映画/ドラマレヴュー

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ノート

『デイブレイク ~世界が終わったその先で~』の性善的なキャラクターたち

映画『ジョーカー』の暴力、ドラマ『ザ・ソサエティ』の裏切り。極限の状況に追いつめられると、人は凶悪な本性をあらわにする。そう言いたげな映画/ドラマは多い。
 これらの作品には興味深いものがたくさんある。しかし同時に、本性=凶悪という構図はありきたりじゃないか?とも感じる。追いつめられているからこそ、良心的な部分が表れ、行動を起こす人がいたっていいし、いるはず。そう思うのだ。

 そんな筆者にとって

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その気持ちに心がほろり
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映画『ザ・レセプショニスト』

映画『ザ・レセプショニスト』は、ジェニー・ルー監督の長編デビュー作。2016年にゴールデンホース映画祭で初演したのを皮切りに、多くの国々で上映され、いくつかの賞も得た。
 本作が作られたきっかけには、哀しい背景がある。ルー監督の中国人の友人がヒースロー空港で自ら命を絶ったのだ。その後、友人はセックスワーカーとして働いていたことを知り、本作の構想を練ったという。クラウドファンディングでお金を集めるな

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映画『ジョーカー』

ジョーカーといえば、DCコミックスの『バッドマン』シリーズに登場する敵役の中でも人気が高いキャラクターだ。ドラマや映画では、シーザー・ロメロ、ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レトが演じてきた。

 そんなジョーカーに新たな側面をあたえようと試みたのが『ジョーカー』だ。監督は『ハングオーヴァー』シリーズなどで知られるトッド・フィリップス。アーサー・フレック/ジョーカー役にはホアキ

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あなたのお気持ちに感謝いっぱいです。
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ドラマ『トップボーイ』 シーズン3

2010年代の名作ドラマTOP10を選んでくれと言われたら、あれやこれやと悩むだろう。それでも、真っ先に思い浮かぶ作品はいくつかある。イギリスのクライムドラマ『トップボーイ』は、間違いなくそのなかの1つだ。

 このドラマは2011年にシーズン1、2013年にシーズン2がチャンネル4で放送された。物語の中心人物は、イースト・ロンドンのサマーハウス団地を拠点とするドラッグディーラーのダシェン(アシュ

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映画『アス』が浮き彫りにする「私たち」の闇

映画『アス』は、前作『ゲット・アウト』で人種差別を鋭い視点から描いたジョーダン・ピール監督の最新作だ。
 本作は1986年、両親と訪れた行楽地にあるミラーハウスに迷いこんだ幼少期のアデレード(ルピタ・ニョンゴ/幼少期 : マディソン・カリー)の姿から始まる。そのミラーハウスでアデレードは、自分とそっくりな少女に遭遇したことがトラウマとなり、失語症になってしまう。

 それから時が経ち、アデレードは

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ドラマ『マインドハンター』シーズン2

『マインドハンター』は、1972年に行動分析課を設立した直後のFBIが舞台のドラマだ。フォード(ジョナサン・グロフ)、テンチ(ホルト・マッキャラニー)、ウェンディ(アナ・トーヴ)らによって、いまでは有名になったプロファイリングの手法を確立するまでの過程が描かれる。ネットフリックスが制作を務め、デヴィッド・フィンチャーやシャーリーズ・セロンが制作総指揮に名を連ねたことも注目された。

 2017年発

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『全裸監督』は攻めていない

『全裸監督』は、本橋信宏の『全裸監督 村西とおる伝』を原作とした、日本発のNetflixオリジナルドラマである。1980年代の日本を舞台に、AV監督・村西とおる(山田孝之)の人生を描いていくという内容だ。

 視聴前にいろいろ調べてみると、ワールドプレミアに関する記事を見つけた。Netflixを通じて全世界に配信されるだけあって、プロモーションにもかなり力を入れているようだ。その記事によれば、川田

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ありがとう、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』

Netflixオリジナルの人気ドラマ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』は、パイパー・カーマンのノンフィクション小説『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック 女性刑務所での日々』を原作とした作品だ。アメリカにある女性刑務所を舞台に、収容者たちの物語を描いていく。主人公はテイラー・シリング演じるパイパー・チャップマンだが、他にも強烈なキャラクターが多数登場し、ドラマを彩る。パイパーを中心としたドラマという

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映画『存在のない子供たち』

レバノン出身のナディーン・ラバキーは、中東を代表する映画監督の1人だ。デビュー作『キャラメル』がカンヌ国際映画祭の監督週間で上映され、さらに同映画祭の“ある視点部門”の審査員長を務めた経験もある。

 そんなナディーンの最新作が『存在のない子供たち』だ。本作の主人公は、12歳の少年ゼイン(ゼイン・アル・ラフィーア)。だが、この年齢には“たぶん”という留保がつく。貧しい両親は出生届を提出しておらず、

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映画『ワイルドライフ』

『ワイルドライフ』は、俳優ポール・ダノにとって初の監督作品だ。リチャード・フォードの小説『Wildlife』を原作に、ポールとそのパートナーであるゾーイ・カザンが脚本を執筆している。
 本作の舞台は1960年代、モンタナ州の田舎町だ。仲睦まじい両親ジャネット(キャリー・マリガン)とジェリー(ジェイク・ギレンホール)のもとで、ジョー(エド・オクセンボールド)は暮らしていた。お世辞にも裕福とは言えない

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