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雑文

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記事一覧

購入記録(1月)

 この記事は、聴いた作品の中から“興味深い”音楽をピックアップしたリストと、そこから“好き” “面白い”と感じた30曲を選んだSpotifyのプレイリストで構成されております。

1月に聴いた主な作品
〈「」〉はEP/シングル/ミニ・アルバム。
〈『』〉はフル・アルバムです。

Dress『How Deep Is Your Love』R&B

Ferry Blue“Everything Is Y

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カン・ダニエルの告白、女性差別…K-POPの光と闇の歴史を辿る『K-POP Evolution』 初出:wezzy(株式会社サイゾー) 2021年7月17日

 筆者がたびたび寄稿していたウェブメディア『wezzy』が、2024年3月31日にサイトの完全閉鎖を予定しているそうです。そのお知らせの中で、「ご寄稿いただいた記事の著作権は執筆者の皆様にございます。ご自身のブログやテキストサイトなどのほか、他社のメディアでも再利用可能です」とあるため、こうしてブログに記事を転載しました。元記事のURLを下記に記載しておきますので、気になる方は閉鎖前に覗いてみてく

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テイラー・スウィフトのメディア戦略と理不尽との戦い方『ミス・アメリカーナ』 初出:wezzy(株式会社サイゾー) 2020年3月22日

 筆者がたびたび寄稿していたウェブメディア『wezzy』が、2024年3月31日にサイトの完全閉鎖を予定しているそうです。そのお知らせの中で、「ご寄稿いただいた記事の著作権は執筆者の皆様にございます。ご自身のブログやテキストサイトなどのほか、他社のメディアでも再利用可能です」とあるため、こうしてブログに記事を転載しました。元記事のURLを下記に記載しておきますので、気になる方は閉鎖前に覗いてみてく

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ビヨンセ、アリアナ、森高千里…性差別にファイティングポーズをとるミュージシャン 初出:wezzy(株式会社サイゾー) 2019年5月3日

 筆者がたびたび寄稿していたウェブメディア『wezzy』が、2024年3月31日にサイトの完全閉鎖を予定しているそうです。そのお知らせの中で、「ご寄稿いただいた記事の著作権は執筆者の皆様にございます。ご自身のブログやテキストサイトなどのほか、他社のメディアでも再利用可能です」とあるため、こうしてブログに記事を転載しました。元記事のURLを下記に記載しておきますので、気になる方は閉鎖前に覗いてみてく

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暗澹たる世界を生きぬくために 2023年のポップ・カルチャーを振りかえる

 あけましておめでとうございます。12月31日リリースの作品も選考の対象としているため、他の方々と比べて遅めの振りかえりとなりました。編集/ライターとして働いている筆者ではありますが、1年の終わりを前にベスト作品を発表する必要はないと考えています。業界の慣習を無視できない立場ならともかく、ネット上のブロガーやアルファアカウントの類までその慣習に沿う必要はないのになと思います。ランキングには入れてい

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2023年ベスト映画20

 選考基準、視点、リードなどはこちらの記事で書いております。合わせて読んでいただけたら嬉しいです。

20
『マネーボーイズ』

19
『バレリーナ』

18
『ショーイング・アップ』

17
『キル・ボクスン』

16
『ダンサー イン Paris』

15
『シック・オブ・マイセルフ』

14
『モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン』

13
『ハント』

12
『バービー』

11
『ブル

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2023年ベストドラマ20

 選考基準、視点、リードなどはこちらの記事で書いております。合わせて読んでいただけたら嬉しいです。

20
『国民死刑投票』

19
『ヴィジランテ』

18
『無人島のディーバ』

17
『マスクガール』

16
『最悪の悪』

15
『イ・ドゥナ!』

14
『力の強い女 カン・ナムスン』

13
『その恋、断固お断りします』

12
『7人の脱出』

11
『ムービング』

10
『医師チャ

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2023年ベストブック20

 選考基準、視点、リードなどはこちらの記事で書いております。合わせて読んでいただけたら嬉しいです。

20
Mary Gabriel『Madonna: A Rebel Life』

19
キム・チョヨプ『파견자들』

18
Martha C Nussbaum『Justice For Animals』

17
イ・ソヨン『옷을 사지 않기로 했습니다』

16
Sarah Ditum『Toxic』

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熟練を見せつけるユーフォリックなダンス・ミュージック The Chemical Brothers『For That Beautiful Feeling』

 イギリスのダンス・ミュージック・デュオ、ケミカル・ブラザーズは良質なダンス・ミュージックを作りつづけてきた。テクノ、ハウス、ロック、ヒップホップなどさまざまな要素が混在したトラック群は多くのリスナーに愛され、いまもなお聴かれている。

 マンチェスターのアンダーグラウンドなクラブ・シーンから出発した彼らの旅を振りかえると、興味深い点がたくさんあることに気づく。ビッグビートというジャンルをメインス

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素顔を隠さない強さ 『aespa LIVE TOUR 2023 ‘SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN -Special Edition-』 2023.8.5~6

 2023年8月5~6日、aespaの東京ドーム公演に行ってきた。彼女たちのライヴを観るのは、今年4月におこなわれたさいたまスーパーアリーナ公演以来だ。そのときとツアータイトルは同じだが、東京ドーム公演は-Special Edition-と銘打たれている。どこがスペシャルなのか知りたいと思い、チケット販売開始と同時に応募し、運良くゲットできた。
 正直、ここ最近ライヴに対するハードルが上がってい

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言葉で楽しむK-POP ライオット・ガールの表情を帯びはじめた(G)I-DLE

言葉で楽しむK-POP ライオット・ガールの表情を帯びはじめた(G)I-DLE

 この一節は、韓国の5人組アイドルグループ、(G)I-DLEのデビュー曲“LATATA”(2018)に登場する。本稿を書くためにあらためて再生したら、リリース当時に聴いたときと印象は変わらなかった。多くの新人アイドルグループの歌がそうであるように、質の高いパフォーマンスでファンを魅了するという意志が詩的な言葉に置きかわっている。あるいは、誰かを夢中にさせたいと願う者を描いたラヴ・ソングとしても聴け

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実存は本質に先立つ 『aespa LIVE TOUR 2023 ’SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN』@さいたまスーパーアリーナ 4/16

 4月16日、韓国の4人組グループaespaがさいたまスーパーアリーナでおこなった『aespa LIVE TOUR 2023 ’SYNK : HYPER LINE’ in JAPAN』を観てきました。結論から言うと、とても素晴らしかったです。テクノロジーを駆使した演出からタイポグラフィーまでさまざまな仕掛けが飛びだすライヴは、視覚的楽しさでいっぱいだった。重低音を前面に出した曲群はレイヴィーと言え

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アイルランドからFuck家父長制のポスト・パンク〜M(h)aol『Attachment Styles』

 以前ブログでも書いたように、いまアイルランドの音楽シーンがおもしろい。記事を書いたあとも、ヒップホップ・グループのニーキャップがNYタイムズにピックアップされるなど、その勢いは増す一方だ。
 こうした潮流をきっかけに、M(h)aol(〈メイル〉と発音するらしい)も大きな注目を集めた。2014年にダブリンで結成されたこのバンドを知ったのは、2021年のデビューEP「Gender Studies」を

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恋愛至上主義ではない恋愛ドラマ『愛と、利と』

 2023年2月9日、韓国ドラマ『愛と、利と』の最終回が放送された。KCU銀行ヨンポ店で働く4人の男女を中心としたメロドラマである本作は、恋愛至上主義ではない恋愛ドラマと言える作品だ。スヨン(ムン・ガヨン)、サンス(ユ・ヨンソク)、ミギョン(クム・セロク)、ジョンヒョン(チョン・ガラム)はそれぞれの恋愛模様を見せてくれるが、4人とも誰かと結ばれることなく物語は終わる。

 本作を観て特に興味深いと

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