹⁺‧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈‧⁺ ⊹˚.昔から、日常を綴っておくのがすきだった。だって、忘れてしまうから。隅にいたちょこっとのときめき、複雑に解け合う空の色、微かに香る季節の匂い。そういうの全部、どこかに閉じ込めておきたいから。脳裏に残しておくとすぐにぱりんと割れてしまって思い出せなくなる硝子たち、全部ジュエリー・ボックスにしまっておくの。あなたといた日々を、
