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[お店の仕組み編]ハサップって、なんだ?

あ、そういえば、
この国の食品衛生は、
NASAレベルに達しました。

おはようございます!
見習いパティシエ真白けいです!
今よりもっとお菓子屋さんへ行くのが楽しくなる!そんな知識をあなたと一緒に学んでいきます!
読んでくださった方は、ボクのやる気スイッチ、スキを押していただけるととっっても嬉しいです!遠慮なくお願いします!

今回のテーマは、HACCP です!
ハサップ
と読みます。
お菓子の名前では、ありません!
なにかというと、食品の安全性を守る考え方とか仕組みみたいなモンです。

なんだよ真白、急に俺たちの興味ないとこ攻め始めたな、って思わないで…!

そもそも取り上げようと思ったのは、ボクのシェフが少し気になることを仰っていて、ボクもそれに関して色々と思うところがあったわけさ。
それは後でゆっくりお話しするので、その前提として、
飲食業界の新しい常識、HACCPの話、聞いてっておくんなまし。

HACCPって、なんだ?

飲食店関係の方にとってはちょっと前にホットなワードでした。なぜなら、

2021年6月 HACCP義務化

つまり、もう始まっていて、全ての飲食店が取り入れている(はずの)ものなのです。

なんと!もう始まっていました…!

正確には、そういう法律の改正から1年と少しの猶予があり、始まったというわけです。
…とはいえ、きっと多くのお店が直前になってバタバタしたことでしょう…。

さて、さっきから始まってる始まってるって、いったいぜんたい何が始まってるんだい!ってさっきから辛抱強く聴いてくださってるあなたのために、
ささっとHACCPというものについて話していきます!

まずは、この”H””A””C””C””P”という文字の羅列。UNIQLOみたいでカッコいいだろ!ってわけではもちろん無くてですね、英語の意味があります。

HACCP
||

Hazard Analysis and
 Critical Control Point

はざーどあなりしすあんどくりてぃかるこんとろーるぽいんと
……でございます。
英語むずかしー。難しいよー。
日本語に直訳すると、

HACCP
||
危害分析重要管理点

ぎゃーっ!!日本語にしたらもっとわからないパターンのやつだ!!
一旦名前はこのまま置いておきましょう。

仕組みについては、諸々準備段階はありますが、メインどころをざっくり言っちゃいます。

材料の受け入れから提供まで全部の工程を書き出す(ex. クレーム・パティシエールを炊く)

それぞれの工程で起こるかもしれない危険を洗い出す(ex. 加熱不足で食中毒菌が生き残る)

それぞれの危険を取り除く方法を書き出す(ex. 中心温度70℃1分間以上の加熱)

その対策を確認する方法を書き出す(ex. 中心温度計、タイマーでの計測)

全部の工程の中で特に重要な危険と対策を3つほど決める

図に表す

現場で作業しながら、毎回決めた確認方法で安全を確認して記録する

こういうことです…!
そう!名前の通り、危害分析して重要管理ポイントを決めるってことなんです!

クレーム・パティシエールってなんじゃいって方はこちらで話しておりますので、ぜひ!

HACCPの凄さ

じゃあ一体何がすごくて何が新しいのかというと、これ、
全ての商品の安全性が保たれるってことなんです!!

当たり前じゃん!今までそうじゃなかったの?
って思いますか?

今までの方式では、抜き取りチェックの最終確認に重きを置いていました。
でもそれだと、チェックの目をすり抜けるかもしれない。見えないところに潜んでいるかもしれない。

対してHACCP。さっきの流れを見てください!作る工程を全部確認して記録しています。
だから安心、という理屈です。

このしつこいくらいの確認と記録の方式は、もともとNASAで生まれたそうです。
そう、宇宙食です。
なにがあっても安全でなければならない、宇宙探査のために考案された方法なんです。

そしてだんだんと宇宙食作り以外にもその方法が使われるようになり、
日本でも義務化される前から導入していた工場や企業もありましたが、
ついにこの6月に日本で完全義務化と相成ったわけでございます。

実際どうだろう

たださ、ライン作業とかさ、大きな工場とかさ、同じものをずっと作ってたり、全てそれぞれの人に作業が分担されてるようなとこは導入しやすいけど、
少人数で小さいお店でやってるとこは、なかなかに手間がかかって大変なわけです。

例えるなら、漫才をやってる最中に、
ひとつのくだりごとにコンプライアンスを確認して、
オッケーかダメか紙に記録して、ダメだったら対処として訂正挟んだりして、
次のくだりを話し始める、みたいなことです。

テンポ、悪いですよね。

でも義務だからやらなきゃならない。

そういったことを踏まえて、さあ、お待たせしました。ボクのシェフのぼやきです。

師曰く、そんなもんはHACCPなんかなくたって一人一人が意識持って本当は確認しなきゃいけないことばっかりのはずだ、と。

師曰く、それが当たり前にできてないからこうやって正直いえばめんどくさい方法を取ってまで国から強制されるわけだ、と。

師曰く、悔しいと思わない?信頼されてないんだよ。もっと誇りを持てるように仕事をしてください、と。

まあもしかしたら最後の部分は少しズレた方向に話が進んだかもしれませんが、仰っていることは大変わかります。

ボクはこう、影響されやすいタイプなので、ああ、そうだ、悔しいなって思っちゃいました。

だって、これってもしかしたら、食品衛生に関する制度の話だけじゃないかもしれない。
なにか強制される最低限のラインがあったとして、別にそこにべったり合わせて甘んじてる必要はなくて、もっとできる方法を探す、もっとできるように意識を持つってだけでも違うのかなって思いました。

今回でも前からHACCPを導入してた企業は、他がバタバタしてる中、そのまま通常運転しててよかったわけだし。

と、そんな話をしたかったので、長々とHACCPの説明と前置きをさせていただきました。
お付き合いいただき、ありがとうございます。

結局、HACCPって、

もはや当たり前になった食品衛生管理手法でした。
まだ導入してないお店の方は、是非ともお急ぎください。法律に触れてしまわぬ様に。
あ、食べ専の方は、純粋に喜んでください!
日本の食の安全性はまた一つ上がりました。

ということで今回は以上です!

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参考文献
製菓衛生師全書、日本菓子教育センター、2019
宇宙からやってきた!?ハサップ(HACCP)知ってる?、ニッスイ、閲覧日2021-7-28、https://www.nissui.co.jp/nissui_like/safety002.html

※この記事は上記の参考文献をふまえわかりやすくイメージを交えて執筆したものです。細かいニュアンスは異なっている場合があります。また、新たな事実を勉強し次第追記・編集する場合があります。ご了承ください。

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