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断想集『東京活断想』

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#作文

『これじゃあ俺もまだ』

『これじゃあ俺もまだ』

一時はプロ野球界を

この剛腕で支えたと自負する

そんな俺の肩は

もう限界を迎えていた

いや

とうに限界など越えていた

肩のみならず



足腰など

およそ投球に必要な

俺の身体の部分はすべて

廃人同然

今年の夏は

いつになく厳しくて

ルーキーの年以来初めて

20年ぶりの

2軍生活

監督やコーチ

あるいはチームメイトには

相談できない

孤高の苦しみを抱えている

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断想:真夏に帝都の端くれで感じることなど

断想:真夏に帝都の端くれで感じることなど

蝉が路上にひっくり返っている様をみかけることが多い時候となりました。あいつらなんでかならずひっくり返って逝くんですかね。それは簡単です、後戻りできないっていう彼らなりの決意なんだと思います。ほんとつくづく切ない生き物ですね蝉っていうのは。お読みいただいている方のなかに蝉年(干支)のひとがいたらすみません←

帝都の端くれに住んでいまして。明日休みだからちょっと飲むかと、住宅街の真ん中にある、その土

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断想:耄碌することの怖さ

断想:耄碌することの怖さ

まず耄碌って自筆で書けないですからね。そのくせこんな主題で綴ろうとするなんて。まぁお許しください。

生まれてからだいぶいい歳を取りました。健康とは言えないまでも、致命的な病気やけがをせずにそこそこやっています。そして両親もまだ健在です。

みなさんは、自分の聡明さに自信を持っていますでしょうか?

これものすごく難しいし、ものすごく怖い話題だと思うんです。わかりきっていることだけど、自分は生まれ

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断想:もうきょうはフィクションを書いてる場合じゃないな

断想:もうきょうはフィクションを書いてる場合じゃないな

物騒で悲しいニュースが流れてきましたね。どんな奴がやったのかまだ不明なところも多いですが、言論が暴力で封じられてはならないという誰かの言葉に涙が出そうになりました。

たびたび思うのですが、やっぱりお化けよりヤ〇ザより、節度を失った一般人(?)が怖いですよね。ちょっとしたはずみなのか、長年の物事の積み重ねなのか推し量ることは難しいですが、とにかく日常に危険は潜んでいると。

ふだん私は、そんなとこ

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断想:「なんか面白いことない?」

断想:「なんか面白いことない?」

「なんか面白いことない?」

この問いを投げかけてくる人は非常にやっかいですよね。まず考えることを放棄してますから。面白いことなんて、そこかしこに転がってるじゃないですか。問題は物事の見方、切り取り方と、加工の仕方なんですよ。

あぁもちろんこの文脈においての「面白い」は、コメディすなわち「笑い」っていう意味も含みますが、「楽しい」、「興味深い」、「斬新」といったところを指すのは言うまでもないでし

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断想:梅雨とかフランスとか|積書《つんかく》状態とか

断想:梅雨とかフランスとか|積書《つんかく》状態とか

帝都は梅雨の合間に日差しが眩しい一日でした。

もう6月も半ばってことになるので、2022年も半分過ぎることになりますね。

拙作のアイディアリストのなかにも去年、否、もっと前から積読ならぬ、積書状態になっているのもあって、もはや何を書きたかったかわけのわからないものもちらほら

「スケボーUber助平豆腐」
「おおしゃんぜりぜ長崎はあめ」
「血液の消し方ノートならわかりやすい」
「一文字ぶんがく

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