近藤 真弥

ポップ・カルチャーが大好きなフリーライター/編集。批評スタイルは「媚びずに是々非々」。…

近藤 真弥

ポップ・カルチャーが大好きなフリーライター/編集。批評スタイルは「媚びずに是々非々」。主な仕事のまとめ : https://note.com/masayakondo/n/nef3cd10eff2b 連絡先 : acidhouse19880727@gmail.com

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    音楽作品のレヴューです

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    音楽作品のレヴューです

記事一覧

ミュージック・マガジン2024年9月号にFat Dogのインタヴュー記事、James Blake & Lil Yachty『Bad Cameo』評を寄稿しました。ぜひとも。https://musicmagazine.stores.jp/items/66b470894dcf6e0034e5e1dd

近藤 真弥
1か月前
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変わらないことを尊ぶ美しい夢 Red Velvet「Cosmic」

 韓国の5人組グループ、レッド・ヴェルヴェットが今年6月にリリースした最新EP「Cosmic」を繰りかえし聴いている。コンセプト・クイーンとしてK-POP界の中でも飛びぬけた…

近藤 真弥
1か月前
14

bounce 488号にクレイロの記事、Headie One『The Last One』評 、Charlotte Day Wilson『Cyan Blue』評などを寄稿しました。ぜひとも。 https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/38516

近藤 真弥
1か月前
13

ミュージック・マガジン最新号にLAUSBUB『ROMP』評を寄稿しました。ぜひとも。https://musicmagazine.stores.jp/items/668f319245021c00b69217b7

近藤 真弥
1か月前
14

社会構造から降りてみることの大切さ、緩さと笑いのラップに潜む革新性 ニコ・B『dog eat dog food world』

 ニコ・Bことトム・ジョージ・オースティンは、2000年にイギリスのバッキンガムシャーで生まれた。両親の仕事はお父さんが建設業、お母さんが教師だそうだ。ラッパーとし…

近藤 真弥
2か月前
24

bounce 487号にジョン・ケイルの記事、Niko B『dog eat dog food world』評、Ibibio Sound Machine『Pull The Rope』評などを寄稿しました。ぜひとも。https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/38147

近藤 真弥
2か月前
21

ミュージック・マガジン2024年7月号にnumber_i『No.O -ring-』評とxiexie『wellwell』評を寄稿しました。ぜひとも。https://musicmagazine.stores.jp/items/666a626b58044700405af718

近藤 真弥
3か月前
24

有害な男性性を克服するための処方箋 ドラマ『エリック』

 Netflixドラマ『エリック』は、野心的な作品だ。『モンスターズ・インク』(2001)のサリーみたいな風貌のエリックがヴィンセント(ベネディクト・カンバーバッチ)の妄…

近藤 真弥
3か月前
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bounce 486号にBeth Gibbon『Lives Outgrown』評などを寄稿しました。ぜひとも。https://tower.jp/mag/bounce/2024/bounce_486

近藤 真弥
3か月前
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パンク・ロックを発明したのは韓国の女の子たちだ Sailor Honeymoon「Sailor Honeymoon」

 Sailor Honeymoonは韓国のパンク・バンド。メンバーは、Abi Raymaker、Shin Zaeeun、Mio Siの3人。彼女たちの存在を知ったのは去年10月、YouTubeにアップされたある動画…

近藤 真弥
3か月前
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成功に安住せず、深化を求めたグライムのレジェンド Ghetts『On Purpose, With Purpose』

 イギリスのラッパー、ゲッツはグライムのレジェンドとして確固たる地位を築いたベテランだ。2021年の傑作『Conflict Of Interest』は全英アルバム・チャート2位に到達す…

近藤 真弥
3か月前
36

ホロコーストの加害者と、今を生きる私たちの日常が重なる怖さ 映画『関心領域』

 1945年、とある邸宅でヘス家が幸せそうに暮らしている。夫のルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)、妻のヘートヴィヒ・ヘス(ザンドラ・ヒュラー)、そして子供…

近藤 真弥
4か月前
51

繊細な詩情と音楽への愛情が紡ぐ、庶民の慟哭 Big Special『Postindustrial Hometown Blues』

 ビッグ・スペシャルは、バーミンガム出身の労働者階級であるジョー・ヒックリンとカラム・モロニーによって結成されたユニット。共にアーティストとして短くない下積み期…

近藤 真弥
4か月前
38

希望という名の光が眩しかった完全体“Queendom” Red Velvet @ KCON JAPAN 2024

 この世には、素晴らしいクイーンダムがたくさんある。そのほとんどが女性にとっての理想郷を歌い、男性優位社会に屈しない凛々しさが際立つ。そして何より、《強い私》と…

近藤 真弥
4か月前
46

購入記録(2〜3月)

 この記事は、聴いた作品の中から“興味深い”音楽をピックアップしたリストと、そこから“好き” “面白い”と感じた30曲を選んだSpotifyのプレイリストで構成されており…

近藤 真弥
4か月前
43

bounce 485号に下記の作品評を寄稿しました。Tyla『Tyla』評やChanel Beads『Your Day Will Come』評などを寄稿しました。ぜひとも。https://tower.jp/mag/bounce/2024/bounce_485

近藤 真弥
4か月前
43

ミュージック・マガジン2024年9月号にFat Dogのインタヴュー記事、James Blake & Lil Yachty『Bad Cameo』評を寄稿しました。ぜひとも。https://musicmagazine.stores.jp/items/66b470894dcf6e0034e5e1dd

変わらないことを尊ぶ美しい夢 Red Velvet「Cosmic」

 韓国の5人組グループ、レッド・ヴェルヴェットが今年6月にリリースした最新EP「Cosmic」を繰りかえし聴いている。コンセプト・クイーンとしてK-POP界の中でも飛びぬけた人気を誇る彼女たちは、本作でもおもしろい世界観を披露してくれた。『ミッドサマー』(2019)や『ピクニックatハンギング・ロック』(1975)などさまざまな要素を見いだせる表題曲のMV、流行にとらわれない多彩なトラック群、そう

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bounce 488号にクレイロの記事、Headie One『The Last One』評 、Charlotte Day Wilson『Cyan Blue』評などを寄稿しました。ぜひとも。 https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/38516

ミュージック・マガジン最新号にLAUSBUB『ROMP』評を寄稿しました。ぜひとも。https://musicmagazine.stores.jp/items/668f319245021c00b69217b7

社会構造から降りてみることの大切さ、緩さと笑いのラップに潜む革新性 ニコ・B『dog eat dog food world』

 ニコ・Bことトム・ジョージ・オースティンは、2000年にイギリスのバッキンガムシャーで生まれた。両親の仕事はお父さんが建設業、お母さんが教師だそうだ。ラッパーとして活動する一方で、衣装品レーベルCROWDを運営するなど、音楽以外の表現も目立つ。

 そんなニコ・BがUKラップ界で注目を集めたきっかけは、2020年5月にリリースされたシングル“Who's That What's That”だ。この

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bounce 487号にジョン・ケイルの記事、Niko B『dog eat dog food world』評、Ibibio Sound Machine『Pull The Rope』評などを寄稿しました。ぜひとも。https://mikiki.tokyo.jp/articles/-/38147

ミュージック・マガジン2024年7月号にnumber_i『No.O -ring-』評とxiexie『wellwell』評を寄稿しました。ぜひとも。https://musicmagazine.stores.jp/items/666a626b58044700405af718

有害な男性性を克服するための処方箋 ドラマ『エリック』

 Netflixドラマ『エリック』は、野心的な作品だ。『モンスターズ・インク』(2001)のサリーみたいな風貌のエリックがヴィンセント(ベネディクト・カンバーバッチ)の妄想として現れるなど、全体としては子供向けの絵本みたいな雰囲気が目立つ。それでいて、ヴィンセントが息子のエドガー(アイヴァン・モリス・ハウ)との距離を縮めるまでの物語を軸にしつつ、構造的な人種差別、同性愛嫌悪、ホームレス問題といった

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bounce 486号にBeth Gibbon『Lives Outgrown』評などを寄稿しました。ぜひとも。https://tower.jp/mag/bounce/2024/bounce_486

パンク・ロックを発明したのは韓国の女の子たちだ Sailor Honeymoon「Sailor Honeymoon」

 Sailor Honeymoonは韓国のパンク・バンド。メンバーは、Abi Raymaker、Shin Zaeeun、Mio Siの3人。彼女たちの存在を知ったのは去年10月、YouTubeにアップされたある動画を観たときだった。このレヴューを執筆時点では再生回数200にも届いていないが、演奏を楽しむポジティヴさと社会の規範に収まらんとする気骨が共立していて、そこに惹かれた。
 それからは彼女た

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成功に安住せず、深化を求めたグライムのレジェンド Ghetts『On Purpose, With Purpose』

 イギリスのラッパー、ゲッツはグライムのレジェンドとして確固たる地位を築いたベテランだ。2021年の傑作『Conflict Of Interest』は全英アルバム・チャート2位に到達するなど、商業面での成功も収めている。
 このアルバムは、いま聴いても惹きつけられる素晴らしい作品だ。自身に起こった出来事から社会問題まで、さまざまなテーマを秀逸な批評眼によって描ききった言葉は滋味で溢れている。サウン

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ホロコーストの加害者と、今を生きる私たちの日常が重なる怖さ 映画『関心領域』

 1945年、とある邸宅でヘス家が幸せそうに暮らしている。夫のルドルフ・ヘス(クリスティアン・フリーデル)、妻のヘートヴィヒ・ヘス(ザンドラ・ヒュラー)、そして子供たち。一見、どこにでもいる一家だ。ヘス家の住む邸宅がアウシュビッツ収容所と壁一枚を隔てたところにあるという以外は。

 第76回カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得し、第96回アカデミー賞では国際長編映画賞と音響賞を受賞したジョナサン・グ

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繊細な詩情と音楽への愛情が紡ぐ、庶民の慟哭 Big Special『Postindustrial Hometown Blues』

 ビッグ・スペシャルは、バーミンガム出身の労働者階級であるジョー・ヒックリンとカラム・モロニーによって結成されたユニット。共にアーティストとして短くない下積み期間を経て、デビュー・アルバム『Postindustrial Hometown Blues』のリリースに漕ぎつけた。
 こうした背景ゆえか、本作は初期衝動で溢れる作品とは言えない。酸いも甘いも噛みわけた者だけが生みだせる冷徹な批評眼と、確固た

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希望という名の光が眩しかった完全体“Queendom” Red Velvet @ KCON JAPAN 2024

 この世には、素晴らしいクイーンダムがたくさんある。そのほとんどが女性にとっての理想郷を歌い、男性優位社会に屈しない凛々しさが際立つ。そして何より、《強い私》という女性像が前面に出ている。

 そうした雑感を前提にすると、レッド・ヴェルヴェットの名曲“Queendom”は、少々異色と言えるかもしれない。〈We are Queens in the red castle(私たちは赤いお城の女王)〉と宣

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購入記録(2〜3月)

 この記事は、聴いた作品の中から“興味深い”音楽をピックアップしたリストと、そこから“好き” “面白い”と感じた30曲を選んだSpotifyのプレイリストで構成されております。

2〜3月に聴いた主な作品
※ : 〈「」〉はEP/シングル/ミニ・アルバム。 〈『』〉はフル・アルバムです。

2月

EARTHGANG & Spillage Village「ROBOPHOBIA EP」ヒップホップ

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bounce 485号に下記の作品評を寄稿しました。Tyla『Tyla』評やChanel Beads『Your Day Will Come』評などを寄稿しました。ぜひとも。https://tower.jp/mag/bounce/2024/bounce_485