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断想:「なんか面白いことない?」


「なんか面白いことない?」

この問いを投げかけてくる人は非常にやっかいですよね。まず考えることを放棄してますから。面白いことなんて、そこかしこに転がってるじゃないですか。問題は物事の見方、切り取り方と、加工の仕方なんですよ。

あぁもちろんこの文脈においての「面白い」は、コメディすなわち「笑い」っていう意味も含みますが、「楽しい」、「興味深い」、「斬新」といったところを指すのは言うまでもないでしょうね。

謙遜でも驕りでもなく、自分はまぁ平均値より面白いほうだとは思います。面白いものを求めていますからね毎日毎秒。渇望してますよ。三度の飯より面白いものと昼寝が好きですよ。そもそも三度の飯がめちゃくちゃ好きなので、面白いものへの愛情はお察しいただけるかと。

もとい、「なんか面白いことない?」っていう奴はもはやプライベートでは自分の周りには居ませんね。知らないうちに疎遠になってるか、元々親しくないわけで。これがただ、仕事関係だとタチが悪いですね。

だってね、冒頭に書いたとおり、その問いかけをしてくる人っていうのは、自分で面白いものを求めているようで、他人任せなんですよ。食事に例えますとね、スーパーに居て、「なんか美味しいもの作ってよ」って言ってる人なわけです。自分で料理ができない。食材を探せない。というか食材が置いてあることにすら気づいていないことが多い。

そういう人に限って、面白いものに対する舌が実際には肥えてないわりに、グルメ気取りなものだから、こちらがどんな料理(面白いもの)を提供したところで、「まずい」、「体に毒だ」、「コストが高い」、「食べ飽きた」などとエラそうに言うわけなんですよ。

こっちがあれやこれや試行錯誤したところで無駄なんですよ。そんなところへささっとコンビニ弁当(しょうもないアイディア)を差し出してみると、うめーうめー言って喰うわけ。やんなっちゃうよね。

あるいはどこで聞きかじったか知らないけど、もうとっくにみんなが知ってる”画期的なアイディア”をさも自分の斬新な発想かのように語りだす始末。

そんな人に対して、誰が「面白いアイディア」、「斬新な試み」をプレゼンしようと思いますかっていう話。

図にするとこうです。

面白いことないの星人の生活領域


いちばん内側の枠が、「面白いことないの?」って言ってくる人たち(めんどいので「面白いことないの星人」と名付けます)の、一般的な地球人からしたら、それはそれはつまらなくて退屈な生活領域だとしましょう。枠内右下の濃いオレンジ色のボールが、私が出したアイディアだとします。「つまらない」と一蹴されます。そりゃそうですね。生活領域内なわけだから。

その外側にある「面白いことないの星人が面白いと感じる領域」に投じられた黄色のボールは、投げたほうからしたら手ごたえはないけど、どうやらストライクです。

ところが、その外側にある「面白いことないの星人の理解を超えた領域」(≒一般的な地球人の生活領域+α)にボールを投げ損じてしまうと、これまた「つまらない」ということで下手をするとデッドボール扱いになってしまいます。わたしたち地球人からみたら割と面白い内容でも、です。

蛇足ですが、さらにその外側には遥かなる大宇宙が広がっているので、ピンク色のボールはそこに投じられています。しかしこれはなかなか投げられないし、打ち返すことも(視認することも)極めて困難です。このピンク色の球を扱えるように筆者は日々鍛錬を積んでいます。

本題に戻りましょう。とにかく「面白いことないの星人」の生活領域はふつうの地球人より至極狭く、そのくせ声はデカいのです。そんな人に指示されたりダメ出しされたり、うんざりしませんか?あんたが理解できる範囲の「面白いこと」はすでに面白いことじゃないんだよっていう話です。

プロのクリエイターでもなんでもないので、食い扶持の仕事で「面白いこと」発表しようとなど思いません。ちゃんと与えられた仕事をこなすまで。大宇宙にピンク色の球を投げたくて日々練習してるのに、「面白いことないの星人」のためにアイディアなんて出せませんのよ。

これどうしたらいいですかね。どうしようもないことはわかってるし、そんなもんだと割り切ってますけども。

みなさんはどう思われますか?ねぇ。













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