記事一覧
実家に帰りたくない女
正月が苦手だ。
世間から、この日は家族と過ごさねばならぬ、という圧を感じるから。
友人たちは当たり前のように実家に帰る予定があるから誘えない。
まぁ結局一人が楽なのでいいのだけれど、SNSや街の空気などから醸される実家のあたたかさ系の空気。
それに馴染めない自分に、罪悪感を覚える。
突然のカミングアウトになるが、私はいわゆる宗教二世であった。
今年話題になった統一教会ではないが、両親が熱心な
自分と生きていけるのは自分だけ
自分の人生の選択をするのはいつだって自分で、それは他人の人生においても同じことだから、結局人は一人で生きていかなければいけないという思いがある。
私は幼い頃は親の支配下で自分で選択ができなかったから、大人になってからは結果がどうあれ「自分で決めた」ということを大事に感じている。その結果うまくいかなかったとしても、後悔しないことにしている。
大人になってから人生の選択に直面したとき、誰かに相談し
多様性を受け取れることとは干渉しないことか
ドラマ『いちばんすきな花』への共感が止まらない。
第6話、ゆくえと夜々が椿の家からの帰り道、バスの中で織りなす会話で、ドラマのメインテーマのひとつでもある男女の友情は成立するのか問題について触れられた。
椿の家で出くわした赤田との口論内容からもわかるように、ゆくえは男女の友情を否定されることを極端に嫌っている。
うーん、これに尽きる。
二人の間のこと。
でも、男女になると、赤田の妻のように、第
ノンセクシャルからアセクシャルになるのか?セクシャルの流動性について
ノンセクシャルを自認して、八年ほどが経つ。
ここ三年は、恋愛、片想いはもちろん、両想いというものに無縁だ。
ノンセクシャルを自認してすぐの頃は、人を恋愛的に好きになるということ、手が触れてドキドキ!みたいな、そういう感覚がまだあった。
ただ、年齢を重ねていくにつれて、その先にある体の関係がチラつくようになった。
そうすると、途端に気持ち悪くなる。
まだ先の、だけど確実に訪れるその瞬間を思うと、面
『いちばんすきな花』に見る、それぞれの生きづらさ
10月期ドラマ『いちばんすきな花』をご存知だろうか。
多部未華子、松下洸平を始めとした実力派人気俳優たちが織りなす、「ふたり」になれない人たちの物語だ。
脚本、生方美久。
昨年『silent』で一気に注目を集めた脚本家だ。
私が愛する脚本家坂元裕二を同様に尊敬しているとのことで、彼女の作る物語は非常に心に突き刺さる。
坂元裕二と生方美久の脚本に共通して感じる特徴は、言葉遊びの巧さと感情の表現の
他人にそんなに興味がない?
私は、人間関係は淡白な方だ。
友人関係は狭く深くという方で、積極的に交友関係を広げていこうと思うタイプじゃない。
毎日のようにLINEを交わすような友人はいない。私が返すのを忘れてしまうから。
スマホを見ていないわけではないので緊急の用件は即レスできる。
会う約束を決めるLINEも早い。営業のアポ取りみたいだねと言われたことがある。
ただ、着地点のないLINEのやりとりが苦手。
たぶんこれはノ
初めて同性を好きになった話②
私は当時社畜を極めており、残業上等でがむしゃらに働いていた。残業中にCさんから電話がかかってきて、飲んでるから来ない?と誘われ仕事を投げ出して飛んで行きたいと思ったことは一度や二度ではない。
私たちは付き合うことになった。
私はCさんが大好きだった。手を繋いで歩いたり、ハグやキスなどのスキンシップも、彼女となら楽しかった。
ただ、やはり性行為だけはうまくいかなかった。男性と違って妊娠のリスクはな
初めて同性を好きになった話①
昔話をしてみる。五年以上前の話だ。
特定を避けるため、ところどころフィクションを交えて書く。
私が彼女と出会ったのは、レズビアン向けのオフ会だった。
初心者歓迎でバイセクシャルでも参加可能だったそのオフ会に行こうと思ったのは、私がセックスできないのは相手が男性だからではないか?と考えたからだった。
思い返せば、それまでに女性のことを魅力的に感じたことがなかったわけでもない。
完ビの彼女は、自認
子どもはいて当たり前という考え
年齢的に、結婚し子どもを持つ友人知人が増えてきた。
独身の人でも、もし子どもができたら〜という想定で話す人も増えた。
私は、自分の子どもは絶対にほしくない。
これは私がノンセクであることは関係なくて、子どもを欲しいとそもそも思わないし、特に嫌いなわけではないが好きでもない。他人の子どもの写真を見せられたら可愛いと言わなきゃいけないのはしんどいし、満足に育ててあげられる自信もない。
でも、結婚し
恋愛したい自分としたくない自分。ノンセクの恋愛観
主に恋愛の先にある性的接触をしたくない私は、意識的に恋愛を避けて生きている。
そもそも付き合う=セックスするという方程式には疑問を投げかけたいが、そう思っている人が大多数な中で、できないと分かっていて付き合うのはなんだか不誠実な気がするし、好きな人から否定されるのも怖い。
とはいえ、事前に「私は性行為が苦手なんだけどその辺どうよ?」なんて確認する勇気もないし、それで冷められるような相手ならこっち
私を絶対に好きにならない人
ノンセクゆえからもしれないが、私は私を絶対に好きにならない人を好きになりがちだ。
特に異性と話していると、なんとなく相手の下心の有無が分かってくる。言葉選び、視線、距離感……そういう相手の一挙手一投足から、この人は私をそういう対象には見ていないなと感じると、私は勝手に安心してしまう。
例えば、友達というより仲間である大学の同期。二人で飲んでも絶対変な雰囲気にならない友人。
そのまま良い友愛、信頼
「好きならできるよね?」の呪い③
時は流れ、彼が大学を卒業する日が来た。
その頃には二人で会うこともなくなり、私の未練も薄れていた。ただ、ほかの誰かを好きになるということもなかった。
彼が卒業し、一年が過ぎ、私も卒業を迎えた。
当時、新卒の私は二十二歳。
このときには、私は「ノンセクシャル」という概念にたどり着いていた。
友人の恋愛を見聞きしたり、私自身が彼との経験を経てネットで調べて見つけた言葉だった。
恋愛感情は持つが、性的
「好きならできるよね?」の呪い②
私は初めての恋人と、決して順調とは言えないお付き合いを続けていた。
彼は変わらず私を駅まで送ってくれたし、一緒に映画を見たり、おいしいラーメンを食べに行ったり、デートを重ね、楽しい時間もたくさん過ごした。
部屋の合鍵ももらった。
はたから見れば私たちは、なんの問題もないカップルだったと思う。
けれどなんとなくお互いに旅行の日の夜のことは触れないまま、月日は過ぎていった。
ある日、部屋で一緒に過ご