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宛先のない手紙

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思いごと 考えごと その先には 誰かが居たり居なかったり そうして私は 自分と対話していく
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見守って照らして頷いて

見守って照らして頷いて

梅雨だというのに

会えないだろうと
期待することもしないで居たのに

顔を見せてくれたあなは
隠れていた
あの娘を探しあてる

そうよ、ちゃんと居るのよ、と
あの娘は
ニヤリとして
姿を現した

存在を消されるのを怖れて
身を潜めていた
小さい体を
更に小さく屈めて

一緒に連れて行くと
約束したのに
私は
またしても
置き去りにしようとした

ごめんね

月は
何も言わない
ただ見守って
私が

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はみ出していく言葉たち

はみ出していく言葉たち

受け止めがたいことに直面した時

受け止めようと
受け入れようとする時

自分の肉体は
そのままそこに置いたまま
魂を抜き取って
空に預けて

0から
自分を納得させるための理由みたいなものを
積み木みたいに
折り合いが付くまで
ひとつずつ
積み上げていくのだと
思い込んでいたけれど

どうやら
一気に「0」までじゃなくて
一旦、30%くらいのところまで降りて
そこから一段ずつ下がって
底辺にある

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心質改善は難しい

心質改善は難しい

スシローで
「えび」ばっかり食べる。
年に何回か、そんな日があって
その日は、炭水化物の摂りすぎも
野菜不足も気にしない。

大好きなもので
お腹を満たすって
なんて幸せなんだろう。

器と称するものは
お腹に限らず
心も、そうで。

好きなもので
満たしたくなることがある。

私の場合
不安になると
心に、さざ波が立って
しだいに
整理していたはずの様々な感情の
決壊が崩れて入り乱れ
その対処法

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2022→2023

2022→2023

テレビをつけていたら
カウントダウンが始まって
確かに
視覚と聴覚とで
その時が来ることを意識する。

それがなければ
音もなく
目にも見えないまま
2022年は、去って
2023年は、やってくる。

makijakuとして以前に
妻、母、娘、姉、、、
いろんな役割があって
年末年始は
その配分が大きく
今、ようやく
ゆっくりと「私」の声に耳を傾ける。

いろいろあった。

2022年
いろいろあ

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怖がりな僕らは

怖がりな僕らは

「楽しいの終わり」
友人との、やりとりで
登場したキーワード。

この点については
以前触れた事があった気がする。

始まりがあれば
終わりがあって

始まるまでは
とても長い時間
待ちわびて楽しみなのに
始まった途端に
終わりに向かって急加速。
そして終わった瞬間
喪失感。

「楽しみ」を失って
寂しさが襲ってくる。

それを知ってる。

体感して
知ってしまってるから
そこが、怖くなる。

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嵐の夜に

嵐の夜に

風は
あらゆるものと音を立てて騒いで
雨も仲間に付けて
恐怖を煽る

普段
外で暮らす愛犬も
玄関で待機

彼女もまた
恐怖とストレスとで
狂っていて
古い我が家の
ベニヤ板の壁を
ガシガシと前足で傷を入れ
ミシミシと
歯で噛みちぎっている

そうしたら
飼い主が
電気を点けて
自分の相手をしてくれると
思っているんだな

そんな心理に似た感覚が
その昔
自分にもあった気がして
ぼんやりとした記憶

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